黒猫サンタさんのパン作りブログ

プロのベーカリーと製パン企業のみなさまへ

街のパン屋さん ~ はやしぱん 大納言バゲット

興味をそそられるパン

 私は仕事柄、原材料へのこだわりを謳っている商品に対してはあまり興味を示すことがありません。

 別に厳選された原材料を嫌っている訳ではないんです。

 こだわっているところが作り方に偏っていることは自覚していますので、街のパン屋さんへ行っても、小麦の原産地や天然酵母といったことよりも、どうしても窯伸びは適正か、シート生地の層はきれいに出ているか、内相は細やかにできているか、など品質的なところに目がいってしまいます。

 ただ、乳化剤や生地改良剤などを使用していないパンに関しては、同じ配合の観点であっても、それらの原材料を使用しない製造上の不都合をどのように他の方法で克服しているのかといったことに興味をそそられます。

 あとは、どうしたらこんな形状のパンができるのだろう…とか、見た目に映えるパンであれば、成形方法を考えさせられるようなパンには食い付きがいい方だと思っています。

大納言バゲット

 名古屋市名東区のはやしぱんで作られています大納言バゲットには、一見、ハード系の生地に単に大納言小豆が巻かれている製品と映ったのですが、よく見てみると、見えている大納言小豆は、すべてクープの切れ間から見えています。 

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 一般的なバゲットは薄く伸ばした生地を巻いて棒状の成形をすることはなく、玉生地に近い形状から表皮を張りながら棒状に成形しますので、おそらくこのバゲットは別の成形方法で作っていることは想像に難くありません。

 では、生地を締めるエンドをしっかりと結着させて、1層の生地で大納言小豆を包む方法は?、と考えてしまう訳です。

 クープで開く程度の表層生地の薄さで包むので、少なくとも大納言小豆を巻く部分は相当の薄さにしていないと焼成後きれいに切れ間から大納言が顔を出すことができなくなってしまいます。

 それと細かいところですが、玉生地をそのまま伸ばした楕円の生地では、どうしても両サイドが細くなって大納言小豆の巻く量が少なくなってしまいます。

 生地全体に均一な大納言小豆を分散させるには、通常のバゲットのように四角に近い延展の生地に大納言小豆を巻いてロール成形する必要があるのでは、と想像してしまいます。

 あと、クープの数が6つと多いですね。

 一般的な3つのクープでは割れ目が大き過ぎて、そこから大納言小豆がこぼれ落ちてしまうからでしょうか。

 ひとつの製品からでも、いろいろな想像はできるもので、そんなことを考えてみるのも面白さのひとつだと思っています。

 今度、別の機会に自分でも作ってみて、確認してみたいと思っています。

 モノ造りのノウハウというのは、こんな興味本位のところから始まるのかもしれません。