黒猫サンタさんのパン作りブログ

プロのベーカリーと製パン企業のみなさまへ

ブロガーバトン! いただきました。

 スーパーサイヤじいさんからご指名を頂きました、サンタです。

 

 ブロガーバトンですが、あちらこちらで目にする機会がこれだけ多くなってきますと、もしかしていずれは・・・、と思い始めた矢先のコールでした。

 

【 目次 】

 

テンプレート

 とりあえず、頂きましたテンプレートの項目に記入しました。

 

ブロガーバトン

 

 と、このような感じですが、これだけですと意味不明のところも多々あると思いますので、以下に補足を追記しますね。

 

テンプレートの補足

名前

 個人事業をしているのですが、その屋号にも使用しています。

 

画像

 昨年、上海で行われた製パン製菓の展示会(BAKERY CHINA 2019)に参加しました折に撮影しましたものです。(今年は、新型コロナの影響で不参加となってしまいました・・・残念!)

 

年齢

 来年から年金がもらえる年齢ですが、おそらく受給は一般的な5年くらい繰り下げすると思います。

 

 もう少し頑張って働きます。

 

ブログ歴と総記事数

 新型コロナで時間ができたおかげで、今年の3月頃から少し力を入れるようになりました。

 

 ここ数ヶ月は記事の構成や内容にも、手を加えられるようになってきましたね。

 

 ただ、以前の記事を今見てみますと、今以上に自分目線の記述が多くて・・・、それで、順次下書きに戻しながら、リライトしています。(最近、アップしています冷凍生地製パン法シリーズもリライトして挙げている記事です)

 

更新

 新型コロナが落ち着いて、仕事に手を付けるようになると2~3日毎が限界ですね。

 

ブログのジャンル

 パン・和菓子・洋菓子の作り方、といってもレシピというよりは加工のメカニズムが主で、そこから製パン製菓の機械設備に話が飛んでしまいます。

 

 そのような訳で、面倒な表現も多々あろうかと思いますが、お付き合いの程、よろしくお願い致します。

 

 ただ、市場調査もすごく大事ですので、リテイルベーカリーからホールセールのパンまで気になったものはできるだけチェックしてリポートしています。

 

ブログを始めたきっかけ

 とりあえずは、企業に在籍中に培った技術をまとめておこう、と始めたのですが、ここ最近、多くの皆さんに読んで頂けるようになって、どのようなことを発信すべきかを勉強させて頂いています。

 

 みなさんには、本当に感謝しています。

 

 それと・・・、

 

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 実は、今年の2月までモバゲーの『魔法使いと黒猫のウィズ PC版』に嵌まっていたのですが、サービス終了となり、ここで遊んでいました時間をブログに使うようになった背景もあります。(携帯版の方は、今でもプレイできるようです。私は、やっていませんが。)

 

 ブログタイトルの黒猫はここから引っ張っています。(ちなみに、このゲーム内のハンドルネームもサンタでした!)

 

今後のこのブログの野望

 手作りのミキサー、手作りの発酵装置、手作りのオーブン、手作りの冷却装置・・・等々を使って、この装置がないと作れないパンを作って、結果をアップしてみたいですね。(ちょっとした夢です。)

 

ひとこと

 右も左も分からずにブログを始めて、初めの頃は誰にも読んでもらえなかったのが、今では・・・。

 

 今一度気合を入れて、もっと自分で作った装置やパンの記事を書かなければ、ですね。

 

一番古い記事

 初めの頃に書いていました記事は下書きに戻してしまいましたので、この記事ではないのですが、とりあえず。

 

www.santa-baking.work

 

お気に入りの記事

 ひょんなことから、一般的な規格(比容積:3.8~4.0)から外れたパンを焼くことになってしまいました。(って、勝手に自分が焼いているだけなのですが・・・)

 

www.santa-baking.work

 

 お気に入りというよりは、失敗続きのチャレンジの履歴です。

 

