黒猫サンタさんのパン作りブログ

プロのベーカリーと製パン企業のみなさまへ

さらに帯広散策 ~ コンビニに注目

店内焼成のコンビニ

 北海道でコンビニと言えば、セイコーマートと聞きました。

 ただ、北海道での店舗数が多いということだけではなく、製パン業界の間では別の特徴で注目を集めていました。

 下の写真で、『Seicomart』の看板の下に『HOT CHEF』の文字が分かりますでしょうか。

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 セイコーマートでは、コンビニの店舗内でパンを焼いている『焼き立てパン』のお店でもあるんです。

 アイテムは、店内のポスターで人気No.1と謳っていますメロンパンを始めとする菓子パン類から、クロワッサン等の食事系、総菜系のパンまで揃っています。

 今回入ったお店では焼き立てパンのコーナーが二つあって、この焼き立てパンが集客に寄与していることが伺えます。

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 せっかくなので、地元ならではのパンがないか探してみましたところ、バターパン(102円 税別)という商品を見つけました。

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 フィリングやトッピングのない、生地が特徴的なパンかと勝手に判断して、これを購入。

 ついでに、北海道産のコーヒー牛乳とヨーグルトもセットで翌日の朝食にすることにしました。

 ところで、このバターパンですが、原材料表示で『バターパン生地(小麦粉、バター、砂糖、その他)、卵、植物油脂、…』と、あります。

 原材料名で、バターパン生地という表示は初めて見ました。

 製品の感想ですが、明確なホワイトラインが出ていませんので、コンベクションオーブンのような対流式のオーブンで焼成している気がします。

 食べてみた感想ですが、やや表面の生地は引きがあります(オーブンの影響?)ものの、全体的にはふんわり感があって、おいしいです。

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 この日は、柳月本店へも行きましたが、お目当てのあんバタサンは完売状態だったこともあり、歩いて5分ほどのところにあります六花亭本店へ足を運ぶことにしました。

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 正面はあまり目立たない店構えですが、そこは有名店だけあって店内は多くの買い物客で賑わっていました。

 六花亭と聞きますと、つい焼菓子を連想してしまうのですが、店内にはケーキ等の洋菓子も並び、そして専用?のレジで販売されていましたのが、サクサクパイ(イートイン:204円 税込、テイクアウト:200円)です。

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 よく見てみますと、値札のところに『テイクアウト』と『イートイン』の表示が。

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 レジの反対側には、イートインのスペースがあって、ここのレジの商品を購入しますと、コーヒーは無料で頂きながら、食べていくことができます。

 家族のリクエストもあって、リッチランド(チーズサブレ)、チョコマロン、いつものアレ、〇△□(まるさんかくしかく)、パンプキンパイを購入…、ちょっと買い過ぎたかも、でした。

 蛇足ですが、六花亭のポテトチップがありましたので、こちらもつい物珍しさから購入してしまいました。

 まだ、食べてはいませんが、きっと普通のうす塩味かと想像しています。

 ただ、パッケージが六花亭のデザインですので、家族には大いに受けました。

 ホテルへ戻る途中、ポップカルチャーフェスティバルなる催しが駅近くの広場で開かれていました。

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 カラフルなアニメプリントの車も集結していて、アイドル?の女の子も出演していて、オタ芸の方々も見えて…。

 きっと、私がこの雰囲気に慣れるには、かなりの時間を必要とすることでしょう。

帯広に来た理由

 明日は、午前中に帯広畜産大学で食品工学の特別講義があります。

 しっかりと準備はしてきていますが、今日は体調を整えて、明日に備えることに。

北海道・帯広へ

まだまだ、なつぞら

 JR北海道の時間がけっこう読めないことがあって、帯広へ行く際、最近は羽田から帯広空港経由の行程が定着しつつあります。

 それで、まずは新幹線・新横浜経由で羽田空港へ。

 国内線ターミナルで昼食を取るべく、パン屋さんを探してみようと思っていましたところ、考える間もなく京急の駅を出たすぐのところにヴィドフランスが。

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 早速店内へ入ってみますと、空港にあるお店らしく『空あんぱん(空の焼き印が押されています)』といった製品や、これまであまり意識して見ていなかった食パン等が並んでいます。

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 ここでは、『3種チーズの粗挽きフランク(296円税別)』と『ショコラフランス(194円税別)』をチョイスしてイートインコーナーへ。

 税制が変わりましたので、今回の消費税は10%です。

 ドリンクも合わせますと827円となりますので、ワンコインで済ませられるご時世にそこそこの金額かと。

 ただ、しっかりと食べ応えはありますし、雰囲気&トレンド代と納得しています。

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 15時頃に帯広空港に着きますと、気温は14℃とのこと。

 長袖シャツに上着でちょうどの気候です。

 飛行機を出ますと、(NHK朝の連続TV小説)なつぞらのポスターとスピッツの曲『優しいあの子』がお出迎えです。

 ちなみに、この曲はホテルまでの移動の十勝バス内でも絶えず流れていました。

 帯広には、この番組に登場します菓子店『雪月』のモデルとなった『柳月』の本店があります。

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 既に8月の日本食品科学工学会の大会参加時に『あんバタサン』は購入したのですが、せっかく本店に来たのですから、やはり寄らないことはないと言ってみたのですが…。

