黒猫サンタさんのパン作りブログ

プロのベーカリーと製パン企業のみなさまへ

シナボン(CINNABON) ~ 原材料表示に見る添加物

 昨年の春頃、1997~1999年のブームに乗っていましたパン・菓子類のトレンドについて紹介してきました。

▼平成9年(1997年) ベルギーワッフル

▼平成10年(1998年) クイニーアマン、 ロールケーキのスイーツ化

▼平成11年(1999年) エッグタルト、 シナモンロール

 

 その中で、シナモンロールは、名古屋市東区の terre a terre (テーラ テール)の商品を紹介しましたが、とはいえ日本におけますシナモンロールのブームを語る上で、やはり外せないのがシナボンでしょう。

 

www.santa-baking.work

 

 今回は、そのブームのきっかけとなりましたシナボンについて、改めて紹介していきたいと思います。

 

シナボン

 

 そして、だからという訳でもないのですが、原材料表示におけます添加物の表記方法についても解説していきます。

 

【 目次 】

 

原材料表示に見る添加物

 新しい食品表示のルールとして、昨年の2020年4月1日製造分より完全移行され、原材料と添加物は明確に区別して表示することが義務付けられました。

 

 食品添加物を使用した場合の基本的な表示方法は、原則として、使用した全ての食品添加物の物質名を「原材料」の欄に記載しなければならず、重量割合の高い順から表示することになっています。

 

原材料表示

 

 一例としては、このような表示となるのですが、実際にこのように書かれているところを目にすることはあまりありません。

 

 それは表示法では、原材料と合わせて表示する方法、添加物のみ改行して表示する方法、別欄に分けて表示する方法から選ぶことができることによります。

 

添加物表示

 

 そして現状では、この表示方法がもっともよく目にするのではないでしょうか。

 

 原材料名の途中に『/(スラッシュ)』で区切られている項目以降が、添加物という事になります。(ここでは、加工デンプンからV.C.(ビタミンC)までが添加物として表示されていることになります)

 

 そのような中、このような表示を目にしました。

 

添加物表示

 

 添加物が含まれていない、こちらの食パン。

 

添加物表示

 

 なお、もしかしますとマーガリンといった表示そのものに目を細められる方もいらっしゃるかもしれませんが、現在ではバター以下のトランス脂肪酸量に抑えられている製造技術の進展について、回を改めて解説できればと思っています。

 

シナボン

 シナボンの第一号店は1985年12月ワシントン州シアトルに開店し、2012年11月の時点では世界51カ国に約900店舗を構えるまでに成長しました。

 

 日本では、1999年に東京・吉祥寺に1号店をオープンして、三大都市圏にその店舗網を広げる程のブームとなりましたが、大多数の日本人にとってはサイズや大量に使用されていました砂糖類故に、カロリーを気にする層から敬遠されたことで、シナボンの店舗は2009年2月28日をもって完全撤退するに至っています。

 

シナボン

 

 ところが、2012年にシアトルズベストコーヒーのフランチャイジーによって日本再進出を果たしますと、現在では関東地方に7店舗、中国地方に2店舗、九州地方に6店舗を構え、コロナ禍の直近4ヶ月でさえも、2店舗を新たに開店させています。

 

キャラメルピーカンボン

 今回も家族に買ってきてもらいました。(名古屋には、シナボンの店舗はありませんので、臨時店舗か催事での購入だったかと思います)

 

シナボン

 

 今回購入したのはキャラメルピーカンボンで、シナモンロールにキャラメル風味のクリームチーズフロスティングピーカンナッツをトッピングした商品です。

 

外観

 箱を開けますと、大きなシナモンロールが2個、十分な存在感を示して鎮座しています。

 

シナボン

 

 なお先述にもあります、大多数の日本人が敬遠する理由となりましたサイズに関しては、このサイズが苦手という方用に、より小さいサイズのミニピーカンボンという商品もラインナップされています(ただ、今回はあくまでもオーソドックスなサイズで)。

 

 焼色は薄めで、しっとりした食感を連想させます。

 

 そして、たっぷりのクリームチーズフロスティングには、この時点ですでに若干引き気味だったような気がします。

 

断面

 シナモンシュガーを塗り4~5周に巻いて成形しています。(ちなみに、この断面からもクリームチーズフロスティングのトッピング量が見て取れます)

 

シナボン

 

 そのまま平天板では間違いなく形状が崩れますので、型もしくはセルクルを使用して最終発酵と焼成を行っていると思われます。

 

重量

 箱の内側にトッピングがべったりと付いていましたので、とりあえずシナボン2個で574g、箱が30gとして、シナボン1個の重量は、(574g-30g)/2個 = 272g 、となります。

 

シナボン 

 

 なんと、食パンであれば、0.8斤!

 

 はっきり言って、半分食べるのもけっこう大変な重量です。

 

食感・食味・風味

 第一声としては、甘い、甘過ぎます。(正直なところ、半分でも結構つらい、と)

 

 甘くないドリンクと合わせれば、いい感じかも。

 

 シナモンの風味も、しっとりした食感も好きなのですが・・・、でも、久し振りに当時のシナモンロールの衝撃を思い出した気がしました。

 

今日のanopan

 季節限定のanopan(近所のリテイルベーカリー)のデニッシュ。

 

anopan

 

 今は、季節の柑橘類でデニッシュを作ってくれています。

 

 先日は甘夏でしたが、今回ははっさくでした。(あと、2種類ほど、あるそうです)

 

 食感といい、生地、クリームと果実の食味のハーモニーがたまりません。(近所のパン屋さんに感謝です!)