 そして、比容積が3.75程度と推測されていて、今作ろうとしている食パンとは真逆の性質の商品なのですが、それが以前にご紹介しました『ぱんみみ』の食パンです。

 

www.santa-baking.work

 

 とてもよく考えられている食パンで、このおいしさ(食味・食感・外観品質・内相)は多くの高級食パンを紹介してきました中でも個人的にはTOP5に入る商品です(近々、ぱんみみのプレミアム食パンをリポートする予定です)。

 

このバトンは・・・

 せっかく繋いで頂いていて本当に申し訳ないのですが、私が受け取りましたバトンはここに置かせておいて頂ければと思います。

 

 これは個人的な感覚ですので人それぞれと思うのですが、なんとなく差し出がましい気もしておりまして・・・。

 

 ご容赦の程、何卒、よろしくお願い申し上げます。m(__)m

 

街のパン屋さん ~ ねこねこファクトリー(オールハーツ・カンパニー)へ行ってきました

 以前にねこねこ食パンの紹介をしましたが、その進化系とも言えますベーカリー&スイーツ専門店『ねこねこファクトリー』が、今年の5月22日愛知県東浦町にオープンしました。

 

www.santa-baking.work

 

 話題の高級食パン『ねこねこ食パン』はもちろんのこと、猫型のチーズケーキやバターサンド等も取り揃えるファクトリーを訪ねてきましたので、リポートします。

 

【 目次 】

 

ねこねこファクトリー

 実を言いますとねこねこファクトリーの件を知りましたのは、地元TVの土曜日の番組で紹介されているのを見て、でした。

 
 朝の番組ではあったのですが、その日は既にオープンの時間を周っていましたし、放送当日の直後では混雑必死との心配もあって、翌日曜日のオープンの時間を狙って行くことに。

 

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 開店はAM9:00ですので、少々気合を入れてAM7:50頃に自宅を出発します。

 

 名古屋第二環状自動車道を通って車を走らせるのですが、立地場所としては車がないと少し行き難い場所でしょうか。(初めての道では、カーナビのありがたさをしみじみ感じます)

 

 それでもなんとかお店に到着して、駐車場で車を降り、ねこねこファクトリーの入口へと向かいますと、開店15分前の到着時には、既に入口には行列ができています。(写真は、買い物後に撮っています)

 

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 この店舗は元々アンティークとして開いていたものを改装したそうです。

 

 そして入口の立て看板には、ねこねこモーニング380円の案内も・・・、結構良心的なお値段。

 

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 そして、入口にあります扉の丸い窓、お分かりになりますでしょうか。

 

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 そう、しっかりとネコの顔がデザインされているんです。(最初、私は見落としていて、家族から教えてもらいました)

 

店内へ

 入口を入ってすぐの棚には、ねこねこ食パン、パイ、バターサンド等が、所狭しと並んでいます。

 

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 ねこねこ食パンのおいし食べ方も記載されていて『当日はそのまま生で、翌日以降はこんがりとトースト』だそうです。

 

 店内の混雑ぶりは途切れることがなかったです。(店内の入場制限はしていないようですので、お店の外で待っているお客さんはいませんでした)

 

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 奥側の棚には、定番商品の天使のチョコリングを始め、他のベーカリー商品が並んでいました。

 

 タイミングが良ければ、作っている(焼いている)ところも見られたのかもしれません。

 

 それにしても、奥にコンベクションオーブンが2台と手前に、おそらく4枚差し3段と6枚差し3段のサイズのデッキオーブン、そしてもう1台が並んでいる様は圧巻です。

 

 リテイルベーカリーでも、かなりの大型店でない限り、これだけの焼成能力の機器を揃えている事はないと思います。

 

 トレーにいっぱいのねこねこ食パンやパイ、バターサンドを載せて、レジの列に並び、ねこねこチーズケーキはここで注文します。

 

