スイカ食パンがメディアで取り上げられて、一躍有名になったベーカリー&カフェ キクチヤですが、名古屋の物産展で商品を目にした家族が買ってきてくれましたので、今日の話題は、このパンで。
スイカ食パン(450円 税別)は、外側の皮の部分が緑色、内側の実の部分が種(チョコチップ)をまぶした赤色の生地で作られていて、その間に白生地が入っています。
生地間のコントラストが付き過ぎている感もありますが、手間を掛けてリアルにできるだけ忠実に再現しようとしている意図が伺えます。
ところで、この食パンですが、真っ先に気になったところはやはり色です。
この綺麗な色が確実にインスタ映えすることは想像に難くないのですが、では、トーストして食べてみた時にどうなんだろう、と。
結果は、クラムの部分はキツネ色に着色して、スイカというイメージとは離れてしまったかなぁ、と。
当初は、表面の緑色の生地には糖類以外の甘味料等が使われていると推測していたのですが、これも少し違っていたようです。
例えば、糖アルコールとか…最近「カロリーオフ」とか「糖質ゼロ」などと謳っている食品に使用されている材料です。
この糖アルコールという甘味料は、加熱しても褐色化やカラメル化が起こらない特徴を持っていますので。
トーストして食べてみますと、クラストの部分には甘みをほとんど感じませんでした。
つまり、褐変化を抑えるために甘味料を加えずに表面の生地を作ったのではないかと(要するに、フランスパンのような無糖生地では)。
一方、クラム部分はキツネ色に褐変化して、この時点ではスイカのイメージは薄れてしまいました。
結論としては、結構、店頭に並べた際の見た目重視のコンセプトになっているのかなぁ、と。
ただし、けっして見た目重視を否定している訳ではありませんので、念の為。
この商品を購入されたお客様が見た目に楽しんで、周りの人達とのコミュニケーションツールとして重宝されて、満足のいくものであれば、それはすごく価値のある商品だと思っています。
このスイカ食パンですが、既にクックパッドでは結構な数のレシピが掲載されています。
表皮の生地には抹茶パウダー、内側の生地にはストロベリーパウダー、少し趣向を凝らして表面の筋模様にはブラックココアをそれぞれ使用して生地を仕込んでいるレシピもありました。
ただ、それらのパンではほとんどが焼き上がりの状態で表面が褐変化しています。
きっと着色を抑えるために極力焼成温度は低く抑えたのだろうと推測しますが、それでも鮮明な緑色という訳には至らなかったようです。
でも、食べた時にはおいしいのでしょうね。
このような作り方は、いろいろと応用が利きそうです。
であれば、製品アイデアと併せて、装置化を考えることもおもしろくなってくるというもの!