テーマは、食パンの焼成
いよいよ、大会の2日目(午後)から一般講演が始まります。
しっかりとホテルの朝ご飯を食べてから、地下鉄で2駅のところにあります藤女子大学へ向かいます。
とりあえず受付を済ませてから、まずは自身の発表の準備です。
試写室でプレゼン資料の動作確認をしてから、休憩室で発表時間を確認しながらのリハーサルです。
昼は、公開ランチョンシンポジウムというお弁当が出るシンポジウムがありますので、それに参加します。
テーマは、『伝統的調味料の国際化への対応』ということで、北海道産魚醤油、鰹節、キッコーマン醤油、といった商品の海外展開について講演がありました。
いろいろなハードルがある中、よくぞここまで海外へ進出できたと、各企業の安全性や保存性、食品衛生環境基準などへの対応の細やか(そのためのデータの収集と積み重ねは)に驚かされることしきりです。
そういえば、ヤクルトも海外への展開当初は全く売れなかったと聞いています。
ビフィズス菌の英訳が、Bifidobacteriumとなって、特に後半のbacterium(バクテリア)が海外の人達になかなか受け入れてもらえなかったそうです。
それでも、ヤクルトは実証データを基に効果を丁寧に伝えていったのだとか。
さて、今回私が発表した研究テーマですが、パンを製造する時に圧力を掛けながら焼いていこうというものです。
昨年11月に開催されました第39回日本熱物性シンポジウムでも発表をしましたが、若干の進展がありましたので、その部分を足しての報告です。
ご飯や餅、団子など、お米を原料とする食品の加工には圧力を操作するケースが多々見られるのですが、ことパンに関しまして、そのような加工方法はほぼ皆無です。
穀物に含まれますデンプンは、一般的に90℃を少し上回ったところに糊化温度があることが知られていますが、100℃を上回ったところにも原材料の変性を起こす温度帯が存在すると言われています。
電気屋さんの炊飯器のコーナーにあります圧力釜の中に103℃とかの表示を目にしたことはありませんか。
明らかに圧力釜の圧力からは低く、微妙な温度といった感じですよね。
今回のパン生地中心部の温度は101℃で、目標としている温度にはまだ届いていません。(それでも、食パン焼成時の一般的な最終生地温度は96~98℃台程度ですから、確実に火通りは良くなっていると思っているのですが)
焼き上がりました食パンに関しましても、今のところ十分な効果は見られていませんが、もう少しがんばって装置を改良していこうと意気込んでいるところです。
今後に、乞うご期待!