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ねこねこモーニング

 今回は、せっかくの機会でしたので、モーニング(410円 税込)を頂いて少し落ち着いて店内を散策することにしました。(モーニングの代金も、買い物の品物と同時にレジで支払いを済ませます)

 

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 イートインコーナーは、椅子の席とソファーの席があって、私達は迷うことなくソファの席へ。

 

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 番号で呼ばれて出てきましたのは、ねこねこ食パン(チーズ)のトーストにゆで卵とアイスコーヒーのセットです。

 

 トーストにはバターが浸みこみ易くなるよう切れ目が入れてあります。

 
 すみません、アイスコーヒーを飲み終えてから気付きました。

 

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 カップには、ねこねこファクトリーのデザインが施されていたのですね。

 

グッズコーナー

 グッズコーナーも設置されています。

 

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 ジャムやカップ、容器等はそれなりに納得しながら覗いていましたが、下の段にはねこねこファクトリーのTシャツまで販売されていました、ここってテーマパーク?

 

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 冷凍のショーケース内には、冷凍生地も販売されていました。

 

 チョコパイ、レモンチーズクリームパイ、クロワッサンの他、人気商品のチョコリング(2個入り 990円 税込)も並んでいます。

 

 自宅での作り方もちゃんと記載された説明書付きです。

 

購入した品々

 今回購入しました品物は、以下の通り。

ねこねこ食パン

 (左上から)ほうじ茶、(右へ行って)チョコ、(下段)チーズとあずきの4枚です。

 

ねこねこ食パン

 

 価格はすべて205円(1枚 税込)ですので、4/6斤で820円となり、けっこう強気の価格設定です。(それでも、この食パンが飛ぶように売れていくのですよね~)

 

 北海道産小麦にハチミツ、生クリーム、バターを使用して、水は一切使わずに牛乳で仕込んだ生地は、最近のトレンドにありますやや甘めの食味でソフトな食感なのですが、焼成後のスライス方向が横のため、どうしても弾力を感じることは少ない気がします。

 

ねこねこバターサンド

 こちらは、ネコ型のバターサンドです。

 

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 上段左から、ラムレーズン、ストロベリー&クランベリー、ビターカカオ、下段左から、カシス、抹茶&黒豆、ジャンドゥーヤ&マカダミアナッツ、の6品種です。(価格は、すべて216円 税込)

 

 写真では分かり難いかもですが、厚みがあって生地とサンドされているフィリングのどちらも存在感は十分です。

 

ねこねこチーズパイ ブルーベリー(356円 税込み)

 層を折り込んだシート生地をネコの形にくり抜いて焼き上げた商品です。

 

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 ただ、今になってフィリングのチーズクリームが透けて見えていることに気が付き、もっとよく調べておけばよかったと、・・・これは再度調査でしょうか。

 

ねこねこチーズケーキ

 ねこねこファクトリーの人気商品のひとつ、ねこねこチーズケーキ(1944円 税込)です。

 

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 今回購入した商品の中で、このチーズケーキだけは要冷蔵です。

 

 濃厚チーズが効いていて、おいしく頂きました。(ありきたりな感想で、ごめんなさい)

 

お店を出る間際に

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 帰り際、いろいろと様変わりします、電子パネルに目が行ってしまい、しばらく立ち止まって眺めていました。

 

 そこで家族がホットサンドの存在を知って、今度はこれを食べてみたいそうです。(ドライブ第2弾?)

 

『おいしいパン』の為、冷凍パン生地の解凍方法を科学する ~ 冷凍生地製パン法⑤

 これまで、冷凍生地製パン法(生地玉、成形冷凍)の冷凍と保存の条件に付いて解説してきましたが、今回は解凍の条件に付いてです。

 

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 ところで、冷凍生地の解凍は多くのケースで、生地を作った人と別の人が行います。

 

 つまり、様々な多くの作り手が生地解凍後の工程で携わる環境の中で、ポイントを押さえて確実に良好な製品に仕上げられるための解凍条件が求められます。

 

【 目次 】

 

