本捏ねミキシング【追記】
ミキサーの台数について追記します。
一般的な中種製法によるミキシング時間は、本捏ねでのトータルのミキシング時間が中種でのそれに対して、およそ2倍掛かります。
つまり、中種をミキサーで2回降ろす間に本捏生地は1回しか降ろせないことになります。
従って、製パンラインのレイアウトを設計する際には、中種ミキサー1台に対して、本捏ミキサー2台を設置することが必要となります。
以前に、海外の展示会でミキシング時間を従来の半分に短縮できるミキサーの紹介を受けたことがあります。
タイプも横型ではなく、生地容量のサイズ的にも一般的に想定される量の半分程度の機種でしたが、もし時間が本当に半分になれば、特に食パンのような製品のラインでは1ロットのバラツキを大幅に減少させることが可能になってきます。
理由は…、分割工程以降に連続式へと移行する前の、1ロットの処理時間内で生地が発酵する影響を抑えることができるようになるからです。
フロアタイム
本捏ねした生地を生地ボックスへ降ろして、一旦20分程度休ませます。
生地を休ませるといった表現からも連想できますが、フロアタイムでは生地の弾性が回復し、引き締めの効果を呈します。
フロアタイムの進行に伴って、べた付いていた生地表面は徐々に乾いてきます。
また、弾力が強くなってきますので、過度に時間が過ぎると丸め難く、切れやすい生地となります。
従いまして、扱い易い生地状態を把握して、適正な回復の時間を設定することが肝要となってきます。
ある製パン機械装置メーカーのHPによりますと、最新の製パン工場では、第一発酵室やフロアタイムのスペースが立体倉庫式となっており、工程管理から温湿度まで全自動でコントロールがされているようです。
そのような装置設備のスペックであれば、中種ミキサー ⇒ 第一発酵室 ⇒ 本捏ねミキサー ⇒ フロア ⇒ 分割機 とロットの生地ボックス単位でみれば、連続式になっています。
ボックスリフト
多くのパン工場では、生地ボックスを作業者が手押しでミキサーから分割機前のボックスリフト(ボックスエレベーター)まで運んで、セットします。
私の知る限り、横型ミキサーで最大サイズの機種は25袋ミキサーですので、生地重量では1tほどにもなってしまいます。
ですから、動力駆動もチェーンのようなものは使用せず、ボルト・ナット式のようなスクリュー式のシャフト軸が回転して受けに留められたボックスを持ち上げる仕組みとなっています。
ここでも、最新の製パン工場では生地ボックスが自動搬送できてしまいますから、作業者は重筋作業から解放されている訳ですね。
さあ、ここまでバッチ式で運転していました製パン工程も、これ以降は連続式の工程へと移行します。
次は、分割工程です。