黒猫サンタさんのパン作りブログ

プロのベーカリーと製パン企業のみなさまへ

冷凍パン生地 ~ 冷凍方法②

取り組んできた足跡(前号より続く)

 固体内に含有された場合も含めて液体を凍らせる際、凍結速度という言葉を使う時があります。

 急速冷凍とか緩慢冷凍とか、凍らせる時の速さを意味するのですが、正確な定義を私は知りません。

 そして、解釈を間違えると効果を出せないばかりか、返って品質を低下させる懸念も出てきます。

 食品を急速冷凍させる理由は、主に凍結時に生成する氷結晶の成長に由ります。

 冷凍食品の通例では、最大氷結晶生成帯と呼ばれます、[凍結温度]~[凍結温度-3℃]の温度帯を極力早く通過させることを推奨しています。

 氷結晶の成長は、水分を含む食品の構造を破壊してしまうからです。

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 では、急速に冷凍させるとは具体的にどのような操作になるのでしょう。

 すぐに思い浮かぶのは、『低い温度で冷凍させる』ということではないでしょうか。

  確かに冷凍庫をイメージして、‐20℃の庫内と‐50℃の庫内とで比較した場合、当然、後者の方が入れた食品は速く凍結します。

 ところが、この‐50℃という温度は、食品を凍結させるファクターのひとつであって、この指標のみで急速凍結に結び付けられるものではありません。

 例えば、冷凍庫の中に扇風機があって、その風が当たっている食品と当たっていない食品を比べてみたら、どうなるでしょう。

 もちろん、風が当たっている食品の方が早く凍結することは想像に難くありません。

 それであれば、凍結させる装置の条件ではなく、食品そのものの数字で表現できればいいのですが、先日に参加した学会においても、定性的な急速・緩慢といった表現が頻繁に使われています。

 おそらくですが、測定が困難なことが理由の一つになっているのでは、と思ってしまいます。

 車の速度なら、移動距離を時間で割れば出てきますし、水を沸騰させる時の昇温速度ならある時間内の温度編を図れば求められます。

 ところが、凍結速度は温度変化がなく状態変化を起こした時に費やされる時間から求められるべき値ですので、割り算の分子に入れる数値が悩ましいところです。

 さて、前号でも記載しましたが、パン生地の場合は酵母の失活温度がありますので、温度の下限値が制限されてしまうケースも起きてしまいます。

 私なら伝導熱を利用します。

 つまり熱容量が大きい金属等の塊2個を予め‐30℃程度に冷やしておいて、それでパン生地を挟んで冷却させる方法です。

 もちろん、パン生地も準備段階として0℃近くまでは予め冷やしておくことが大切です。

 低過ぎない温度で速く凍らせる方法、まだまだありますよ。