食パンブーム
今、日本では空前の食パンブームに沸いています。
そんな中、製パンメーカー最大手の山崎製パンが『ミミまでやわらかい食パン(今回の購入価格 138円(税込))』を発売しました。
正直な感想として同社のマーケットに対する適応力の高さには、多々感じるところがあります。
パッケージには、『湯捏ね製法』『しっとり感、もっちり感』『そのまま食べてもおいしい』と記述されていて、従来の製品を今流行りの『生食パン』に近付けたコンセプトかと思ってしまいます。
製品の特徴ですが、ミミまでやわらかい、と謳っている以上、クラストの部分には十分な配慮がなされていると思います。
通常製品と比較しますと、焼色は随分と薄く仕上げています。
それでいて、顕著なケービングが起きている訳でもなく、非常に高い完成度です。
焼色は薄く、骨格はしっかりと、この相反する二つの特徴を共有できている点です。
少し話が逸れますが、いろいろな食パン専門店の食パンを買っては食べ比べていたある朝に、家族から『今日の食パンはどう?』と一枚のトーストが出されました。
外観形状を見ても、食べてみても、確かにその頃食べていた数々の食パンと比較して間違いなく上位に入ってくる食パンに、つい、どこの店舗の商品だろうと思いあぐねていましたところ、『その食パン、(敷島製パンの)超熟だよ!』との発言。
専門店の高級食パンと比較しますと、1/3程の価格の商品がまったく見劣りすることなく食べられることに、改めて今の製パンメーカーの技術の高さを再認識しました次第です。
さて、今回のミミまでやわらかい食パンですが、食べてみますとやはりクラストの薄さからソフトな食感は十分に伝わってきます。
そして、食味としてはほんのりとした甘みも。
この甘味なのですが、作る側から考えますと焼色が着色する要因の糖がそれなりに含まれているでしょうから、更に作るのが大変だったと思います。
店舗の固定式オーブンと違って、大型生産ラインで使用されています連続式オーブンでは、十分なメンテナンスと設定がなされていなければ、点火バーナー位置での加熱強度のムラが製品の焼色に直に影響を及ぼすことは容易に考えられるからです。
特に下火に関しては、製品側面の下側が若干濃い焼色になっていることから、しっかりと火通りも考慮に入れた焼き方をしていると推測します。
最後に、これだけの高品質の食パンが日常的に食べられることに感謝です。