ヨーロッパでは一般的な焼成後冷凍パン
みなさんは、いま、ヨーロッパでちょっとしたパンのイノベーションが起こっていることをご存知ですか。
少し以前まで年々落ち込んでいたパンの消費量が、回復基調にあることを。
ヨーロッパの方々はパンに対するこだわりが強く、賃貸住宅の家賃でもパン屋さんの近くは高めに設定されているということさえ耳にします。
そのような地域で、トラディショナルな焼き立てパンを廉価で供給できる形態が近年脚光を浴びています。
技術的な要因も多々あるのですが、今回はその中でも焼成後冷凍パンについて、解説することにします。
特徴的なパン屋さんの新形態
北海道札幌市にあります、ラ・パナデリーアは、”パンで世界を旅しよう”というキャッチの下、世界を提案するベーカリーをコンセプトに、海外の本格パンを提供するセレクトショップです。
発祥国の原材料を使って、その国で製造したパンが一番美味しいはず、と思われた消費者の要望に応え、ラ・パナデリーアで取り扱っているパンの多くは、海外で製造後に急速冷凍し店頭で解凍しているとのことです。
最新の急速冷凍技術を使っているとの説明文もありましたが、具体的な方法については推測の域を出ません。
あの方法?、それとも別の?、と妄想は広がていくばかりです。
ただ、対象となる製品アイテムは、ハード系生地のパンを中心に対応されているようで、特にプレッツェルには注力されている印象を受けました。
この焼成後冷凍のパンですが、もしかしますと[保存用]⇒[おいしくない]と思われる方もいるのでは、と推測します。
結論からお話ししますと、それは完全に間違いです。
条件によるところもありますが、クラムの食感などは冷凍前と比較して返ってソフトでもっちりするケースさえあります。
今回、購入しました商品は、サッカーボールの形状のプレッツェル(サッカーボールブレッツェル ¥240 税込 )です。
サッカー大国の本場ドイツならではの商品です。
通常のプレッツェルと比較して、厚みがあるせいでしょうか、随分歯切れがよく、食べやすい印象を受けました。
このサッカーボールブレッツェルですが、賞味期限は、冷凍状態で約1ヶ月、解凍後2日となっています。
大手製パンメーカーでも
焼成後冷凍パンは、国内の大手製パンメーカーでも取り扱いを開始したようです。
敷島製パンでは、石窯で焼成しましたハード系製品を冷凍し、通販サイトで取扱いを開始しています。
製品の特徴としましては、国産小麦、ルヴァン発酵種、低温熟成等々を謳っています。
L’Oven(ル・オーブン)と銘打った製品群には、バゲット、カンパーニュ、ブールといったハード系のアイテムが並びます。
ちなみに、まだ私は購入していませんが、スーパーマーケットで通常販売されています同社の石窯製品と食べ比べてみたいですね。