黒猫サンタさんのパン作りブログ

プロのベーカリーと製パン企業のみなさまへ

パン学校(1日目)

日本パン技術研究所

 

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 『製パン機械設備の実際』という講義で、今日(すみません、19日です。日付が変わりました)と明日の2日間、東京と西葛西にあります、日本パン技術研究所:(通称)パン学校へ来ています。
 製パン技術教育コース(本科100日間)の212期の授業です。

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 私の講義内容は、最終的には製パン機械設備への落とし込みとして、パンができていく過程をできるだけ客観的な数値データで表現することで、製造方法の裏付けとして活用してもらえればといった希望があります。

 いつも授業の冒頭でお話をさせて頂くのですが、製パン機械設備のユーザーの皆さんには器具や装置を使いこなしてほしいといったお願いをしています。

 機械メーカーの方々が、装置のレベルアップや新しい技術の開発を行っていく原動力としているのは自社での業務活動もさることながら、ユーザーからの情報提供や相談、依頼といった行動が大きく後押しをしてくれます。

 そのためには、ユーザーから提供される情報ができるだけ正確であることが求められます。

 授業でお話しする一例として、(以前に書いたこともあるのですが)オーブンの温度についてメーカーの方のキャッチを挙げますと、…。

 展示会で、あるオーブンメーカーの方が『当社のオーブンは、安定性が抜群です。窯入れの時でも、炉内の温度はほとんど下がりません』と、PRしていました。

 さて、オーブンの安定性とは、どのような状態を指すのでしょう。

 オーブンの前扉を開けて、天板なり型に入った生地を炉内に入れれば、炉内の温度は下がって当たり前なんです。

 炉内と比較して低い温度の空気と固形物が入ってきますし、その後はオーブンの持っている熱エネルギーがパン生地へ移動する訳ですから、エネルギーを奪われた方の温度は下がらなければおかしいんです。

 もし、温度表示が下がっていなければ、それは単に下がり難い箇所の温度を測っているに過ぎません。

 そのような箇所の温度を計測してオーブンを制御するとどうなるでしょうか。

 本来であれば、減った熱エネルギーを適時補充して安定化を図るところ、温度表示が下がらないので制御系は機能しません。

 結果的に相当の時間が経ったところで、やっと表示が下がり始めてヒーターに電気が流れます。

 温度が下がり難い箇所ですから、上がる時には表示される温度の復帰は早いと思います。

 ですが、実際に温度の下がっている箇所の制御は…? です。

 望まれますのは、安定化した状態から逸脱した(窯入れ時等の)時、迅速に本来の状態へ復帰させられる機能と考えます。

 良いパンというモノを作り出していく中、あなたなら名を取りますか?、それとも実を取りますか?