黒猫サンタさんのパン作りブログ

プロのベーカリーと製パン企業のみなさまへ

バゲットのクープ ~ PAUL のミニバゲットモーニング

 たまたま所用が東京であり、先日、立川駅の改札横にありますグランデュオ2FのPAUL(ポール)に立ち寄って少し遅めの朝食を取りました。

 

  カフェグラス(495円 税込)、カフェクレームグラス(528円 税込)、を注文する際、これに132円プラスでミニバゲットやクロワッサンをセットで付けることができます。

 

PAUL バゲット

 

 今回はドリンクのひとつにミニバゲットをセットで付けてもらったのですが、出てきたバゲットがこちら。

 

 これがミニバゲットの量ですか!(ちなみに、隣のテーブルの人がクロワッサンを注文されていましたが、こちらも随分大きいサイズでした)

 

 といったところで、今回はPAULのミニバゲットとクープ(生地上面の焼き色の薄くなっている部分がクープによる割れです)について解説します。

 

【 目次 】

 

PAULのミニバゲット

 たしかに通常のバゲットと比較しますとサイズ自体は小ぶりですが、モーニングで丸々1本が出されますと些(いささ)か目が点になってしまいます。

 

 とはいえ、早速品質チェックに、・・・外観はきれいな焼き色をしています。

 

 リーン(小麦粉・イーストなどの酵母・塩・水の基本材料で作られるシンプル)なパンの特有の濃さ(明度)、鮮やかさ(彩度)、色調(色相角度)、と思います。(別に計測した訳ではありませんが、(カッコ)内は、測色色差計での表示項目です)

 

PAUL バゲット

 

 生地の底面を見てみますと、デッキ式オーブンで直焼きしたハースブレッドの表情をしています。

 

 最近は、吸水が高めのパンが多いせいか、底面が這った形状のバゲットが多い中、この商品はしっかりと腰が出て(縦に伸びて)います。

 

PAUL バゲット

 

 内相は、歪な気泡が程よく混じっていて教科書のようなバゲットの内相です。

 

 食べてみますと、カリカリしたクラストともっちりしたクラムの食感はイメージ通りで、小麦の風味が十分に感じられました。

 

クープとは

 最終発酵後、生地表面をカミソリのような薄い刃物で浅くカットして、焼成後にその部分を割れたような外観にする操作のことです。

 

 一般的には、焼成初期に使用する蒸気量によって焼成後の生地表面状態は変わってきます。

 

 フランスパンのように生地表面温度が70℃程度までの加熱を蒸気で行う場合には、生地内部の温度が上昇する前に生地表面が乾いてしまいますので、クープの部分は裂けたような状態になります。

 

 一方、十分に蒸気を使用するドイツパンのような製品ではオーブンキックが継続している間も生地表面が濡れた状態で伸展性があり、クープの部分と元の表面の生地との境界が明確に出てこなくなってきます。

 

PAULのミニバゲット

 今回頂きました、ミニバゲットのクープは縦に1本直線を引いたように付けられています。

 

バゲット クープ

 

他のバゲットを見てみると

 こちらは過日にご紹介しました、食べログ・東京 パン 人気ランキング第1位のラトリエ ドゥ プレジールの日替わりバゲット(460円 税込)です。

 

ラトリエ ドゥ プレジール

(ラトリエ ドゥ プレジール)

 

 珍しいクロス状のクープです。

 

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 そして、こちらが前回ご紹介しました、バゲットラビットのバゲット(356円 税込)となります。

 

バゲットラビット

バゲットラビット)

 

 こちらは、比較的よく目にする一般的なクープの入れ方です。

 

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クープの入れ方について

 ところで、クープの入れ方について機械屋さんの見方で解説してみます。

 

 味気ないかもしれませんが、装置化する際にはとても大事なことですので、ご容赦下さい。

 

バゲット クープ

 

 一般的なクープを例えば上図のように縦方向に均等に入れますと、焼成時にクープの部分は横方向に広がってしまいます。

 

 クープ自体は斜めに入れられていますので、生地全体で見てみますと焼き上がったバゲットは下図のようなねじれたような状態になってしまいます。

 

バゲット クープ

 

 そこで、ねじれた後の形状を考慮して、クープを入れますと・・・。

 

バゲット クープ

 

 焼成後には、縦一直線にクープが並んだバゲットが焼き上がるという事になります。

 

バゲット クープ

 