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 なんと、思いもかけずに完売の札が掛かっていました。

 実は、その8月に帯広の知り合いが、地元の帯広だったら普通に買えますよ、と教えてくれていましたので、安心して出掛けたのですが…。 

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 上の写真の十勝と柳月という資料とあんバタサン完売の札は札幌の直営店でも十分に見慣れてきましたが、ここでもお目にかかるとは…。

 柳月を後にして、駅方面を回りながらホテルへの帰路を歩いていますと、名物料理・豚丼の有名店・ぱんちょうがありました。

 以前に一度だけ入って食べたことがありますが、確かに美味です。

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 この時(左写真)は16時頃の開店前 or 直後でしたので、人影も見られませんでしたが、21時頃に前を通りましたら、右のように随分な行列ができていました。

 この時間帯にもなりますと、気温もグッと下がってきていましたけど、それでも食べたい方々は並ばれるんですね~。

コロンブスの卵を知る日! ~ 混ぜ込み食パン(ブルーベリージャム編②)

改善は一歩一歩

 『1日一歩、3日で散歩…』という懐かしい歌がありましたが、新しいことを進めていく為にはひとつひとつの積み重ねが大事であることを往々にして思い知らされます。

 こうしてみますと、今は当たり前のように思っている技術でも、実は確立されるまでのプロセスが茨(いばら)の道だった、ということも往々にしてあることが推測されます。

 今回の混ぜ込み食パンも造り方を知っている人に教えてもらっていれば、すんなり簡単に済んでいたのでしょう。

 それを、ああでもない、こうでもない、と笑われてしまうようなことを繰り返しているのですから、まったく非効率的です。

 コロンブスの卵とは、よく言ったものです。

 ですが、私の本業である研究の分野では基本的に既に知っている人は存在しません。

 もし、誰かが知っていることであれば、そのテーマは研究の対象とはならないからです。

 研究には研究者のセンスが問われると言われたことがあります。

 今回のような試作も、センスを磨く糧となればいいのですが…。

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 改めて、ジャムを混ぜ込んだような食パンは珍しくないのに…、と思われている方もいるかと思いますが、ロール成形する生地のサイズで製造の難易度はまったく違ってきます。

 今回は、食型の長さ方向に4個のロール成形した生地を並べなくてはなりません。

 つまり、前回のように玉生地から圧延してロール成形したのでは、どうしても長さが出過ぎてしまい、食型に収まらなくなってしまいます。

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 そこで、今回は一度ロール成形した生地を休ませて、その後に再度圧延してロール成形することにしました。

 一応、生産性も考慮して、ベンチタイムは10~20分で条件を振ってみました。

 個人的な感想ですが、やはり15分程度は休ませた方が生地の伸びもよさそうです。

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 そして、延ばした生地にブルーベリージャムを塗る訳ですが、最終的にφ45mm程度となるロール生地の外周の長さは10数センチと計算されます。

 そのため、そのジャムを塗らない部分を残して、この状態で生地を巻いていきます。

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 型詰めは非常にスムーズでした。

 おそらく混ぜ物のないパン生地のみの製品であれば、これでOKだったのだと思います。

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 そして、最終発酵なのですが、この段階でなにやら外観形状にバラツキが出ているような…。

 なんとなく嫌な予感は見事に的中して、焼き上がった食パンのスライス面は理想には程遠く。

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 更には、生地から漏れ出たジャムがパンの底に浸み出している始末でした。

 とりあえず、今回の成果としては成形・型詰めのし易さの点で得るものがあったものの、巻き数を増やしてクラスト部分にはやや厚めの生地がロールされていないと…。

 次回へ続きますね、やっぱり…。

 

 

ホールセールのパン ~ 山崎製パン スィートブレッド

おもしろいパンを見つけました

 実は、中国に出張の際、安い山形食パンが最近になって発売されている、という情報があって、中国No.1メーカーの桃李という製パン会社の製品を先月の出張の際に探していました。

 それで帰国後、ふと近くのスーパーマーケットのパンコーナーを見ていると、…なんと山崎製パンから同様の商品が販売されているではありませんか!

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 早速、購入してみました。

 この日本の山形食パンも98円(税抜き)と安いです。

 このタイミングですので、どちらの製品が先に上市したか、まだ調べていない私には分からないのですが、同じタイミングで同スペックの商品が市場に出る確率も低いでしょうから、おそらくどちらか先に出した方の情報で類似商品を市場に出した、ということなのでしょうか。

 もし、そうだとしても情報の拡散するスピードには目を見張るものがあります。

 さて、このスィートブレッドですが、商品の重量表示は4/5斤(1斤は、340g以上)とあります。

 重量のイメージとしましては、同社の代表的な商品:ダブルソフトと型生地比容積は同じにして、長さ(1.5斤サイズ)を通常の1斤サイズの長さに変えた感じです。

 ですから、一般的な山形食パンのサイズと比較しますと、高さが低く、角形食パンより少し高い程度となっています。

 物流面で見てみますと、これなら角形食パンと同様の搬送が可能かもしれません。

 ここ最近、ホールセールの製品でなかなかインパクトのある特徴を持った商品にお目に掛れないと嘆いていましたが、そんな中でもやはりトップメーカーは以前にご紹介しました『生食パン感覚』の食パン等、トレンドを捉えた商品をマーケットに提供してくれています。

