黒猫サンタさんのパン作りブログ

プロのベーカリーと製パン企業のみなさまへ

原材料のブランド化

 国産小麦
 パン用の国産小麦を皆さんはどれだけ知っていますか。

 はるゆたか、春よ恋、ゆめちから…、名前を聞いたことがある品種もあると思いますが、全国の農業関係者の努力で随分新しい品種が育種されているようです。

 農林水産省の広報誌:aff(あふ)では、麦の特集が組まれて、ここ最近の品種改良の結果を紹介しています。

 北海道から超強力系「ゆめちから」が登場して、これが評価されたことで、パン用の国産小麦の需要が急増したそうです。

 北海道とは遠く離れた九州でも強力系の「ミナミノカオリ」の作付面積が増えています。

 この他パン・中華めん用で、ちくしW2号(福岡)、せときらら(山口県兵庫県岡山県)、ゆめかおり(栃木県、長野県)、ハナマンテン(長野県)といった品種が育種されており、今後の推移も楽しみになってきました。

 もしかすると近くの畑で…、なんて思えたりするのもなんだか嬉しい気がしますよね。

 国産小麦といった表現もブランド化されている感がありますが、今後は更にこだわりを持った品種の名前がブランド力を持ってくる気がしませんか。

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天然酵母

 パン酵母(イースト)も元は野生の菌種から培養されてきているのですが、あえてパン酵母と区別する意味で天然酵母の紹介をしたいと思います。

 

 白神こだま酵母は、世界自然遺産白神山地”の遺産指定地域内ブナ原生林より採取した腐葉土の中から、発見分離・選抜されたパン酵母です。

  多くの天然酵母が乳酸菌の混入により酸味の強いパンに仕上がるのに対して、白神こだま酵母は乳酸菌の混入が無いため、酸味もなく、小麦の粉本来の美味しさを充分に味わうことができるとのことです。

 

 天然酵母と言えば、北海道帯広畜産大学と北海道農業研究センターの取り組みにより、北海道十勝地方を中心として採取された花や果実から分離された酵母菌より、パン生地発酵性の高い菌を探し出す取り組みを行いました。

 とかち野酵母誕生の地として知られる 清水公園(十勝清水町)は桜の名所として親しまれています。

 ここに自生する桜の実(さくらんぼ)から酵母菌が採取されました。

 手前味噌ですが、その研究を担当していた山内教授の研究室で、私は現在、客員教授を務めさせて頂いております。m(__)m

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 数十種類の分離株の中、エゾヤマザクラのサクランボを分離源とする菌株は無糖生地の発酵力のみならず、自然界から分離された菌株には珍しく高糖生地での発酵力にも優れていて、焼き上がったパンは穏やかな香味を有しているそうです。

 この酵母は人手をかけた品種改良は行っていません。

 北海道の厳しい自然を生き抜いた力強い生命力を持つ、いわゆる野生酵母です。

 

 湘南ベルマーレルヴァン杯初優勝! 10/27(土) 15:00配信のニュースです。

 JリーグYBCルヴァンカップ(YBC:ヤマザキビスケット株式会社)の大会名称の略称で、J1リーグ天皇杯と並ぶ日本の国内3大タイトルの1つとされています。

 今でこそルヴァンの名は、耳に馴染んでくるほどに浸透していますが、このルヴァン(仏語:levain)とは、フランス語で“発酵種”という意味です。

 主に小麦粉、ライ麦粉、水を合わせて作った発酵種で、乳酸菌と酵母を生育させて作られるパン種です。

 フランスでは自然界に存在する野生酵母を培養した種(ルヴァン種)によって作られる伝統的な製法によるパンを総称します。

 さらに世界を見渡してみますと、天然酵母種(発酵種)はサワー種(SourDough)酵母や乳酸菌の採取源や培養に用いるものによって様々なものが存在します。

 例えば、ホップス種、酒種、レーズン発酵種、リンゴ種などです。

 伝統的な発酵種に関してはイタリアのパネトーネ種、アメリカのサンフランシスコサワー種などが挙げられます。