 ただ、上の図では違いが分かり難いので、極端な図で解説します。

 

バゲット

 

 縦方向に均等に入れてしまいそうなクープを、この図の左側のクープは上方向に、右側のクープは下方向にずらして、下図のような切込みにすることになります。

 

バゲット

 

 その結果、ずらしたクープの位置が生地のねじられる応力によってちょうどいい位置に修正させるわけです。

 

 もっとも、このクープのずらし具合は生地の性質にも影響を受けますし、パン職人さんの感覚によるところが非常に大です(さすがにここまでは計算できないです)。

 

装置化

 以前に連続生産ラインでのクープについて解説したことがありますが、現時点におきまして上図のような作業は人の手だからこその技術です。

 

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 まず、個々に最終発酵後の形状が微妙に異なっているパン生地に対して、立体的に生地表面の位置情報を特定することさえ、最新のセンサー技術をもってしても非常に困難です。

 

 ましてや、ひとつひとつの位置をずらしてクープを入れていくとなると、それはもう至難の業です。

 

 でも、なんとかできないかなぁ、と妄想を交えながら楽しみ半分で考えていこうと・・・、最後に・・・人の手は偉大です!

 

シート生地の折り重ね(連続生産ライン)~ バゲットとデニッシュと・バゲットラビット

 食べログの愛知・パン人気ランキングTOP20で、第9位のバゲットラビットが今年の3月、名古屋・金山総合駅にありますアスナル金山1Fに新店舗を出店しました。

 

 このバゲットラビットは、マジカルチョコリングのアンティークやねこねこ食パンのネコネコファクトリーを展開する(株)オールハーツ・カンパニーが手掛けるブランドです。(なめらかプリンのパステルも同じ系列の店舗です)

 

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 今回も家族が出掛けてきてくれましたので、お店とパンのリポートと併せて、デニッシュやパイの生地を作ります成形ラインの製パン設備について解説することにします。

 

【 目次 】

 

シート生地の連続生産ライン

 デニッシュやパイ生地の層を作るためには、生地に油脂を折り込んで伸ばし重ねる作業が必要になってきます。

 

 リテイルベーカリーの店舗では、一般的にリバースシーターで三つ折り等の折り重ねを行いますが、大手製パン工場の連続生産ラインでは事情が異なってきます。

 

製パンライン

 

 最終の折り重ねを行う前の生地を①搬送コンベアに載せます。(この時、前に乗せた生地と端の部分で繋げます)

 

 コンベア上の生地は②ストレッチャーで薄く延ばされます(ストレッチャーの入口側コンベア速度は、延ばされた生地の厚さで自動調整されています)。

 

製パンライン

 

 ③揺動機(ようどうき パラレルパイラー)では、直角に交差する④搬送コンベアに生地を一定周期で揺らしながら折って重ねていきます。

 

 ひとつ前の画像のように、①搬送コンベアで端生地だった部分は、④搬送コンベアでシート生地の上下面に必ず含まれます。

 

 そして、再度⑤ストレッチャーで規定の厚さに延ばされて、次の成形に移ります。

 

どこまでこだわるか

 リテイルベーカリーの成形では折った生地の端生地は通常使用しませんので、非常に手間が掛かりますが、均一なきれいな層を創り出すことができます。

 

anopan

(こちらの画像は、anopanさんのイチゴのデニッシュです)

 

 しかし、上述の連続生産ラインでは①での繋ぎ目と③での折り重ねで、端生地が含まれてしまいます。(製造現場によっては、この際につなぎ目部分の端生地を切除して、内側の層には含めないようにするケースもあると思いますが)

 

 海外では、③揺動機を2台導入したラインも見られますが、当然、上図のラインで作るデニッシュよりきれいな層は望めないと考えられます。

 

 生産性と品質との折り合いをどこで付けるか、という視点で見られがちですが、私的には端生地を含まない連続ラインの装置ができないか、考えたいところです。

 

バゲットラビット KANAYAMA

 金山の商業施設・アスナル金山1Fにオープンしましたバゲットラビット3号店です(1号店:名古屋 一社、2号店:東京 自由が丘)。

 

バゲットラビット

 

 店舗の外観はシンプルながら、小麦を引く石臼の展示が目を惹きます。

 

バゲットラビット

 

 店内に入って、奥には製造現場にラック積みされたクーリング中の製品が見られます。

 

バゲットラビット

 

