黒猫サンタさんのパン作りブログ

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ミキサーの特性(2) ~ スパイラルミキサー

スパイラルミキサーの特徴

  バゲットなど硬めのハード系の生地を捏ねる時によく使われるミキサーです。
 硬めの生地をしっかりと練り込むための機能が備わっています。

外観
 外観は下図のような構造になっています。

 

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  パン生地は、回転するミキサーボウルで混合・混捏されます。
 このミキサーではボウルが回転する一方で、ミキシングフックの軸は固定です。

 ミキシングフックの形状も縦型とは異なり、バネを縦に延ばしたような形状となっています。

 ボウルとフックの速度が数段階で変速できる点は、縦型ミキサーと同様です。
フックの動作
 次にミキシングフックとボウルの動きを見てみましょう。

 ミキシングフックの軸は、ボウルの中央ではなく、奥の偏った位置にあります。

 パン生地は、ここの位置で混合・混捏されることになります。

 別の言い方をすると、フックが届かない位置にある生地はボウルの中にありながら、まったく加工されていない状態にあります。 

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  ボウルとフックは同じ方向で回転するように設計されています。
 つまり、ボウルとフックの壁面での周速度が同じだった場合、仮にものすごい速度でボウルとフックが回転していたとしても、フックとボウルが最も近づくところでは、生地を円周方向に回す力は働かず、ミキサーボウルに押し付ける方向に力は働きます。

 この点では、縦型ミキサーと同様です。
 このミキサーでは生地を高速で捏ねても、日本式の柔らかい生地では最終的に塊にはならず、常に同量の生地をミキサーボウルとフックとの間隔で練り込むように混捏されます。
 下のグラフを見て下さい。 

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 縦型ミキサーの時と同様にパン生地のミキシング中は、何も冷却の操作を施さないと練り込まれた生地が摩擦熱の影響を受けて温度上昇します。
 横軸には時間、縦軸の第1軸には温度、第2軸には動力モーターの有効電力を取りました。
 仕込みの条件としては、今回は3kg仕込みと4kg仕込みで比較しています。
 なにか気付いた点はありますか? 縦型ミキサーの時と、どこが異なっていますか?
 スパイラルミキサーでは、仕込み量が違っていてもモーターの動力負荷にはほとんど違いは見られません。
 一方、生地温度の上昇には歴然とした差が生じています。

 縦型ミキサーの時とは、真逆です。
 このような現象が起こる理由は、やはり先に記述しました生地の捏ねられ方にあります。
 スパイラルミキサーでは3kgでも4kgでもドウフックがボウルとの間隔で練り込める、ほぼ一定量の生地を捏ねる為、動力負荷は仕込んだ量にあまり影響を受けないのですが、そうなりますと同様の動力負荷(=摩擦熱)で異なる仕込み量の生地を暖める訳ですので、生地の温度上昇が変わってくるのです。

 具体的には、生地の仕込み量が大きい程、温度上昇は抑えられる結果となります。