黒猫サンタさんのパン作りブログ

プロのベーカリーと製パン企業のみなさまへ

日本のスーパーでパーベイク製品に出会えるとは…

とてもローカルなスーパーマーケットで

 つい先日に焼成後冷凍パンについて記述しました。

 街のパン屋さんを救う方策として、焼成後冷凍パンのサブスクリプションサービス『パンスク』が紹介されたものです。www.santa-baking.work

 そのような折、近所のローカルなスーパーマーケットでパーベイク製品が売られているところを発見しました。

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 欧州の焼き立てパン屋さんでは、既にポピュラーな半焼成冷凍パンですが、それを日本のスーパーマーケットで見られるとは予想だにもしていませんでした。

 余談ですが、ここのスーパー、八天堂のメロンパンもタイムサービスで販売していたようです。

 なかなか、やり手のようで…。

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 商品は、ミニフレンチロール(8個入り 149円税別)とバター入りハーフバゲット(6個入り 149円税別)の2種類で、業務用のようです。

 やはり、日本での馴染みがないせいか、試食用のサンプルもジャムが添えられて出ていましたが、この商品を解凍しただけでこのまま食べてもちょっと…、といった危惧はありました。

 ちなみに、名称としましてはミニフレンチロールが半焼成冷凍パン、バター入りハーフバゲットの方が調理パンという表示です。

 とりあえず、バター入りハーフバゲットの方を1袋購入して、食べてみます。

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 パーベイク製品は、一般的に(感覚的な表現ですが)80~90%の焼成を完了させた状態で冷凍して、生地の焼色はごく薄く付く程度ですが、火通りは完了しているパンを指します。

 先述しました通り、随分以前からヨーロッパではハード系の焼き立てパンで一般的に採用されているメジャーな製法です。

 この事は、やはりパンへのこだわりが強いヨーロッパの方々が認めた品質がパーベイク製品で得られていると認識しても問題ないと、私は理解しています。

 実際に自宅で解凍、再焼成(というよりは再加熱程度)を行って食べてみましたが、十分に納得できる食感と食味でした。

 更に、これで149円/4個とは…!

 家族にも好評だったことから、早速、次の日に家族を連れて、まとめ買いに出掛けます、ところが…。

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 開店の30分後頃に入店した時、既にお目当てのパンは残り3袋という状況!

 しかも、ミニフレンチロールは完売です。

 え~っ、と思いつつ、その3袋を確保!

 仕事場には業務用の冷凍ストッカーがありますので、肉類を中心に時々家庭の備蓄用に利用されています。

 予定では、2品種を5袋ずつ揃えるつもりだったのですが、想定外でした。

輸入元

 ところで、このパーベイク製品ですが、輸入元がリトアニアとなっていました。

 バルト海に面したバルト3国の中で最も南に位置する国です。

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 元々、リトアニアでは伝統的に黒いライ麦パンが中心で、白い小麦のパンよりも頻繁に使われるそうです。

 生地は通常サワードウをパン種に用いて、仕上がりを軽くするため小麦粉を加えるのだとか。

 そのライ麦パンは、バターを塗りチーズを乗せたオープンサンドイッチとして食べることが多いようです。

 そのようなライ麦パン中心のリトアニアから白い小麦のバゲットが輸出されたことで、このようなビジネスが成り立つものなのか、すこし考えたくなってきました。

 以前に紹介しました高価なプレッツェルではなく、業務用のホールセールの商品なんです。

 少し前に、将来、中国あたりからホールセールのパンが海を渡ってやってくるといった講演会での話があったことを思い出しました。

またまた、少し脱線

 さて、少し話が逸れますが、リトアニアについて。

 ドイツのバウムクーヘンに似たバロック様式の樹木風ケーキ:シャコティス(下図参照)という、リトアニアポーランドの伝統的なケーキがあるそうです。

 一説によれば、バウムクーヘンの起源とか。

 これ以外に、ドイツの伝統はリトアニア料理に多大な影響を与えているそうで、ポテトプディングやマッシュポテトの腸詰めのような豚肉とジャガイモの料理も有名だそうです。

 ただし、料理がこれだけ明らかに栄養豊か(過多?)であるにも関わらず、リトアニアの肥満率は非常に低いという不思議も。

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