 壁側に並んでいる傘立てのバーのようなものは・・・?、店名にもなっているバゲットの棚でした。(現在は、感染防止策で包装した状態で立て掛けられていました)

 

バゲットラビット

 

 そして、クッキーやジャムのコーナーも。

 

今回の購入商品

 バゲットの他、人気のミニサイズカンパーニュやデニッシュ等、下図の計5品を購入です。

 

バゲットラビット

 

バゲット(356円 税込)

 バゲットラビットの看板商品です。

 

バゲットラビット

 

 バゲットにしては、焼色はしっかりと付いています。

 

バゲットラビット

 

 焼成は直焼きではなく、パンチングメッシュの天板が使われています(生地底面に凹凸の跡がくっきり!)。

 

 ところで、最近はハード系の製品で底面が這った感じのパンが多くなってきた気がします。(気のせいかもしれませんが)

 

 ハード系に限らず、食パンでも高加水を謳っているパンをよく目にするようになってきたことと関係が・・・。(吸水100%の食パンも出てきましたね。どのような生地で、どのような設備を使っているのか、気になります)

 

 クラムの食感はもちもちしますが、生地の取扱いは難しく、上手にまとめないと膜が薄く伸びずにちくわ・はんぺんのような食感になってしまいます。

 

 焼成は、コンベクションオーブンを使われているのでしょうか。(ヨーロピアンサイズの天板を使って、縦方向に生地を並べれば、ちょうどの長さになろうか、と)

 

 クラストの食感は、非常にカリッとしたものでした。

 

バゲラビ・フレーズ(421円 税込)

 人気商品のミニサイズのカンパーニュです。(上面の”B”の文字が象徴的です)

 

バゲットラビット

 

 中にはキャラメルバターを塗ってあり、ヴァローナ社のチョコレートがサンドされているそうです。

 

バゲットラビット

 

 中を開くと、このような状態です。

 

 このミニカンパーニュは定番が4種類あり、時期によってランダムでフレーバーが変わるとか。

 

ミルクブレッド(ハーフ 270円 税込)

 オープントップの小型食パンです。

 

バゲットラビット

 

 上面にクープが入っているところを見ますと、焼成時の初期に水蒸気を使用して伸ばしているのでしょうか。

 

 側面のケービングは、水蒸気の使用(生地中心部が早く温度上昇します)と焼成時間の関係で起きている可能性もありますね(もちろん、この商品だけたまたまだったのかもしれません)。

 

バゲットラビット

 

 内相はきれいな縦目が形成されていますし、ソフトな食感とミルクの風味でとてもおいしかったです。

 

パイナップルのデニッシュ(388円 税込)

 しっかりと焼き込んだデニッシュ生地にパイナップルがトッピングされた商品です。

 

バゲットラビット

 

 生地表面のサクサク感とフルーツのジューシー感が同時に楽しめる商品です。

 

 生地の層は・・・、食べた感じからもクラムは膜厚の印象を受けました。

 

アップルパイ(280円 税込)

 1/6カットのアップルパイです。

 

バゲットラビット

 

 前述のデニッシュと同様に、生地のサクサク感は十分に楽しめる一品です。

 

 今回購入しました商品は、ミルクブレッドを除いて全体的にしっかりと焼き込んでいる印象を受けました。

 

フライ油が劣化するメカニズム ~ 北海道物産展の男爵カレーパン・プルマンベーカリー

 私の家族はデパートなどでの物産展、とりわけ北海道物産展となりますと、テンションが高めのようです。

 

 以前に北海道物産展が名古屋で開催されました折、家族が買ってきてくれましたプルマンベーカリー(北海道)の食パンの記事を上げてから、既に1年以上たっていました。

 

 かつて人気を博しましたTVチャンピオンという番組があって、そこの全国選抜パン職人選手権で2年連続優勝を果たしたベーカリーです。

 

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 この時には、一番人気の男爵カレーパンについても触れていましたものの、やっと今回のリポートと相成りました。

 

 ドーナツをフライする油脂の劣化の課題と併せて解説していきます。

 

【 目次 】

 

なぜ、フライ油が劣化するのか

 最初は黄金色だったフライ油が、揚げ操作を続けていくと共に褐変化していき、最たる状態には焦げ茶色の油で揚げものを調理している場面に出くわすこともあります。

 

ドーナツのフライ

 

