黒猫サンタさんのパン作りブログ

プロのベーカリーと製パン企業のみなさまへ

冷凍パン生地 ~ 冷凍方法③

数値シミュレーションの展開

 コンピューターでシミュレーションができるようになりますと、ここでやっと急速冷凍と緩慢冷凍を定量的に示すことができる準備が整ってきます。

 パン生地を縦に切った断面で、生地の各部位が温度低下していく様子を目で見ることができるようになりました。

 そしてここから、いろいろな数字を拾い出していきます。

 まずは、パン生地の各部位が凍り終わった時間(凍結時間)を求めて、三次元グラフに示したものが下図になります。

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 グラフの見方ですが、過日に示したパン生地の外形がえんじ色で薄く示された部分になります。

 そして、そのR軸とZ軸で示された各部位の凍結時間が縦軸の数字となります。

 つまり、最も最後に凍結した中心軸上でやや上方の位置が、最も高い値を示している箇所になります。

 さて、凍り終わった時間が分かるということは、その部位が凍り始めた時間も当然分かります。

 つまり、生地内部のすべての部位が凍り始めてから凍り終わるまでに掛った時間を求めることができます。

 さらに、各部位は固定のサイズ(長さ)を持っています。

 長さの数値があって、凍り始めてから凍り終わるまでの時間も求められるのであれば、速度(= 距離/時間)は容易に計算することができます。

凍結速度を数値化する

 計算結果を下図に示します。

 グラフの見方は同様で、R軸とZ軸で示された平面上にパン生地の外形がえんじ色で薄く示されています。

 なお、縦軸ですが、私の見易さからの主観で凍結速度の逆数を取りました。

 つまり、凍結速度が速い部位は低い数値で示されることになります。

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 まず、パン生地の内部で凍結速度は一定値では決してなく、部位ごとに異なった凍結速度で凍っていることが分かります。

 これで、従来、環境温度やパン生地中心部の温度変化で急速冷凍だ、緩慢冷凍だと論じていたことは、ほぼ意味がないことが分かります。

 しかも、パン生地中心部がもっとも最後に凍るであろうことを想定して、そこでの温度を測定していたとすれば、なおのことです。

 グラフの説明をします。

 パン生地全体を見てみますと、表面が露出している部分が比較的凍結速度が遅く、最終的に凍結する中心軸上やや上方の部分がもっとも急速に凍結していることが分かります。

 そして、パン生地を載せていてトレーに接している部分は、比較的安定して早い凍結速度を示しています。

 ところで、これまで気が付きませんでしたが、今、パン生地冷凍の安定した方法を思いつきました。

 時期を見て、確認できればと思っています。