黒猫サンタさんのパン作りブログ

プロのベーカリーと製パン企業のみなさまへ

ベースブレッド(完全栄養食)・ベースフード ~ おしらせ

 先日、某TV番組でベースブレッドの紹介が放送されているのを観ました。

 

 『毎日食べる主食の栄養バランスがよければ、誰でもかんたんに栄養バランスのいい食事がとれるのでは』という発想から開発された食品、というものです。

 

 おいしい食事で健康になれる、今回はそのようなBASE BREAD(ベースブレッド)の紹介です。

 

ベースブレッド

 

 現在は、通販のほか、一部のローソンやファミリーマートでも販売されている商品です。

 

 ところで、今回は最後にちょっとしたお知らせがあります。

 

【 目次 】

 

ベースブレッド

 ダイエットをしながら、それでも必要な基準の栄養はしっかりと補給したい、そのようなニーズにも応えているといった声も聞きます。

 

ベースフード

 (出典:BASE FOOD ホームページより)

 

 BASE FOODには、 26種のビタミンやミネラル、 たんぱく質、 食物繊維など、からだに必要な栄養素が詰まっていると、謳われています。

 

ベースブレッド

 

 全ての栄養素で1日分の基準値の1/3以上を含む(1袋当り)点がポイントですね(栄養素等表示基準値(18才以上、基準熱量2,200kcal)に基づき、1日分の基準値の1/3を1食分とした場合)。

 

 そして、賞味期限は1ヶ月程度ありますので、通販での物流や保存にも便利です。

 

プレーン(237円 税込)

 ハンバーガーなどアレンジ自在なふんわり食感の全粒粉パン(1袋1個入り)というキャッチです。

 

ベースブレッド

 

 製造元は、伊藤製パンとオイシスです。

 

 原材料は、小麦全粒粉(国内製造)、小麦たんぱく、還元水飴、大豆粉(遺伝子組換えでない)、もち米、発酵種、液卵、ライ麦全粒粉、小麦胚芽、米ぬか、バター、食用こめ油、チアシード、パン酵母、米酢、食塩、小麦粉、海藻粉末、粉末油脂、昆布粉末、サトウキビ抽出物、酵母/酒精、調味料(無機塩)、となっていました。

 

 栄養分を整えるために、食材の選定は大変だったかと思います。

 

ベースブレッド

 

 焼き色は、見ての通り濃いです(焼成条件もしくは配合されている原材料から来ているかは、不明ですが)。

 

ベースブレッド

 

 側面を見てみますと、腰を出そうとプレス天板を使用されているようですが、オーブンキックで浮いた形跡は少なく沈んでいます。

 

 生地の伸展性が課題でしょうか。

 

 小麦たんぱくは配合されていますので、私でしたらミキシング条件、もしくは最終発酵あたりをチェックしたいところです。

 

ベースブレッド

 

 底面の焼き色もけっこう濃いですね(底面の焼き色は、オーブンの設定で調整可能と推測します。もちろん、現状の測定は必要ですが。)。

 

ベースブレッド

 

 内相は、カギ穴もなく、詰んでもいませんし、きれいです。

 

 食感はしっとり感がもう少しあればと思うところと、脆さが気になります。

 

 風味・食味は、全粒粉やライ麦といった穀物の特徴がよく出ています。

 

 外観形状と併せ見て、ミキシング、最終発酵、焼成での調整を期待したいところです。

 

カレー(270円 税込)

 『スパイスの効いたカレー味。揚げずに焼いてしあげました。』とあります(1袋1個入り)、焼きカレーパンです。

 

ベースブレッド

 

 製造元は、オイシスです。

 

ベースブレッド

 

 焼き色はやや薄めで、外観形状は球状に近くなっています。

 

ベースブレッド

 

 腰(高さ)は出ていますものの、先ほどと同様に生地は這った感じで、ホワイトラインは見られません。

 

 この商品は、ラック式オーブンで焼成されたのかもしれません。

 

ベースブレッド

 

 天板は平天版が使用されているようです。

 

 また、底面の表面を見てみますと生地の伸びがあまり見られないような表情になっています。

 

ベースブレッド

 

 カットした断面からは気泡が細かく、膨張した形跡があまり見られません(比容積は、低く抑えられていそうです)。

 

 それと、これは個人的な好みになってしまいますが、充填されていますカレーフィリングはもう少し欲しかったところです。

 

 食べた感じですが、やっぱりもう少ししっとりさともっちりさは欲しいところです。

 

シナモン(259円 税込)

 謳われていますのは、スパイスの豊かな香りがたのしめるシナモン味(1袋2個入り)です。

 

ベースブレッド

 

 製造元は、伊藤製パンとオイシスです。

 

ベースブレッド

 

 こちらは、シート生地をシンプルに長方形にカットした成形となります。

 

 折り込み回数は少なく、写真で見る限りでは5層か6層ほどでしょうか。

 

 パイかペーストリーをイメージしますと脆い食感もさっくり感の方へシフトしていく感覚ですが、この層の数ですとやっぱりしっとりした菓子パン系として捉えてしまいます。

 

チョコ(248円 税込)

 『朝食にもぴったり、甘さ控えめで食べやすいチョコパン。(1袋1個入り)』と謳われています。

 

ベースブレッド

 

 製造元は、伊藤製パン、オイシス、フジパン、です。

 

ベースブレッド

 

 チョコレートフラワーペーストをシート状に折り込んで、帯状にカット・ツイストしてからのねじり成形です。

 

 チョコレートの層(?4層)を見ますと、2つ折り×2回でしょうか。
 

ベースブレッド

 

 底面の焼き色は、やや濃い目です。

 

個人的な感想

 健康的な栄養摂取のニーズが高く、順調に売り上げも伸びているようですので、余計なお世話かもしれませんが、老婆心ながらこれで食感が改善されれば、さらに人気になりそうな気もしています。

 

 もしかしますと、賞味期限の関係で水分調整が必要になっている可能性もありますが、それでも改良の方法はあります。

 

 大いに期待したいところです、・・・あくまで個人的な感想です。

 

ベースクッキー・アールグレイ(194円 税込)

 パンとは別に、クッキーも販売されていました。

 

 商品アイテム群としましては、さらにパスタがラインナップされているようです。

 

ベースクッキー

 

 製造元は、先述のパンとは異なってシルビアです。

 

ベースクッキー

 

 こだわりのアールグレイ茶葉をブレンドした、香り豊かな味わいとざくざく食感のクッキーです。

 

お知らせ

 コロナの影響で一昨年は中止、昨年は延期となっていましたパンシンポジウムが来月の3月7日(月)に岐阜大学サテライトキャンパスで開催されます。

 

 実は、恥ずかしながら私も講演者に名を連ねていまして、今回は食パンを焼成する際の温度測定についてお話をさせて頂く予定になっています。

 

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 通常、学会関係のシンポジウムですと、参加対象が学会員限定だったり、参加費が掛かったりするものなのですけど、このシンポジウムは『パンに関心のある人』が対象で、参加費も無料です。

 

 加えて、今回はJR岐阜駅前のオンサイト会場だけではなく、オンライン参加も予定されています。

 

 私は、当日会場へ足を運ぶ予定ですけど、もし”パンに興味がある”ものの会場まではなかなか来られないといった方は、オンラインでこのシンポジウムに参加することも可能です。(ただ、公開の講演会ながら研究講演会ですから、楽しい話が聞けるかどうかは・・・)

パンシンポジウム (gifubread.info)