ベーカリー麦田
リアルでは観れていないのですが、大晦日のTBS系のチャンネルで『義母と娘のブルース』が放送されました。
舞台がパン屋さんと知り、思わず見入ってしまいました。
番組中に登場しますベーカリー麦田は、東京・大岡山のセットだそうですが、モデルとなったパン屋さんは、後に開発します耳までおいしいパンを作っている渦潮ベーカリーくずは店のようです。
店内の様子から、少し解説を。
ミキサー
画面では、その塗装から関東混合機の縦型ミキサーではないかと推測です。
下の画像は最新の装置ですので、ドラマで見られるミキサーとは外観が異なりますが、ご容赦下さい。
店長役の佐藤健さんが本捏ね後のパン生地の物性を見ているシーンもありましたね。
俳優さんとして、よく勉強されていると思いますけど、欲を言えば薄い膜が分かる程度にまで伸ばしてくれると玄人にも受けたかなぁ、と。
そういえば、TVではなかなかパン生地が写っているシーンの記憶が希薄なのですが、気のせいでしょうか。
発酵装置
三幸機械製のドウコンディショナーがセットされていました。
設定としてはスクラッチでパンを作っている感じでしたので、結構、発酵の装置にはいいものを使っていることになりますね。
この装置ですが、2室分離型で-12~+40℃の温度コントロールができ、冷凍生地の解凍にも対応可能な機能が備わっています。
オーブン
オーブンは年代物のキャメルオーブン(コトブキベーキングマシン)が使われていました。
ドラマでは、パネルにSUZUKIと出ていましたので、わざわざそれなりに使用されていたキャメルオーブンを探し出して、スズキ産業が修復したものかもしれません。
ちなみに先述の渦潮ベーカリーくずは店では、25年使われてきたキャメルオーブンが使われているようです。
このキャメルオーブンですが、データは出せないものの、加熱能や安定性に関しまして非常に高いレベルにあります。
近年トレンドの高級食パンブームの中で、このキャメルオーブンを使用している店舗が多い事にも注目です。
耳までおいしい角形食パン
番組中に登場しますベーカリー麦田は、耳までおいしいパンを作ることを決めます。
佐藤健さん演じる店長が小さかった頃、パンの耳が嫌いで、耳までおいしい食パンがあったらなぁ、という発想から生まれた商品です。
このドラマ内に出てくるパンは「渦潮ベーカリーくずは店」の”白い食パン(1斤 189円)”がモデルのようですね。
セリフの中に『吸水65%』などと聞くと、フムフムなどとつい頷いてしまっていました。
耳までおいしいホールセールの食パン
少し横道に逸れてしまいますが、私が以前に在職していました企業で20年前に湯種製法の食パンを開発、発売しました。
多くのみなさんがご存知の超熟食パン(敷島製パン)です。
初めて、この商品を食べた時の衝撃は今でも鮮明に残っています。
[上司]サンタ、この食パンを見てどう思う。
[私] 焼色の汚い食パンですね~。(発売当初の超熟食パンは、ものすごく焼色の濃い製品でした)
[上司]だろっ、それで食べてみろ!
[私] (食べた後で)うまい! すごくうまいです! 特にクラスト(耳)が…。
[上司]だろ~、サンタ、今から**工場へ行って、この汚い食パンを綺麗な食パンに変えてこい!
これが、私にとって超熟との出会いで、最初のミッションでした。
ドラマは、現実でも起こるものなのです!