黒猫サンタさんのパン作りブログ

プロのベーカリーと製パン企業のみなさまへ

湯種製パン法

湯種パン

 比較的最近(といっても、初期の製品が市場に登場してから、かれこれもう20年になりますが)、大手の製パンメーカーから続々と湯種製法によるパンが市場に出回るようになりました。

f:id:santa-baking:20181031221506j:plain

 もっちりソフトな食感が特徴で、発売されるや瞬く間に人気に火が付き、大ヒット商品へと駆け上がっていきました。

 アイテム群としては、やはり食感を楽しむシンプルな製品が対象となっているようです。

f:id:santa-baking:20181031221528j:plain

 このもっちりとした食感は、湯種を使うことによって得られる特徴なのですが、そもそも湯種製法のパンとは、どのような原理で作られる製品なのでしょうか。

湯種製パン法

 ウィキペディアによりますと、

『湯種(ゆだね)は、小麦粉を熱湯でこねて、小麦粉中の澱粉を糊化させたもので、「湯種パンの素」ともいう。それをもとにパンを作る製法が「湯種製パン法」で、作られたパンが「湯種パン」という。湯種パンの特徴はもっちりした食感で、独特のうまみがあり、老化が遅くて、美味しい状態が長い。
 神戸屋には単に「湯種」という名前をつけた食パン製品があるが、湯種製パン法に関する特許は敷島製パン、奥本製粉など複数の会社が持っている。』

と、ありました。(↑ 神戸屋は、既に製品の名前を変えていますけど…)

 小麦粉を熱湯で捏ねるとありますが、小麦粉中の澱粉を糊化させることが目的であるならば、方法はまだ他にもありそうです。

 実際、以前に綴らせて頂きました日本食品科学工学会においても、お粥を炊いたような湯種から、直接生地に電流を流すジュール加熱で糊化させる方法等、実に様々な方法が研究されています。

 ちなみに、湯種を作る工程以外は一般的な中種法とほぼ同様です。

 元々、この湯種製法自体は別段新しい製法なのではなく、小型の店舗などでは以前から使われていたこともあったそうです。

 ただ、ミキシングの工程で従来にないレベルまで生地を加熱させる操作が入ることは、大型の連続製パンラインへ導入するにあたり、随分と抵抗があったことは予想に難くありません。

 ですから、湯種そのもの(上のウィキペディアの記載にあります湯種パンの素)がある企業から販売されていたことも記憶にあります。

 澱粉は70℃程度の温度から糊化を始めます。

 ただ、一言で糊化と言いましても、水分を含んで膨潤化している状態であったり、完全に澱粉粒が崩壊してペースト状になっているかで、それを含んだ湯種の特性も当然変わってきます。

 先述のお粥を炊いたような湯種は澱粉粒が崩壊しているでしょうし、ジュール加熱で正確な温度コントロールの下、徐々に温度を上昇させていけば、澱粉粒の大部分を膨化させた状態の湯種を作ることも可能でしょう。

 その二つの状態の澱粉を混在させた湯種も作ることは可能です。

 さてさて、どの湯種が一番消費者に支持されているのでしょうか。