ふと入ったコンビニ:ミニストップで、なんの気なしにパンコーナーを見ていましたところ、惣菜パンの並びで目が留まりました。
あらびきウインナー
カツソーセージ
さて、このふたつの惣菜パンを見て、私は『えっ、どうして?』と思った訳なのですが、みなさん、なにか気付いたことはありますでしょうか?
【 目次 】
個包装の形態
菓子パン類など商品をひとつずつ包装する個包装におきまして、工場の連続生産ラインでは一般的に三方シールと呼ばれます包装形態を採用しています。
これは、ロール状の包装紙から両端2ヶ所と下部の重ね部分の計3ヶ所をシールする特徴から、このように呼ばれています。
インナーバンド
それでは、それぞれの商品の端をハサミで切って、横方向から包装紙を見てみましょう。
あらびきウインナー
カツソーセージ
お分かりになりますでしょうか。
あらびきウインナーの方は外側の包装紙と惣菜パンが接触したことによって、マスタードが汚れとして外側の包装紙に付着しています。
一方、カツソーセージの商品ではパンと外側の包装紙の間にもう1枚のシートが挟まれていて外側の包装紙には汚れが認識されません。
カツソーセージの惣菜パンに密着している内側のシートのことをインナーバンドと呼んでいますが、私がコンビニのパンの棚であらびきウインナーの総菜パンを見た時に、つい目が留まってしまいましたのは、どうして外側の包装紙に汚れがついているのだろうといったことからでした。
些細な点かもしれませんが、ちょっとずつの改善が知らず知らずの内に顕著な製品力の差となって潜在化されていく、私はそう思っています。
製造元
ところで、同じコンビニの総菜パンですが、それぞれ製造しているメーカーは異なっています。
あらびきウインナー
カツソーセージ
異なる製造ラインで作られていますので、このような違いも出てきたりするのでしょうね。
商品比較
せっかく購入しましたパンですので、比較をしながら、特徴について列記していこうと思います。
外観
どちらの総菜パンも舟形成形で最終発酵まで取り、焼成前に具材を載せていることが伺えます。
あらびきウインナー
カツソーセージ
そして、カツソーセージの方は形状が歪ですが、表面の艶は綺麗に出ています。
ところで、舟形成形と言いますのは、2本のロール成形しました生地の両端を摘まんで合わせる方法です。
成形方法につきましては、商品の底面を見ても容易に推測ができます。
あらびきウインナー
あらびきウインナーは、プレス天板を使用しているようです。(くっきりと跡が付いています)
カツソーセージ
一方、カツソーセージの方は平天板のようですね。
触感・食感
それぞれの総菜パンを包装紙から取り出す時、明らかな触感の違いが手に伝わってきました。
手に持った時の柔らかさがまったく異なります。
あらびきウインナーと比較して、カツソーセージの生地は確実にソフトで、ふんわりしていました。
それは、食べた時の食感にも如実に表れます。
あらびきウインナーの生地がぱさぱさしていて引きが強いことに比べ、カツソーセージの生地は柔らかく口溶けも良好です。
再び、外観
もしやと思って、改めてそれぞれのパンの側面を見てみました。
あらびきウインナー
カツソーセージ
どうですか、あらびきウインナーの方は、パンの側面もほぼ均等に焼き色が付いていますが、カツソーセージの方では顕著にホワイトラインができており、生地上面との焼き色のコントラストが形成されています。
推測される焼成条件
このような焼き色の違いは焼成の熱源が異なっていることに起因していることが、まず第一に推測されます。
さらに言及するのであれば、おそらくあらびきウインナーの方は、対流加熱を主とする形式のオーブン、例えばラック式オーブンを使用して焼成しているのではないでしょうか。
一方、カツソーセージは上火と下火がそれぞれコントロールできるタイプのオーブン、例えばフラットプレートの炉床のトンネル式オーブンを使用して、焼成初期(上火:弱、下火:強)⇒焼成後期(上火:強、下火:弱)と温度を設定して焼成していると推測します。(上火の熱源は、遠赤外線のような輻射熱が主体です)
この日は、結局、昼食がコンビニの総菜パン2個となってしまい、中学・高校の頃でしたらペロッと食べられてしまっていたはずなのですが、今ではけっこうお腹に溜まりますね。
惣菜パンって、こんなにボリューミーでしたっけ?