 いろいろな文献でフライ油が劣化する要因としては、

1.空気(酸素)との接触による油の酸化

2.揚げカスのような不純物の加熱による褐変化、炭化の影響

3.特にヒーター近傍における過度な温度の加熱

といったことが多く述べられています。

 

 以前には、揚げ物から出てくる水分との化合を指摘する文献も読んだことあります。

 

 フライ油の劣化指標としては、色(着色)、酸価AV(遊離脂肪酸含量)、粘度上昇率(重合)が一般的に採用されていますが、感覚的には色、臭い、粘り気といったところで判断することが多いようです。

 

フライ油の劣化を抑える方法

 そうなりますと、どうやってフライ油の劣化を抑えていこうとなるわけですが、いろいろと研究されている方々の成果も交えてお話を進めていきます。

 

ドーナツのフライ

 

 まず、空気との接触による酸化に関しては、北海道の先生が企業と共同で過熱水蒸気を油面に当てて空気との接触を遮断する方法を研究発表されていました。

 

 別途、私も水蒸気を充満させた閉じられた空間で使用済のフライ油を加熱したところ、色が元の黄金色に戻った事象を見たことがあります。

 

 劣化したフライ油を元の状態に戻すまではいかなくても、劣化を抑える効果は十分に期待できそうです。

 

 ご家庭でも一度使ったフライ油は濾して不純物を取り除いて保存しますが、揚げカスなどの不純物も高い温度下で反応が早く進みますので、分離したり、温度を下げる操作が有効になります。

 

 劣化したフライ油は、酸化しているために過酸化脂質が含まれていて、その過酸化脂質を分解できる臓器は肝臓となります。

 

 私も油脂を含んだ食品は全般好物なのですが、身体への負担も考えねば、と思う今日この頃です。

 

海道物産展

 先週、名古屋JR高島屋で北海道物産展が開かれていたそうです。

 

北海道物産展

 

 結構な人手の中、家族がプルマンベーカリーの売り場へ行ってきてくれました(9月14日 ありがたいです、本当に感謝しています)。

 

 一番人気の男爵カレーパンは、こんなに目立つポスターも。

 

北海道物産展

 

 生地には、春蒔きの春よ来いと秋蒔きのきたほなみ、ゆめちからをブレンドした国産小麦粉が使用されているようです。

 

 粉の特性に拘(こだわ)っていることもあると思いますが、複数の種類の粉を使用することによって1年を通しての生地の安定性を高める目的もあると推測します。

 

北海道物産展

 

 感染防止対策:ソーシャルディスタンスは、ここでもしっかりと取られていて、店員さんとの距離がこんなにも離れてしまっています。

 

プルマンベーカリー

 今回購入しましたパンは、一番人気の男爵カレーパンを始め、この4品です。

 

北海道プルマンベーカリー

 

 では、1品ずつリポートしていきます。

 

男爵カレーパン(241円 税別)

 やはり最初に紹介するのは、このドーナツです。

 

北海道プルマンベーカリー

 

 言わなければバレない? 実は、半分にカットする前に写真を撮ることを失念していて、つなぎ合わせて、この写真を撮りました(バレバレですね)。

 

 膨らみ具合もよく、あまり潰れも見られません(紙と樹脂の包装紙の使い分けも大事です)。

 

北海道プルマンベーカリー

 

 カットして断面を見てみますと、キャッチのコピー通り、大きめのジャガイモがごろごろと入っていることが分かります。

 

 油の吸っていないサックリ衣、と謳っているということは、高温短時間の条件でフライしているのかもしれませんね。

 

 温度のフライ油への条件は厳しくなりますが、数量が出れば、製品がフライ油を吸込み、持ち出してくれますので、足し油で油の品質を保つことができます。

 

ビーフカレーパン(334円 税別)

 揚げ色は男爵コロッケと同様で、黒ゴマがポイントになっています。

 

北海道プルマンベーカリー

 

 カットしてみますと、見事なまでに道産牛の塊がこれでもかというくらいに入っています。

 

北海道プルマンベーカリー

 

 ビーフのおいしさと食感が楽しめるドーナツです。

 

 ところで、男爵カレーパンもそうなのですが、生地の綴じている部分が分からない程すごくきれいです。

 

 (R社が代表的な)包餡機を使用しているかと推測します(もし、この包餡を手作業でできる人がいたら、その人はものすごい達人ですね)。

 

 最近の包餡機では、流動性のあるフィリングを詰めるだけではなく、イチゴや栗サイズの固形物も生地に充填することができるような機能も付いています。

 

