黒猫サンタさんのパン作りブログ

プロのベーカリーと製パン企業のみなさまへ

冷凍パン生地 ~ 製パン法について

なぜ、パン生地を冷凍するのか

  童謡にも歌われているように、『 ♬ 朝一番早いのはパン屋のおじさん ♪ 』といったイメージは実際の(店舗での)製パン作業を如実に反映しています。

 例えば、原材料の計り出しは前日に済ませたとしても、店舗の開店当日に仕込みから始めますと、午前10時の開店時にある程度の品揃えをするためには午前3時頃からの準備が必要となるからです。

 この過酷な作業条件の緩和が、冷凍生地製パン法の第一の目的です。

 前日に冷凍庫から必要数の冷凍パン生地を取り出しておいて、ドウコンディショナーにセットしておけば、翌日の出勤時には解凍まで済んだ状態で、復温、成形といった工程から始めることができる為です。

 この製法であれば、朝6時に出勤しても十分な品揃えを開店までに済ませることが可能になる訳です。

 冷凍パン生地を使用する利点としては、準備する機器類を簡素化できる点も挙げられます。
 このことは、店舗を経営していく為には非常に重要な項目のひとつで、初期投資および製パンスペースの抑制を図ることができる為です。

 冷凍生地製パン法

 それでは、この冷凍生地製パンとは、どのような製法なのかを解説していきます。

 下の工程図を見て下さい。 

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  通常の製パン法の中に『冷凍~保存~解凍』といった操作が組み入れられています。

 パン生地を冷凍するタイミングは、種類によって丸目の後だったり、成形あるいは発酵の後だったりします。

 一般的に、上記のそれぞれは玉生地、成形生地、ホイロ後冷凍生地と呼ばれています。

 当然、玉生地のように工程の上流で冷凍した生地は、解凍後の製品加工のレパートリーが増えますが、作業時間は長くかかります。

 逆にホイロ後冷凍生地では、解凍後の作業時間が短時間で済む(製品によっては、冷凍の状態のまま天板に並べて、すぐに焼くことができるようなパン生地も開発されたほどです)一方、なかなか手を加えて製品に変化を付けることは困難になってきます。

 最近の農林水産省の発表では、日本においてパン用に消費される小麦粉量の約10%は冷凍パン生地として製造されているそうです。

 ホールセールの大型製パンラインでは、冷凍パン生地を使用して製造・出荷する製品はほとんどありませんから、小規模の製パンラインや店舗等では、非常に利用されていることが伺えます。

 また、近年ではスーパーマーケットの冷凍食品コーナーでも普通に冷凍パン生地を目にするようになりました。

 一般の家庭でも、オーブンレンジ等の普及によって、自宅で焼き立てパンを楽しむことができるような時代になってきたことを実感しています。