前日入りしてホテルのチェックアウトはAM10時ながら、授業はPM12時50分から。
とりあえず、長崎駅前のスタバで時間を調整してから、路面電車で長崎大学へ。
特別講義 『社会と工学』
今年で3年目となります学部3年生の講義『社会と工学』に、製パン産業における工学のテーマで教壇に立ちます。
この特別講義は、10コマすべてが外部の非常勤講師が担当していますが、食品を対象としている講義は私だけとの事で、ここでも稀少種の存在となっているようです。
このことは大手食品製造企業が概ね装置産業となっている現状を鑑みますと、まだまだ食品製造企業と食品製造装置企業との隔たりがそれなりにあることの裏返しでは、と考えたりします。
昼休みが終わって、学生が徐々に教室に入ってきますと、教室の机は奥側の両端から埋まっていき、真正面の机はしっかりと空席になっています。
いつもの光景です。
ただ、学生の顔を見ながら講義を進めているところで気が付いたのは、今年はしっかりと目が合う学生が多く、しかも問いかける口調で話をしているとうなずいている人達が多く見られたところでしょうか。
この講義は、後日にレポートの提出があって、毎年、学生達の独自の発想が記載されていることを期待して、楽しみに読ませてもらっています。
学生の成績につながっているかどうかは別にして、このレポートには私の感想を加えて担当されています教官の先生に回答を送っています。
イメージを膨らませて、モノ作りに展開していく、この姿勢は大学でもパン学校でも同様です。
自分の意見をしっかりと伝えることができることも、この講義を通して学生の皆さんに教授したかったことです。
帰路…の悲劇
特別講義がほぼ定刻に終わって、帰路に就きます。
予定通りであれば、およそ7時間の長旅です。
長崎駅から博多までの移動は、今回は珍しく定刻通りに列車が到着しました。
これまで遅れるのが日常的なJR長崎本線では、初めての経験でした。
実に事が順調良く進んで、気分的には快適だった、…筈だったのですが…、しかし、今年の遅延は別の路線でこの後更に数十倍になって起こってしまいました。
例年のごとく、この日のために貯め込んでおいたJR EXPRESSカードのポイントを使って、ここぞとばかりにグリーン車に乗り込みます。
ところが、ゆったりとした気分で博多を出発した新幹線のぞみ号で、本州に入ったばかりの新下関を前に車内アナウンスが入ります。
『姫路駅での人身事故の影響で運転見合わせとなっております…』、しかも運転再開は19時30分の予定とか。
90分の遅延と聞かされて嫌な予感が…、JRのアナウンスで時刻通りに運転が再開することはほぼないですから。
案の定、21時台に名古屋駅に着く予定の列車は3時間以上遅れて、到着時は日付が変わっていました。
最寄り駅への終電は間に合いませんので、せめてタクシーで帰れそうな高蔵寺までJR在来線で移動して、タクシー乗り場へ。
ここでも、再びガックリ…、10人以上の人達が列を作っています。
それでも、多数の人達が名古屋駅でJRの用意した休憩列車に寝泊まりしていたことを考えれば、帰宅できただけでもありがたかった、と思っています。
やっぱり、しっかり寝るのなら自分の家です。