 技術の進歩は嬉しいのですが、この装置のコピーマシンは某国の展示会場のあちこちで見掛けることができます(なんとも言えない気分ですね)。

 

アップルパイ(223円 税別)

 パイの層がはっきりと出ていて、この時点でパリパリ感が伝わってきます。

 

北海道プルマンベーカリー

 

 成形方法は、スクエア生地にアップルフィリングを絞って、折り重ねています。

 

北海道プルマンベーカリー

 

 カットして断面を見てみますと、こちらもビーフカレーパンと同様にゴロゴロとした果肉がしっかりと詰められています。

 

 生地のパリパリ感と果肉のジューシー感のバランスが絶妙です。

 

あんバター焼きサンド(186円 税別)

 斜めにカットした食パンのクラム部分に切れ込みを入れ、小倉餡を充填して焼き上げています。

 

北海道プルマンベーカリー

 

 バターは・・・、すみません、バター焼きだったかもしれません、あまり意識せずに普通に食べきってしまっていました。

 

連続式フライヤーの搬送構造 ~ ミスタードーナツ・さつまいもド

 ミスタードーナツから、9月4日(金)、同時にふたつのシリーズで新商品が発売されました。

 

 ひとつはハロウィンのお化けをモデルにした おうち de MISDO HALLOWEEN で、先日にリポート記事を上げました。(その節は、発売日を間違えてしまい申し訳ありませんでした)

 

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 今回は、もうひとつのシリーズ、 さつまいもド について、リポートします。(そして、フライヤーの構造についても少々)

 

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 実は、こちらのドーナツに関しましてブロ友さんのミスターエスプレッソさんが既にリポートされています(昨年のミスド・さつまいもドもリポートされています)ので、後追いとなってしまいますが、ご容赦ください。

 

【 目次 】

 

連続式フライヤー

 ミスドの製造現場を見たことはありませんので、ここでは合致しないかもしれませんが、一般的に製造するドーナツの数量をこなすためには固定式ではなく、連続式の方が向いています。

 

 このようなコンベア式のフライヤーは大手ベーカリーの大型工場くらいでしょ!、とお思いかもしれませんが、クリスピークリームドーナツの店舗で使用しているフライヤーも小型ながら連続式の機種が採用されています。(以前にTVの番組で見ましたが、トンカツのかつやの店舗でも連続式のフライヤーが導入されていましたね)

 

 以前に私が企業の開発部に所属していました頃、クリスピークリームドーナツのお店(たしか新宿の1号店)に調査目的でドーナツを買いに行って、そこで並んでいる間にフライ時間を計測していましたところ(⇒なんだか、怪しい人みたいですね)、片面:1分×2(表裏)で計2分という、超短時間でフライしていたことにすごく驚いた記憶が鮮明に残っています。

 

 一般的なフライ時間は3~5分で、油の温度による違いがあったり、あんやカレーなどのフィリングを包んだドーナツで長めの設定になったりしますが、2分という時間を知った時にはすごいシークレットを知ってしまったくらいの感覚でした。

 

搬送構造

 パンを焼成する時と異なって、ドーナツを揚げる時には油層に浸かっていますので、天板を使ってコンベアで運ぶことはできません。

 

 では、生地をどうやってあの油層で動かしているのでしょうか。

 

ドーナツフライヤー

 

 答えはとてもシンプルで、油面の高さに生地を押して送るためのバーが設置されていて、このバーが間欠式に運転されます(タクト運転とも言います)。

 

 イーストドーナツはもとより、ケーキドーナツも油層に生地投入後しばらくしますと浮いてきます(実は、ここにも装置としてのノウハウがあります)ので、油面で優しく押してあげます。

 

 1回の搬送距離はバーの間隔分でコントロールされ、油量はバーの高さが保持されるよう自動(小型の装置の場合は手動かもしれません)で補充されます。

 

生地の反転

 ドーナツのフライでは、途中で生地を反転させなくてはなりません。

 

ドーナツフライヤー

 

 生地がコンベアの中間地点まで運ばれてきますと、ひとつ先にある列のスペースにひっくり返されます。(この時、空いた列のスペースに次の生地が返されます)

 

ドーナツフライヤー

 

 横から見てみますと、上図のようなイメージです。

 

 櫛状のフライ返しが油層に潜らされていて、タイミングよくドーナツの生地をすくい上げる訳です。(その時、生地はしっかりと裏返り、飛び過ぎることもなく、目標のポイントに着水(?油)します)