冷凍生地製パン法の工程

 先述にもありますように、冷凍生地製パン法では一般的なストレート法の工程中、丸目、もしくは成形まで進んだパン生地を一旦冷凍して、保存、解凍します。

 

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 解凍作業としては、冷凍庫から必要数のパン生地を取り出してトレーに並べ、乾燥しないようにカバーをして解凍庫に挿入するか、ラック置き(自然解凍)します。

 

パン生地解凍中の温度変化

 大まかなパン生地の温度は下図のような変化を辿りますが、私が最初に気になった点は『冷凍時の温度変化を上下に反転させたグラフ形状にはならない』といったことでした。

 

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 少し面倒な話ですみません、冷凍時には凍結温度にしばらく留まっていた後に凍結完了後ゆっくりと温度が低下していきますが、解凍時には凍結温度に留まることはなく、その温度にまで上昇したところで、直後、急激に温度上昇します。

 

コンピューターによる数値シミュレーション

 この傾向は、数値シミュレーションを行った結果からも見て取ることができます。

 

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 上のグラフは冷凍パン生地を解凍した時の生地温度の変化を実測値と共に計算結果を併記したものですが、計算の条件に凍結率を考慮しないと冷凍時と同様に凍結温度で温度変化が止まってしまいます。

 

(凍結率に関しては、保存条件に関する記事中で解説しています)

www.santa-baking.work

 

 ところが、ちゃんと凍結率を計算条件に加えたシミュレーション結果では、解凍の時間がずれてしまいましたものの、類似した傾向を求めることができました。(これで、幾等かは計算結果の信頼性が高められたのでは、と思います)

 

テスト条件

 実際に解凍条件の異なる冷凍生地を使って、パンを焼いてみます。

 

 使用しましたパン生地の凍結温度は-3.2℃で、解凍の条件としては、

① 3℃

② ‐3℃(14時間) ⇒ 3℃

③ ‐3.5℃(14時間) ⇒ 3℃

④ ‐5℃(14時間) ⇒ 3℃

の4テスト区で、外観形状、内相、梨肌、生地のガス保持率、等を比較します。

 

 結果は、③ < ④ < ②・① でした。

 

 結論として、凍結温度の少し低い温度帯で氷結晶の成長が進んでしまうと、やはりパンの生地構造が破壊されてしまうようです。 

 

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 これまでの生地では、シミュレーションによります生地内の温度分布等を示してきましたが、今回は『最大氷結晶生成帯(凍結温度とそこから-4℃の温度帯)の滞留時間の分布』のみに絞りました。

 

 改めまして上のグラフですが、①と④の条件のもので、④では長時間に渡って最大氷結晶生成帯に滞留していることが分かります。

 

 なお、グラフの形状としてはほとんど分布がない平面のようなグラフ形状で、見ていてもちょっとつまらないですね。

 

 凍結しているパン生地は、凍結前と比較して比熱が小さく、熱伝導率が高いことから、温度が変化し易くなっていることが理由と推測します。

 

まとめ

① 冷凍パン生地を解凍する際の適正な条件とは、解凍開始直後から凍結温度以上の温度で常時加温する。

 

といった、至ってシンプルで当たり前のような結論に落ち着きます。

 

 すべてのパン生地の凍結温度を調べた訳ではありませんが、食パンで‐3.2℃、油脂類の多いペーストリー系で‐5~‐6℃ですから、安全率を見込んで3℃で温度設定すればほぼどのような配合の生地であっても良好に解凍できると思います。

 

 なお、解凍時にも熱伝導率の高いトレーにパン生地を載せて作業することが有効であることは、冷凍時と同様です。

  

小麦の匠(パスコ)

 私が、テストでデータを取る時に主に使用しています冷凍パン生地は、パスコの『小麦の匠』という食パン用の冷凍生地です。

 

