愛知県を中心に8店舗を展開し、関東・東北へも進出しています『い志かわ』がラインナップに揃えます、最高級食パン『い志かわ 2斤1000円(税別)』が今回のテーマです。
伊勢神宮奉納食パンにも認定されました『い志かわ』の実力ははたして・・・。
【 目次 】
い志かわ 広小路伏見
名古屋栄を西へ進んだところに、い志かわ 広小路伏見があります。
店舗は対面式の店頭売りとなっていて、店の奥には予約のものと見られます多くの食パンが棚を埋め尽くしています。
今回も調達は家族にお願いし、お目当ての食パンと現地の様子を見てきてもらいました。(いつも、ありがとうの気持ちでいっぱいです。)
最高級食パン『い志かわ』
外観
持ち帰ってきてもらいました商品を包装紙から取り出してみますと、まずは直に持った時のずっしりとした感じが印象的です。
最近は、多くの高級食パンで吸水を高めに上げた商品が目立ちますが、その分、生地作りは難しくなってきますので、各ベーカリーがどのように対応しているのか、とても興味が湧いてきます。
焼色は全体的に薄く、若干の腰折れも見られますが、それほど気になるものでもありません。(もっともい志かわでは、折れる直前の限界まで柔らかいとの説明がなされているそうです)
成形方法は、リテイルベーカリーでは一般的な俵成形で4つ玉を詰めています。
クラストの歯切れのよい食感に期待が高まります。
底面を見てみますと、今回もボタンの跡のような4つの凹みが見られます。
やはり、安定してしっかりとした焼きにこだわるベーカリーでは穴開きの食型を使用する傾向にあるようです。
内相
最初に目に飛び込んできましたイメージは、スライスしたクラムの面が白いということです。
これは、生地の元々の色以外に肌目の細やかさや生地膜の薄さといったファクターが関係します。
丁寧に生地作りをしている証と考えています。
食味・食感
生のまま食べてみました。
口当たりは確かに生地の甘さも感じるのですが、近年に見られます高級食パンの路線から比較しますとほんのりとした甘さでしつこくありません。
食感はソフトで、歯切れものどごしも良好です。
ここで、原材料表示に目をやりますと、小麦、バター、生クリーム、砂糖、塩、パン酵母、となっています。
添加物は使用せず、油脂と乳製品はバターと生クリームで調整しているところから、風味についても『それだから!』と納得の原材料と理解しました。
プレミアム最高級食パン 『特水 極美-きわみ-』
今回の来店時には既に店頭になく購入できなかったのですが、1斤1,000円(税別)という(かなり強気の価格設定となっています)最上位の商品が、特水 極美-きわみ- です。
特徴は水で、アメリカLesAvi社から提供を受けた(超高級贅沢水と表現されています)「特水528Hz水」を使用している点です。
美容液やサプリの原料水としても使用される特別な水で、価格は通常水の約2,000倍とのことですので、水にこだわった『い志かわ』のプレミアムな商品を、またいつか機会があればトライしたいと思っています。
サンタの豆知識
昨日のねこねこ食パンの記事では、水を牛乳に置き換えた時の吸水の計算方法について解説しましたが、ここでは乳製品の視点から生地配合を見てみたいと思います。
パンの配合中、乳製品として最も一般的に使用されているのが、脱脂粉乳です。
これは、牛乳(乳脂肪3.7% 年間平均)からバター(乳脂肪80%)を取り除いた残りを乾燥・粉末状に加工したものとなります。
ちなみに一般的な乳製品としては、
・牛乳 ・・・ 水分:88%、 固形分:12%
・生クリーム・・・水分:53~65%、固形分:35~47%
・練乳 ・・・ 水分:50%、 固形分:50% (コンデンスミルク)
が挙げられますが、例えばパン生地配合中の対粉2%の脱脂粉乳を牛乳で置き換えようとした場合、
2÷(12-3.7)×100 = 24.1%
の量が必要となりますものの、ここには21.1%(= 24.1×0.88)の水と0.89%(=24.1×0.037)の乳脂肪分が含まれていますので、置き換えた場合には水と油脂の調整もしなくてはなりません。
一般的な食パン(吸水:66~68%)配合であれば、水の1/3程度を牛乳に置き換えれば、乳製品に関して同等の成分となる計算になります。
あとは、生乳と粉乳の違いに因ります風味等の好みで使い分けるのですが、牛乳で仕込んだことを十分に感じてアピールしたいのであれば、1/3と言わず、すべてを置き換える必要があるとも言われています。
牛乳は砂糖との相性が非常によく、砂糖の香りとミルクの香りが混ざり合って出来るフレーバーがとてもパンを引き立ててくれるといった記載も見られます。
個人的な好みにはなってしまいますが、ミルクの風味はたまりませんね~。