黒猫サンタさんのパン作りブログ

プロのベーカリーと製パン企業のみなさまへ

成形(食パン さらに続き 型詰め …と、雑談)

型詰(パンニング)
 ロール成形されたパン生地は、俵形、U字(2つ折り)、N字(3つ折り)、M字(4つ折り)といった形状に形作って食型に所定の数量を型詰めします。

 シート生地から成形する一部の機種を除きますと、食パン用の型に自動で型詰めする機械設備はオシキリ社製のM字成形用のパンニング装置が私が知りうる唯一の機種です。

 ロール成形されたパン生地はひとつずつM字に折られて食型上部のシューター部に移載され、下図のように横3列に並べた状態からシャッターの開閉でそのまま下にあります食型へ落す構造になっています。

 このM字折りの機種では、生地3玉で3斤用の食型に対応させるため、1玉の生地重量は500g弱と非常に大きく、ロール成形時の生地長さも50cm程度と非常に長い形状となります。 

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 この図は、M字成形で型詰めを行った際の生地の配置です。

 U字成形は、M字成形のパン生地を2分割したイメージ、N字成形はM字成形の1.5玉分を2分割したイメージと表現すればいいでしょうか。

 ところで、角形食パンを作る際の成形方法としては、前述の俵形以外の方法を採ることが一般的ですが、上記のM字、N字、U字成形で焼成後の製品に発生するケービングの傾向が違ってきます。

 最もケービングを生じ易い成形方法はM字成形ですが、折れ易い箇所も概ね判明しています。

 それは、成形時にパン生地の中央部が位置する箇所です。

 そこは生地の繋ぎがなく、比較的広い面積が表面に出ている部分であり、強度的な理由と理解しています。

 

角形食パンについて

 角形食パンは、英語表記では PULLMAN BREAD (プルマン ブレッド)と記載されます。

 このプルマンという名は、何に由来しているかと言いますと、かつてアメリカの路線で使用されていました列車の車両メーカーの社名なんです。

 日本的な表現で表しますと切妻式の屋根形状を持った車輌で、この車両の形と似ていることから角形食パンの名称が PULLMAN BREAD になったそうです。

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 普通に考えてしまいますと直方体のイメージで捉えてしまいがちなのですが、あえて中央部が少し膨らんだ形状の車両の名が採用されているところに趣きを感じてしまいませんか。

 それと、ここで興味深い逸話を紹介しますと、プルマン社が創業当時の鉄道の客車は、馬車用の客車から発達したもので、馬車時代の発想から抜け出しておらず、居住性は劣悪なものであったそうです。

 これに対してプルマン社は、当初のプルマン・パレス・カー・カンパニー (Pullman Palace Car Company) という社名に表される通り、それまでの鉄道に無かった豪華絢爛な車両を開発すると共に、寝台車や食堂車などを設計・製造して世の中に送り出しました。

 このような常識を覆す車両の名が食パンに使われていることにも興味が湧きますね。

 

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 このプルマン車両ですが、日本の寝台車両もプルマン式として設計の基本としているようです。

 ただ、私はあまり鉄道には詳しくありませんので、解説はこのあたりで…。