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 さて、価格を抑えた、この食パンをもう少し見てみましょう。

 上部の山の形状を見てみますと、一般的な玉生地成形ではないような…、山の数が多く、間隔が狭すぎます。

 山の数は、4つ山のように見えますが、もしかしましたら3つ山かもしれません。

 製品重量が 4/5斤ということは、一般的には安全係数を1.1程度見て、焼減率が11%としますと、3斤サイズの食型を使用した時の生地重量は、340g×(4/5)/(1-0.11)×1.1 = 336g 、となります。

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 4つ玉なら84g×4、3つ玉なら112g×3、となりますが、成形方法は中間発酵後、ガス抜き、ロール成形して、そのまま型詰め、のように見えます。

 それであれば、多少の人手は掛かっても、特別な成形機も必要とせずにラインに載せることが可能かと考えられます。

 そして、型詰め・最終発酵後にはウォータースプリッターで縦にカッティングを入れれば、この写真のような製品を作ることはできるかと。

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 ちなみに内相も角形食パンに近いものを感じます。

 少なくとも山形食パンやダブルソフトのような大きな気泡ではなく、角形食パンのような細やかな気泡が印象的です。

 私の勝手な推測ですが、生産ラインをうまく回して製造しているとすれば、さすがは山崎製パン、と頷ける商品との感想です。

チャレンジに失敗はつきもの ~ 混ぜ込み食パン(ブルーベリージャム編)

混ぜ込み食パンの作り方を独自に考えてみる

 既に一般的なパンの作り方は覚えてしまっていますものの、時として(できれば)真っ新の状態から自分で考えたパンの作り方を突き詰めていきたい、などと考えてしまいます。

 今回、妻の実家から自家製のブルーベリージャムを送ってもらいましたことから、混ぜ込み(?巻き込み)の食パンを作ってみたいと思います。

 ちなみに大手製パン工場の連続製パンラインでは、このような製品をあまり手掛けてはいませんので、できればライン生産を視野に入れた製造方法につながれば、とも思ってしまいます。

 もちろん、焼成時の熱量計測に係るデータ収集には、このような製品を製造することはまずありませんので、今回は興味の部分も多分に含まれている、と。

 ところで、今回の試作にはもう一つの理由が。

 それは予てより、試作した食パンの形状が不安定で、少しでも安定した成形方法はないものかと苦慮していたことにあります。

 モルダーを揃えればほぼ解決する問題なのですが、諸事情もあり、作業方法で対応できないかと考えている次第です。

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 今回は、ロール成形後の生地長さを90㎜程度に抑えなければなりませんので、できるだけ長く生地を伸ばさなければなりません。

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 手作業だからこその操作なのですが、玉生地からの圧延では上図の状態に留まります。

 結果的には長さは足りませんでしたので、次回の試作では別の方法を試してみる予定です。

 そして、この状態で混ぜ込みのブルーベリージャムを塗るのですが…。

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 あまり深く考えず、比較的均等にジャムを塗ってしまいましたのが、結果的には失敗につながってしまいました。

 ロール成形した際の外周1周分はジャムが入らないようにしないと、外周部の生地が潰されてしまいます。

 今回は、8玉中2玉にジャムを塗って、成形・型詰めを行いました。

 型詰めの状態は、山崎製パンのダブルソフトと同様の方法で、それを8玉で成形しています。

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 けっこう窮屈な状態ですが、なんとか型詰めできました。

 そして、最終発酵45分後の状態がこちらになりますが、ブルーベリージャムを混ぜ込んだ生地の部分が少々変形しているような…。

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 ホイロゲージは型下15㎜で、焼成に移ります。

 型温度の設定を38度から140℃へ変更して、35分焼成します。

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 生地部分の形状はほぼ想定通りながら、ジャムを混ぜ込んだ部分の形状がやや不規則な状態になっています。

 冷却後にスライスして断面を見てみますと、巻き数は少なく、外周部は薄皮状態です。

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 誰に教えてもらった訳でもない、初めての混ぜ込み食パンですが、無残な結果となってしまいました。

 ただし、収穫がなかった訳ではありません。

 混ぜ物を入れない生地部分では外観・内相共に良好でしたので、今後の試作・実験では、この成形方法で進めていきたいと考えています。

 それに、混ぜ込み食パンも次の手はしっかりと考えていますし。

試食

 ところで、焼き上げた食パンを自宅に持ち帰って、早速食べてみることに。

 手前味噌で申し訳ありませんが、これがなかなかおいしい!

 元の冷凍生地の品質が良かったからと思われるかもしれませんが、作り方次第ではおいしくない場合も過去にはありましたので、製造条件もそれなりに良かったのかと。

 今さらですが、研究の仕事にも楽しみは必要ですね。(実感!)