 

 ひとつひとつの構造はシンプルですが、それぞれに(どこのお国とは申しませんが)一見しただけではコピーされ尽くされない、見えてこない隠れたノウハウがあります。

 

 このような積み重ねが”ものづくり日本”を支えているのだと感じてしまいます。

 

さつまいもド

 いつものミスタードーナツへ車を運転して出掛けます。

 

ミスタードーナツ

  

 この日は珍しく、並んでいたお客さんは1組のみ。

  

ミスタードーナツ

 

 早速店内へ入ってショーケースを見てみますと、さつまいもドの5品種がすべて揃っていましたので、ハロウィンシリーズの5品と併せて、さつまいもシリーズ5品もコンプリートすることができました。

 

ミスタードーナツ

 

 今年は”追いいも”がテーマのようですね、では、ひとつひとつ紹介していきましょう。

 

さつまいもド プレーン(120円 税別)

 安納芋パウダーと紅はるかパウダーが生地に練り込まれているそうです。(他の4品種も同様の生地かと思います)

  

ミスタードーナツ

 

 形状はポンデリングのようですので、そのつもりで摘まんでしまいますと、ポロッと崩れてきてしまいます。(でも、言い換えますと、ちぎり易いドーナツです)

 

 さつまいもの食感をイメージされているのでしょう。

 

さつまいもド 紫いも(130円 税別)

 ヴィジュアル的に、追いいもは紫いものグレーズですね。

 

ミスタードーナツ

 

 ところで、ここまで脆い生地となりますと製造上グレーズや次の大学いものタレは上から掛けないと難しいでしょうか。

 

 トッピングのゴマは、さらに追いいもを彷彿させていますね。

 

さつまいもド 大学いも(130円 税別)

 追いいもは、大学芋のイメージ?

 

ミスタードーナツ

 

 大学いもをイメージして(ベタつく)タレとゴマがトッピングされており、性質上この商品には透明のシートが被せられています。

 

さつまいもド スイートポテト(140円 税別)

 スイーツとして定番となっていますスイートポテトを、スイートポテトクリームとゴマのトッピングで表現したドーナツです。

 

ミスタードーナツ

 

 HPの解説には、仕上げに焼き上げた旨が記載されていますね。

 

 スイートポテトクリームのブリュレの部分を出すための操作かと推測します。

 

さつまいもド いもけんぴ(140円 税別)

 こちらのドーナツには、粒上になったいもけんぴとグレーズが混ざり合って生地の上からトッピングされています。

 

ミスタードーナツ

 

 (温かくはないのですが)ほくほくした食感の生地とカリカリしたいもけんぴの食感が相まって、噛みながら楽しめるドーナツになっています。

 

ドーナツフライヤーの加熱構造 ~ ミスタードーナツ・おうち de MISDO HALLOWEEN

 ミスタードーナツで秋の味覚さつまいものシリーズが始まったと少し前に聞いていたのですが、なかなか足を運ぶことができず、前回のもちシリーズに続いて、やっとお店に着いたと思いきや・・・。

 

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 まだ、お芋シリーズは販売されていたのですが、その次のハロウィン企画のドーナツが既に並んでいるではありませんか!

 

ミスタードーナツ

 

 という訳で、急きょ、ミスドHALLOWEENのリポートに切り替え、併せてドーナツを揚げるための装置:フライヤーについて解説します。

 

(訂正とお詫び)

 さつまいもドの発売は、おうち de MISDO HALLOWEEN とおなじ9月4日(金)でした。

 すみません、私の勘違いで、9月4日に発売されるドーナツがさつまいもドしか知らなくて、てっきり次の企画のドーナツが出てしまったとばかり思っていました。

 ここに訂正して、お詫び致します。m(__)m

 

【 目次 】

 

ドーナツフライヤーの構造

 ドーナツは一般的に180℃程度の油でフライしますので、当然、その温度まで加熱するヒーターが必要になってきます。

 

ドーナツフライヤー

 

 固体から液体といった状態変化が起きなければ、一般的な物質は温度の上昇と共に体積が膨張しますので、ヒーター付近で加熱された油は油層上部まで自然対流によって移動します。

 

 では、この時、加熱源であるヒーターの下ではどのようなことが起きているのでしょうか。

 

 実は、ヒーター下部では密度変化によります対流も起きることはなく、それなりに加熱はされてもヒーターの上側程にまでは温度が上がらないことが分かっています。

 

 つまり、加熱された油はほぼヒーターより上の層で対流して循環しています。

 

展示会にて

 この業界の人であれば、関係する展示会でこのようなフライヤーが出展されているところを目にした人も多いと思います。

 

ドーナツフライヤー

 

 ドーナツを揚げているフライヤーの油層の下(水の層です)で本物の金魚が泳いでいる!

