黒猫サンタさんのパン作りブログ

プロのベーカリーと製パン企業のみなさまへ

焼く

パンシンポジウムを終えて

先の記事でお知らせさせて頂きましたパンシンポジウム2021が、3月7日無事に終了しました。 www.santa-baking.work 私もなんとか講演を終えましたが、今回はそのリポートです。 【 目次 】 パンシンポジウム2021 プログラム 特別講演1 これはおいしい”ごはん…

リベイク・山崎製パン ~ オーブンの熱源とトースターの熱源

前回の記事でフジパンの商品『おうちで焼きたて CRAFT BAKERY』のシリーズを紹介しました。 www.santa-baking.work ところで、消費者サイドの操作は同様ながら、おうちで焼きたてシリーズとは志向の異なる商品がスーパーのパンコーナーの棚で目立つようにな…

石床窯オーブン ~ Le Sixieme Sens (ル シズィエム サンス)

過日にぱぴ・ぱんへ行きました折、実はその後にもう1件のベーカリーへ足を運びました。 www.santa-baking.work そのベーカリーがLe Sixieme Sens (ル シズィエム サンス)で、オーブンは同じく石床窯オーブンを使用しています。 今回は、石床窯オーブンを扱っ…

石窯オーブンの上火の効果 ~ Papi Pain(ぱぴ・ぱん)後編

前回の記事に引き続き、今回もBoulangerie Papi-Pain(ぱぴ・ぱん)をリポートします、後編です。 そして、石窯オーブンの上火の効果についても解説していきます。 【 目次 】 石窯オーブンの上火の効果 改めて、ぱぴ・ぱん 洋梨とカシスのデニッシュ(280円 税…

大丈夫! なんとかなる‼ Papi-Pain(ぱぴ・ぱん)前編 ~ 石窯オーブン

今回、紹介しますPapi-Pain(ぱぴ・ぱん)は、私がリピートしています anopan のご夫妻が修業を積まれたお店とのことで、そのようなご縁で今回お邪魔することにしました。 www.santa-baking.work ぱぴ・ぱんは、食べログ パン EAST 百名店 2020にて、初選出34…

フライ油が劣化するメカニズム ~ 北海道物産展の男爵カレーパン・プルマンベーカリー

私の家族はデパートなどでの物産展、とりわけ北海道物産展となりますと、テンションが高めのようです。 以前に北海道物産展が名古屋で開催されました折、家族が買ってきてくれましたプルマンベーカリー(北海道)の食パンの記事を上げてから、既に1年以上たっ…

連続式フライヤーの搬送構造 ~ ミスタードーナツ・さつまいもド

ミスタードーナツから、9月4日(金)、同時にふたつのシリーズで新商品が発売されました。 ひとつはハロウィンのお化けをモデルにした おうち de MISDO HALLOWEEN で、先日にリポート記事を上げました。(その節は、発売日を間違えてしまい申し訳ありませんで…

ドーナツフライヤーの加熱構造 ~ ミスタードーナツ・おうち de MISDO HALLOWEEN

ミスタードーナツで秋の味覚さつまいものシリーズが始まったと少し前に聞いていたのですが、なかなか足を運ぶことができず、前回のもちシリーズに続いて、やっとお店に着いたと思いきや・・・。 www.santa-baking.work まだ、お芋シリーズは販売されていたの…

直焼きパンのメカニズム ~ ロイヤルホスト・オニオングラタンスープのハード系のパン

直焼きパンは、その名の通り、パン生地を直にオーブンの炉床に置いて焼成します。 天板焼きのパンとの焼き方は、どのように違ってきて、どのような特徴のパンに仕上がっていくのでしょうか。 先日の東京出張の際、宿泊しましたホテルの朝食を1Fのロイヤル…

おいしくパンを焼く技術 ~ オーブンの下火・伝導

パンの焼成工程でほぼ共通して必要とされるのが、焼成初期の強い下火(生地底面からの加熱)と言われています。 パンを焼く時の下火で生地へ伝わる熱の形態は伝導しか考えられませんが、オーブンの選定や使い方でその熱量は大きく異なってきます。 今回は、オ…

おいしくパンを焼く技術 ~ オーブンの上火・輻射と対流

パンは焼く工程を経ることで、その製品品質の大部分を確定させます。 それ故、パンにとって焼成という工程は最重要な工程のひとつと言えます。 焼くという操作には、装置や設定といったいろいろな面からの解説が必要になってくるのですが、シリーズで解説し…

続トーストしてパンをおいしく食べるには! ~ バルミューダ・蒸気編

前回の記事ではトースターのヒーターに着目して、良好なトーストの条件を探ってきました。 ところで、現在のトースター市場を2分するもうひとつの人気トースターがBALMUDA The Toaster(以下バルミューダ)です。 高価格帯(22,900円 税別)ながら圧倒的な支持を…

トーストしてパンをおいしく食べるには! ~ ヒーター編・アラジン

私は選択定年退職するまでの30年間大手製パン企業で製品開発業務(と言っても機械屋さん目線です)に携わってきましたが、そこではパンの作り方だけではなく、パンの食べ方についてもいろいろと調査・検討してきました。 最近は食パンをそのまま生で食べるシー…

どら焼きはインターナショナル! ~ その焼き方について

実はインターナショナルなどら焼き 今回は小麦粉生地でも流動性の高いバッター生地の製品に ついて、解説します。 さっそくですが、日本の代表的なお菓子のひとつに どら焼きが挙げられます。 近年では、カスタードやチョコクリームを挟んだ商品も 出てきま…

オーブンキックと焼き縮み : 珍しいものが見られますよ~!

焼いている最中にパン生地は伸びて、そして縮みます! パン生地の発酵を取って窯入れしますと、オーブンキックで生地は膨張してボリュームアップします。 パンを膨張させる、作用するこのような一般的な力を工学的には推進力(Driving Force : ドライヴィン…

これがなかなか難しい…パンを焼きながら同時に水分蒸発量を量る!

木箱のオーブン再び? 突然ですが、好みの食感のクラストってありますか、そしてパンのクラストはどうやってできていくのかご存知ですか。 先日は、角形食パンが焼けていく過程で周辺の生地が圧縮されていくことを解説しましたが、この他に『乾燥して』『焼…

蒸気を使ってパンを焼く

蒸気を使う意味とは? パンの焼成に蒸気を使用するケースは、さほど珍しいことではありません。 ハード系のパンには多くの製品で焼成の冒頭に蒸気を使用しますし、その使用量もフランスパンとドイツパンでは大きく異なってきます。 焼成の初期に蒸気を使用し…

角形食パンを焼いている時でも、パン生地は動いてる?

クラストは、どのようにしてできていくのか 『焼く工程でパン生地が動く』このテーマを掲げると、概ね『オーブンキックで生地が膨張するのだから』とご指摘を受けそうな気がします。 では、外形が確定している角形食パンの場合はどうでしょう。 ここで話題と…

リベンジ 寒い部屋でのパン作り

まだ、合格点には届かない… 先週の製パンで、何とも無残な結果に終わった初焼成でしたが、それを教訓に再チャレンジで製パンに挑みました(こうなってくると、データどうこうより、もはや意地ですね)。 とにかく、前回は寒い室温の影響で成形でのガス抜き・…

失敗から学ぶこと 無残…初焼きの食パン

今年最初に焼いた食パン 初焼きは少しオリジナリティを出そうと、これまでのテスト条件とは趣向を変えて、食パンを焼いてみましたが…。 結果は、大失敗! 要因も、今から考えますといろいろとあって、一度に重なるとこんな悲劇になると思い知らされた次第で…