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 内容量は 48個/箱、標準重量は 150g/個で、価格は 2,700円/箱(税込 2,916円)です。(仮に8玉で3斤サイズの角形食パンがきれいに焼けたとして、1本分の冷凍生地代が450円、1斤で150円となりますね。)

 

 少し前までは、1箱でも配送してくれていましたが、最近は2箱以上となっています(送料が無料ですので、あまり贅沢は言えません)。

 

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(現在、成行き上、8玉使用で比容積:4.84の超軽い角形食パン作り(一般的には、3.8~4.0)にチャレンジしています。クーリング後に凹まない作り方を模索中。なお、けっして研究発表はしませんが・・・。)

 

 仕事場にはプログラム可能なドウコンディショナーのような機器は持ち合わせていませんので、解凍は室温解凍(2.5~3.0時間)で行い、生地温度が+10℃程度になったところで、再丸目を行います。

 

 再丸目後の工程は、[ねかし]⇒[成形]⇒[最終発酵]⇒[焼成]⇒[クーリング]で、再丸目~焼成終了までは3時間弱で進んでいきます。

 

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 クーリングには100分ほど掛かりますので、その間に温度・熱流束等の計測データをPCに移したり、家族へ『食パン焼けたよ~!』とLINEを送ったり(これ大事!)・・・。

 

続新型コロナウィルスに思う ~ 牛乳が余っている! こんな時には牛乳パン?

 少し記事を掲載するタイミングがずれてしまった感もあるのですが、新型コロナウィルスの影響で強力の小麦やバター等、パン作りの材料が品不足になる一方で、牛乳が余っているとのニュースが流れていました。

 

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 要因としては、学校給食で提供していた牛乳の供給がストップしたことによるものだそうです。

 

 だからと言って、このテーマを取り上げますのも非常に短絡的なのですが、今回は牛乳パンについてリポートしてみようと思っています。

 

【 目次 】

 

 以前にねこねこ食パンについて解説しました際に、この商品も仕込む際に水は一切使用せず、牛乳と生クリームで仕上げている旨を記載しました。

 

www.santa-baking.work

 

 牛乳や生クリームを使用する際の配合を検討する場合、吸水の換算としては、

・牛乳  ・・・ 水分:88%、  固形分:12%

・生クリーム・・・水分:53~65%、固形分:35~47%

と、概ねこのような値となります。

 

 パンに牛乳特有の風味・食味を出すには、吸水の全量を置き換えることを勧めている文献が多いです。

 

牛乳パン

 長野県民が愛するソウルフードとも謳われていますのが、牛乳パンです。

 

 生地にはその名の通り牛乳が使われ、サンドされているクリームはミルククリームが使用されているようです。

 

 牛乳パンを調べてみますと、大正11年創業の小松パン店の牛乳パンが発祥だとか。

 

 50年以上も地元の松本市で愛されている老舗のパン屋さんだそうです。

 

 こちらの牛乳パンは非常にクリームがたっぷりサンドされていて、かなりボリューミーです。

 

 実は、そのようなルーツは全く知らず、私的にはこれまで名前が売れているローカルなパンといった程度の印象しか持っていませんでした。

 

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太養パン店の牛乳パン

 以前に、中央自動車道を通って愛知へ戻ってくる途中に立ち寄りました諏訪湖SAで、ふと食べたくなって何気なしに購入したのが、下写真三角カットの牛乳パンです。

 

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 ここには、太養パン店というパン屋さんが牛乳パンを出していました。

 

 実はこのパン屋さん、上諏訪駅近くで1916年創業していて、100年以上も営業してる老舗のお店のようです。

 

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 原材料表示には、小麦粉、バタークリーム、砂糖、粉乳、たまご、マーガリン、塩、イーストとあります。

 

 とてもシンプルで、最近はパン酵母と表示されていますケースが多い中、イーストとの表示です。

 

 パンの特徴はなんと言ってもふわふわの生地の食感にあります。

 