 

 しかも、ケーキドーナツは生地が脆いため、フライの際に揚げカスがフライヤーの底に溜まり易いのですが、このフライヤーでは沈んできた揚げカスを金魚がパクパクと食べているところが見られます。

 

 もちろん、このフライヤーはデモンストレーション用(当然のことながら安全対策も万全の状態)でこのような使い方は絶対にしないのですが(当たり前ですね、金魚が泳いでいるフライヤーで揚げたドーナツが受け入れらられるとは思いませんので)、装置の効果としては揚げカスが水の層へ沈殿して油の劣化を抑える効果をアピールしたかったようです。

 

 私も初めて見た時には非常に興味津々だったのですが、さすがに2度3度と見てくると飽きてきて、最近ではブースの横を通ってもフーンといった感じで素通りしてしまいます。

 

ミスタードーナツ・おうち de MISDO HALLOWEEN

 さて、予想に反して購入してきましたのは、下のハロウィンシリーズの5種類のドーナツです。

 

ミスタードーナツ

 

 5匹のお化けは、それぞれのドーナツが入っている紙ケースの裏面にイラストが描かれています。

 

ミスタードーナツ

 

 それでは、ひとつずつ見ていきましょう。

 

ばたばたコウモリ(150円 税別)

  チョコレートを混ぜたケーキ生地のリングドーナツを少し縦長にしてフライした感じです。

 

ミスタードーナツ

 

 表面の下地には紫いものグレーズが掛かっていて、グレーズが固まってからその上にチョコ掛けがされています。

 

 コーティングされたチョコレートは、もしかしますと意図的に固まる前で網に載せられているかもしれません。

 

 そうすることによって、紫芋グレーズの色がチョコの隙間から覗き見ることができるようになります。

 

くるくるピンクミイラ(150円 税別)

 スティックタイプのケーキ生地のドーナツです。

 

ミスタードーナツ

 

 フライ冷却後にストロベリーチョコが掛けられ、その上からミイラの包帯をイメージしたホワイトチョコレートを線状に掛けています。

 

 ところで、ストロベリー生地のコーティングは浅めの容器に溶かしたチョコレートを張って、そこにドーナツを落としていると思うのですが(くるくるチョコミイラはきれいにコーティングできている一方、くるくるピンクミイラは形状が安定していませんのでコーティングも歪です)、ホワイトチョコはドーナツに掛からなかった分をちゃんと回収しないとコストが大変ですよね。

 

 網を張った容器の上にドーナツを置いて、下に落ちたホワイトチョコレートは再度溶かして使用できるようにしているのでしょうか。

 

くるくるチョコミイラ(150円 税別)

 もちもちしたポン・デ・リングの生地にチョコレートがコーティングされています。

 

ミスタードーナツ

 

 このお化け(?ドーナツ)はくるくるピンクミイラの弟という設定のようで、お姉さん同様に包帯をイメージしたホワイトチョコレートが掛けられています。

 

黒ねこフレンチ(150円 税別)

 フレンチクルーラーの生地の上半分にチョコレートがコーティングされています。

 

ミスタードーナツ

 

 ネコの耳は三角形の板チョコで表現されています。

  

びっくりゴースト(150円 税別)

 イースト生地のドーナツで、しっとりソフトな食感が特徴です。

 

ミスタードーナツ

 

 フライ後はホワイトチョコが掛けられて、ココナツをトッピングしています。

 

 ところで、すべてのお化けにちゃんとチョコレートで目を付けているんですね。

 

 中央に開いた穴の部分がちょうどお化けの口になっていて、この表情がなんとなくかわいかったりします?

 

あとがき

 今回は、当初のお目当てでした、お芋シリーズのドーナツ5種類も同時に購入してきましたので、順番が逆になりましたが、次回はお芋シリーズのドーナツをリポートするつもりです。

 

 昨日の夕方から今朝までに、家族で10個のドーナツを食べました(当分、見なくていい感じです)。