私の家族はデパートなどでの物産展、とりわけ北海道物産展となりますと、テンションが高めのようです。
以前に北海道物産展が名古屋で開催されました折、家族が買ってきてくれましたプルマンベーカリー(北海道)の食パンの記事を上げてから、既に1年以上たっていました。
かつて人気を博しましたTVチャンピオンという番組があって、そこの全国選抜パン職人選手権で2年連続優勝を果たしたベーカリーです。
この時には、一番人気の男爵カレーパンについても触れていましたものの、やっと今回のリポートと相成りました。
ドーナツをフライする油脂の劣化の課題と併せて解説していきます。
【 目次 】
なぜ、フライ油が劣化するのか
最初は黄金色だったフライ油が、揚げ操作を続けていくと共に褐変化していき、最たる状態には焦げ茶色の油で揚げものを調理している場面に出くわすこともあります。
いろいろな文献でフライ油が劣化する要因としては、
1.空気(酸素)との接触による油の酸化
2.揚げカスのような不純物の加熱による褐変化、炭化の影響
3.特にヒーター近傍における過度な温度の加熱
といったことが多く述べられています。
以前には、揚げ物から出てくる水分との化合を指摘する文献も読んだことあります。
フライ油の劣化指標としては、色(着色)、酸価AV(遊離脂肪酸含量)、粘度上昇率(重合)が一般的に採用されていますが、感覚的には色、臭い、粘り気といったところで判断することが多いようです。
フライ油の劣化を抑える方法
そうなりますと、どうやってフライ油の劣化を抑えていこうとなるわけですが、いろいろと研究されている方々の成果も交えてお話を進めていきます。
まず、空気との接触による酸化に関しては、北海道の先生が企業と共同で過熱水蒸気を油面に当てて空気との接触を遮断する方法を研究発表されていました。
別途、私も水蒸気を充満させた閉じられた空間で使用済のフライ油を加熱したところ、色が元の黄金色に戻った事象を見たことがあります。
劣化したフライ油を元の状態に戻すまではいかなくても、劣化を抑える効果は十分に期待できそうです。
ご家庭でも一度使ったフライ油は濾して不純物を取り除いて保存しますが、揚げカスなどの不純物も高い温度下で反応が早く進みますので、分離したり、温度を下げる操作が有効になります。
劣化したフライ油は、酸化しているために過酸化脂質が含まれていて、その過酸化脂質を分解できる臓器は肝臓となります。
私も油脂を含んだ食品は全般好物なのですが、身体への負担も考えねば、と思う今日この頃です。
北海道物産展
先週、名古屋JR高島屋で北海道物産展が開かれていたそうです。
結構な人手の中、家族がプルマンベーカリーの売り場へ行ってきてくれました(9月14日 ありがたいです、本当に感謝しています)。
一番人気の男爵カレーパンは、こんなに目立つポスターも。
生地には、春蒔きの春よ来いと秋蒔きのきたほなみ、ゆめちからをブレンドした国産小麦粉が使用されているようです。
粉の特性に拘(こだわ)っていることもあると思いますが、複数の種類の粉を使用することによって1年を通しての生地の安定性を高める目的もあると推測します。
感染防止対策:ソーシャルディスタンスは、ここでもしっかりと取られていて、店員さんとの距離がこんなにも離れてしまっています。
プルマンベーカリー
今回購入しましたパンは、一番人気の男爵カレーパンを始め、この4品です。
では、1品ずつリポートしていきます。
男爵カレーパン(241円 税別)
やはり最初に紹介するのは、このドーナツです。
言わなければバレない? 実は、半分にカットする前に写真を撮ることを失念していて、つなぎ合わせて、この写真を撮りました(バレバレですね)。
膨らみ具合もよく、あまり潰れも見られません(紙と樹脂の包装紙の使い分けも大事です)。
カットして断面を見てみますと、キャッチのコピー通り、大きめのジャガイモがごろごろと入っていることが分かります。
油の吸っていないサックリ衣、と謳っているということは、高温短時間の条件でフライしているのかもしれませんね。
温度のフライ油への条件は厳しくなりますが、数量が出れば、製品がフライ油を吸込み、持ち出してくれますので、足し油で油の品質を保つことができます。
ビーフカレーパン(334円 税別)
揚げ色は男爵コロッケと同様で、黒ゴマがポイントになっています。
カットしてみますと、見事なまでに道産牛の塊がこれでもかというくらいに入っています。
ビーフのおいしさと食感が楽しめるドーナツです。
ところで、男爵カレーパンもそうなのですが、生地の綴じている部分が分からない程すごくきれいです。
(R社が代表的な)包餡機を使用しているかと推測します(もし、この包餡を手作業でできる人がいたら、その人はものすごい達人ですね)。
最近の包餡機では、流動性のあるフィリングを詰めるだけではなく、イチゴや栗サイズの固形物も生地に充填することができるような機能も付いています。
技術の進歩は嬉しいのですが、この装置のコピーマシンは某国の展示会場のあちこちで見掛けることができます(なんとも言えない気分ですね)。
アップルパイ(223円 税別)
パイの層がはっきりと出ていて、この時点でパリパリ感が伝わってきます。
成形方法は、スクエア生地にアップルフィリングを絞って、折り重ねています。
カットして断面を見てみますと、こちらもビーフカレーパンと同様にゴロゴロとした果肉がしっかりと詰められています。
生地のパリパリ感と果肉のジューシー感のバランスが絶妙です。
あんバター焼きサンド(186円 税別)
斜めにカットした食パンのクラム部分に切れ込みを入れ、小倉餡を充填して焼き上げています。
バターは・・・、すみません、バター焼きだったかもしれません、あまり意識せずに普通に食べきってしまっていました。