 それはパンを手で持った時点から感じられるもので、食べた時にもそのふわふわ感を再認識するものです。(今回は、ソフトといった言葉は使わず、あえてふわふわといった表現にさせて頂きました。この商品の食感は、ふわふわの方がぴったりくるので。)

 

パスコの牛乳パン

 牛乳パンは、今や随分知名度も上がり、長野県以外でも購入することができるようになってきました。

 

 大手製パンメーカーのパスコでは、長野県松本市の関連子会社信州シキシマの工場で牛乳パンを製造し、パスコの販売ルートを使って配送しています。

 

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 こちらの商品は、使用している牛乳にも地元の信州牛乳にこだわって製造されています。

 

 私の自宅近くのスーパーでは、定番商品として常時棚に並んでいる状態にありますし、季節限定で和栗クリームとか、その時々にバラエティに富んだラインナップを揃えてきます。

 

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 こちらの外観形状は、三角カットされた太養パン店の牛乳パンとは異なって、長めの長方形の形にカットされています。(やはり、ホールセール(卸し)の場合は搬送の効率等を考慮されているのでしょう)

 

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 内相を見てみますと、こちらもやや大きめの気泡で空隙率が高いように見られます。

 

  ところで、個人的に感心していますのは、比較的どこのメーカーの牛乳パンも味や食感は揃っていて、外れがないことです。

 

 長野県から発信されました牛乳パンは、至る地方で定番製品として普通に売られていて、これは他府県でも人気になっている証拠なのでは、と判断しています。

 

サンタの豆知識

 改めまして牛乳パンの特長は、なんといってもそのふわふわな食感でしょう。

 

 製造工程では、成形時に型というよりは少し深さのある平天板を使って、ロール生地もしくは玉生地を並べ、天板1枚大のパンを焼き上げます。

 

 そしてクーリングを取った後に、例えれば角餅をカットするがごとく、1個のサイズに切っていきます。

 

 ところが、想像以上にこのカットの工程が大変で、とてもふかふかな生地故に、特にミルククリームをサンドする際の横方向のカットはなかなか難しい。

 

 そこは、それぞれのパン屋さんがきっと工夫を凝らしているんでしょうね。

 

 もっとも、それだけソフトな生地だからこその特長的な食感が、これまで多くの長野県民に愛され続けてきた故かと思いますので、苦労した分だけ愛着も沸くというものではないでしょうか。

 

 シンプルなんですけど、飽きがこず、癖になりそうなパン:牛乳パンのリポートでした。

 

パン生地の冷凍保存方法を科学する ~ 冷凍生地製パン法④

 まだ、ブログを始めて間もない頃、本当に拙(つたな)い内容ながら当時はそれでも頑張ってまとめていました冷凍生地製パン法について、今回、改めて刷新しています。

 

 この製パン法が脚光を浴びてから、既に40年ほどの時間が経ちますものの、未だに未解決の課題も残っています。

 

 今後の発展につながると信じて、今回は製造条件の中でも比較的地味な冷凍パン生地の保存条件(物流を含む)に付いてまとめることにしました。

 

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【 目次 】

 

冷凍保存での適正条件って何?

 冷凍パン生地を取り扱います際に、冷凍や解凍の工程は操作が入りますので、留意点が色々と出てくるイメージがありますが、保存工程は冷凍されていればいいんじゃないの程度と思われがちです。

 

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 冷凍でも、保存でも、解凍でも、目的はパン生地中の氷結晶を成長させない、パン酵母を失活させないといった条件は同様です。

 

 しかしながら、現実問題として冷凍庫の扉の開閉や物流段階での冷凍庫⇔搬送車の積み換え等、一定の温度で生地を保存することはまず不可能ですので、やはり気を付けるべき点はしっかりと押さえておく必要があります。

 

それでは問題です 

 下の図に示されています①~④の4つの冷凍保存条件の内、最も適正な保存条件はどれでしょう?

