日本パン技術研究所発刊の月刊誌
私が非常勤講師を務めています日本パン技術研究所(通称:パン学校)では、機関誌としてPain(パン)という月刊誌を発刊しています。
実は、ここの連載を担当して、今回で第3弾となっています。(振り返ると、なんだかんだで4年近くも執筆をしていたことに自分でも驚いています)
業界紙というものは、やはり専門に特化した記事が掲載されていて、今回のPainであれば、読者であるベーカリーの皆さんが知りたがっている情報を提供しなければ、とテーマの選定にもかなりの気を集中して取捨選択してきました。
そこで、第1弾、第2弾は、技術的なテーマで執筆していたのですが、そろそろ持ちネタも補充に掛からねば、と考えあぐねていましたところ、製パン機械メーカー(日本パン技術研究所の維持会員企業)の紹介記事に行き着いて、今に至っています。
パンを製造する際、まったく装置設備を使用しません、と言われる方は、きっとほんの一握りでしょう。(薪等を使用する内燃式の石窯オーブンを建築物とみなせば…)
ホールセールベーカリーならまずありえませんし、リテールベーカリーでもどこかの工程でまず間違いなく製パン機械設備を活用しているのではないでしょうか。
日本におけます製パン設備の特徴は、”日本式のパンを製造するための仕様”ではないか、と思っています。
海外に行きますと、時々、驚かされることもあるのですが、日本では常識の範囲で行っていた操作が、実は日本特有であったりする場面に出くわします。
以前のブログに掲載しましたハワイのパン事情では、JAPANESE STYLE がひとつのトレンドにもなっていることを紹介しました。
パンを日本に伝えてきた米国が、今では日本スタイルを切望しているのです。
これって、すごくないですか。
今日は私が連載を執筆しています製パン装置メーカーの紹介記事の取材で、東京・大崎の企業を訪れました。
順調に進めば、5月号に掲載の予定です。
さて、それでは日本式のパンを作るための機械設備とは一体どのような仕様のものなのでしょうか。
高い吸水や安定した捏ね上げ温度が見込める生地ミキシング、
生地ダメージを軽微に抑える分割機や成型機、
分割後の生地をトラブルなく休ませられる手粉付け装置及びオーバーヘッドプルファー
良好な外観形状と食感を併せ持った焼成条件を再現するオーブン、等々
といったところを始めとして、ここに書き出してしまいますときりがありません。
これらの装置は、製パン作業者の声を装置メーカーの技術者が受け止め、その声に応えるべく装置開発に切磋琢磨してきた積み重ねの結果と思っています。
ものづくりニッポンのこれからも、引き続き見守っていきたいと思う今日この頃です。
もちろん、私もプレーヤーとして参加しながらです。