今、注目を集めつつある焼成後冷凍パン
あくまで私の個人的な私見なのですが、ここ最近のホールセールでの商品に心ときめく機会が少なくなってきているように感じています。
そのような中、今注目している技術・製品のひとつに焼成後冷凍のパンが挙げられます。
冷凍食品は品質がちょっと・・・などといった風潮は既に過ぎ去られた過去の産物であって、今ではホテルで出されるパンでさえ、一部では焼成後冷凍技術を使った製品が提供されている時代です。
当然、そこに至るまでのメーカーの企業努力があればこそなのですが、今回はお話しできる範囲で解説していこうと思っています。
昨日のヤフーニュースから
ところで、今週から全国の小・中・高等学校が一斉休校となって、家庭、企業、自治体ではその対応に苦慮されているとお察し致します。
そのような中、茨城県の高校の売店で販売予定だったパンが在庫として残ってしまい、その冷凍製品の即売会を開いたところ、それを地元の方々が聞きつけて、思いがけず大盛況となったとのこと。
思わず、よかったと、この記事を読んでいて温かい気持ちにさせて頂きましたと共に、中学や高校でコロッケパンや焼きそばパンを頬張っていた頃を思い出した次第です。
メーカーの方によりますと、冷凍されたパンは2週間ほどで品質が落ちてくるため、苦渋の選択だったとか。
冷凍パンを加熱する
さて、焼成後冷凍パンと称されるパンは、焼色まで付けた製品と80%程度の焼成に留めたパーベイク製品(半焼成製品)に大きく分けられます。
冷凍状態からの加熱方法は、焼色まで付けた製品で、ざっと、
①常温解凍
②表面を100数十℃まで加熱
の方法があり、①は食べるまでの時間に余裕がある場合、②は比較的タイムリーにパンを供給したい場合に採られます。
なお、①の場合はパンを包装したままで搬送・供給が可能ですが、②ではその場で加工し、供給することが前提となります。
そしてパーベイク製品は、まだ焼成が完全には完了していませんので、
③焼色が着色するまで、150℃以上を目安に生地表面温度を加熱
することが必要になってきます。
その他にも留意点はありますが、詳細はまた次の機会に・・・。
パーベイクのソフトバゲットを再加熱してみました
それで、先日購入しましたパーベイクのソフトバゲットを自宅で再加熱して食べてみました。
加熱方法の説明書きには、
◎解凍:自然解凍、もしくは電子レンジ600W30秒 ⇒ オーブントースターを使用して、アルミホイルで包んで、10~12分、ホイルを外して、1~2分
◎200℃に予熱したオーブンで、12分
と、あります。
オーブントースターを使用しましたが、見た目にはもう少し・・・、といった印象です。
でも、これが食べてみますと評価が一変します。
内相がとても細やかで、ハード系の食感をそれなりに残しつつ、ふんわり感が楽しめます。(リトアニア製、恐るべし!)
加熱方法を試行錯誤すれば、見た目にも良質のパンができあがると思いますが、ここでは個人的に気になっています、焼成後冷凍パンの水分について解説します。
つまり、焼成を2回行うことで、必要以上に水分が抜けてしまわないかという点です。(自然解凍を前提に、包装状態で供給する製品は、この限りではありません)
確かに、『焼いて冷やして』を繰り返せば、パンにとってあまり良いことではないように思われます。
ですが、一度の再加熱に限定して、パンの種類を選択すれば、十分な品質を確保することができます。
現在、焼成後冷凍パンとして目にしますのは、食パン、バゲット等のハード系製品、クロワッサン、ペストリー、パイ、といった製品群です。
いずれも、クラストがしっかりしているか、もしくはクラストの食感にサクサク感を求めている製品です。
そして、再焼成する時の条件に付いても一言。(下火はほぼ同様ですので、上火について)
生地中の水分を過多に蒸発させないためには、パンに与えた熱エネルギーを効果的に中心部へ伝えることが求められます。
対流式のオーブンであれば、空気を媒体として全表面からパンを加熱します。
しかも、対流熱は製品温度が低い時、より効果的に生地表面へ熱を伝えることができる特徴を有しています。
つまり、短時間に生地表面温度を上げることが可能です。
一方、石窯タイプのオーブンではどうでしょうか。(トースターも同様です)
遠赤外線等の輻射熱は光と同様に方向性を持っていますので、天井面からの熱で生地上部が集中して加熱されてしまいます。
すると、生地側面は・・・。
もう、お分かりですね。
私は、今回、トースターを使って再加熱しましたが、品質にこだわるのでしたら、使うべきは(対流式の)オーブンでしたね。
ツイッター初心者です。使い方は、これから勉強します。