 

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 仮定としまして、すべてのテスト区で常時凍結温度以下には保たれています、①②は酵母の失活温度以上、③はその温度を跨いでおり、④はその温度を下回っています。

 

 そして、変動する温度幅はどのテスト区も同等とします。

 

解答

 あえて、この中で最適な条件を選ぶのであれば、答えは②の条件です

 

 解説をしますと、氷結晶の成長の観点から見ますと④がベストですが、④はパン酵母の失活温度を下回っていますので、コンボへの障害が生じます為、良好な条件とは言えません。

 

 そして、③の条件は最悪です。

 

 パン酵母は失活温度以下で障害を受けると説明しましたが、障害は失活温度を下回るという操作で発生しますので、これを繰り返されることで障害の程度は悪化します。

 

 ①②はパン酵母の失活温度に至っていませんので、酵母への障害は免れますが、①は温度が高いことで同じ温度幅の変動でも、氷結晶の成長が早くなります。

 

 どうして、同じ温度幅なのに高い温度の方が氷結晶の成長が早くなるのでしょう。

 

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 これは、凍結温度が -3.15℃の冷凍パン生地に関して、凍結率(物質中の液体が固体に凝固している割合)を示したものです。(グラフでは、点線のハイスの式を参考にして下さい。コンピューターシミュレーションの入力値に使用しました値も載せていますが、後日の解凍条件で説明しますので、今回はスルーして下さい)

 

 -10℃では70%弱、-20℃では82%程度の凍結率となっていることが分かります。(ちなみに、マグロ等の遠洋漁業で使用されている冷凍庫の温度が-50℃というのは、凍結率がほぼ100%に近い事から設定されています。一方、某電気家電メーカーの冷凍冷蔵庫で『切れちゃう冷凍』といった謳い文句の機能がありますが、これは-10℃以上で凍結率を下げて包丁を入れやすくした結果です)

 

 つまり、同じ温度の変動幅であったとしても解凍される氷の量は-20℃より-10℃の方が大きいことから、氷結晶の成長を促す結果となってしまいます。

 

 この数値を基に、氷結晶が成長していくメカニズムを解説しますと、次のモデル図のようになります。

 

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 大小さまざまなサイズの氷結晶が混じっている状態でパン生地の温度が上がりますと、どの氷結晶に対しましても解凍が進みますが、小さなサイズの氷結晶は持っている熱容量自体も小さいので、解凍は進み易く、さらに進みますと結晶自体が消失してしまいます。

 

 そして、次に温度が下がった場合、残っています氷結晶は同様に成長しますので、焼失した氷結晶分だけ残った氷結晶は大きく成長することになります。

 

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 追記ですが、今回のテスト区を無視して最適な冷凍保存条件を同じ温度変動幅の条件で示しますと、上グラフの紫色ののようなラインとなります。()

 

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 なお、そんなに心配するほどパン生地の温度が変動するの?、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、少し物理的な数値を以下に示します。

 

・パン生地の比熱 : 冷凍前 ⇒ 冷凍後 1/2~1/3に低下します。

・パン生地の熱伝導率 : 冷凍前 ⇒冷凍後 2~3倍に上昇します。

 

 つまり、水分を含みます大方の物質は同様の傾向を示しますが、パン生地を凍らせますと、凍る前と比較して『熱の影響を2~3倍受け易く、熱の伝わりも2~3倍速くなる』ということになります。

 

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(イメージです) 

 

 重宝されている冷凍パン生地ですが、守るべき注意点は確実に押さえて使用して頂きたいと思います。

 

まとめ

1.冷凍パン生地の一部は、常に解凍されている。

2.パン生地は冷凍状態にあると、熱の影響を受け易くなる。

3.生地温度の変動があった場合、低い温度帯の方が障害は少ない。

4.ただし、パン酵母の失活温度を跨いだ温度変動は著しくパン酵母へ障害を与える。

5.冷凍耐性のあるパン酵母であれば一般的な冷凍庫での保存に大きな問題はないが、失活温度が高い場合には保存温度も酵母に合わせて高めに設定する必要がある。