実はインターナショナルなどら焼き
今回は小麦粉生地でも流動性の高いバッター生地の製品に
ついて、解説します。
さっそくですが、日本の代表的なお菓子のひとつに
どら焼きが挙げられます。
近年では、カスタードやチョコクリームを挟んだ商品も
出てきましたが、やはりベーシックなのは粒あんをサンド
したものではないでしょうか。
ところで、このどら焼きがヨーロッパでも人気を博して
いることをご存知でしょうか。
もちろん、欧州ではどら焼きではなく、パンケーキとして
販売されているようなのですが・・・。
これは、日本国内でのどら焼き焼成機のシェア90%以上を
占めていますマスダック社からお聞きしました話です。
同社がヨーロッパへどら焼き焼成機を売り込もうと、ある
展示会へ持ち込みました際、そこで焼成しましたパンケーキ
2枚でどら焼き風にジャムやクリームを挟んで提供したところ、
これが大好評となって非常に注目を集め、多くの引き合いが
あったとか。
パンケーキは、日本でも数年前からブームとなっており、特に
各店舗では、独自の特徴を出すべく、実にいろいろな工夫をされて
いるようです。
その中でも、目を見張るポイントと言えば、やはりパンケーキの
高さでは、と思ってしまいます。
さすがに、もうこの画像までの高さとなってきますと普通に金属
板上へ生地を流していただけでは、到底、成し得ない形状です。
専用型もしくはセルクルを使用しなければ、とてもじゃないですが、
無理ではないかと…。
そして、ホールセールのパンや菓子のメーカーでも、これほどの
高さまでは求めないにしろ、特徴的な(最近では映える)商品をライン
ナップに揃えたいという願望は、さぞかし強いと思います。
ところで、一般的などら焼きの連続生産ラインには上図のような
焼成機が導入されています。
加熱された銅板に生地がデポジットされ、主に接している銅板
からの伝導熱で生地は加熱されます。
生地温度は上昇に伴って粘性が下がって流れ易くなりますが、
デンプンの糊化温度に達することで流動性はなくなります。
つまり、製品の高さを出す = 製品の半径方向の大きさを絞る、
ということになり、それはいかに生地が流れない状態を作って
デポジットするか、いった課題となる訳です。(当然、型や
セルクルを使わずに、です)
連続的な生産ラインでは、なかなか細やかな手を加えることが
叶いませんので、制限された条件の中で各メーカーが工夫を凝ら
しています。
上図は、生地を反転させているところです。
片側の面が焼成された生地をすくい取って一枚先の銅板へ移し
替えています。
ちなみに、反転させる前にはシュバンクヒーターで生地上面を
加熱しています。
えっ、ここで加熱する意味ですか? ・・・そりゃ、ありますよ・・・。
さて、簡単に生地への熱の伝わり方を解説します。
生地温度は、ほぼ加熱源である銅板が持っている熱量のみで
上昇しますので、生地は銅板の温度以上へは決して上昇することが
ありません。
焼成開始直後の急激な加熱と、その後の緩やかな熱移動で、
さてさて、あなたならどのような焼き方を考えますか?
その後のお雛様
一生懸命に飾り付けをしました雛人形ですが、昨日に無事
お務めを果たして頂けました。(3月4日 AM0:00頃)
次の週末には、ちゃんとお片付けをして、来年もまた
よろしくお願い致します。
ツイッター初心者です。使い方は、これから勉強します。