久し振りにパンを焼いてみました。
私がパンを焼く時というのは、大体が研究発表の申込締切りが迫っていて、慌ててデータ取り目的の場合が多いのですが、今回は少し事情が違っていて、ちょっと変なパンをちゃんと焼きたいということでトライしています。
【 目次 】
140-145-130℃の食パン
いきなり、なに言ってんだ! ですよね。
私が角形食パンを焼くテスト装置は、食型の6面を個別に温度コントロールできますので、上面:140℃-側面と端面:145℃ー底面:130℃、といった温度設定が可能です。
ところで、パンを焼成する一般的なオーブンというのは、上火用と下火用にガスバーナーや電気ヒーターといった熱源があって、食パンの底面はまず間違いなくクラストが最も厚い、あまり好まれない箇所になってしまいます。
つまり、底面の温度設定:130℃は、底面のクラストをソフトにして食べ易い食感にしようというのが目的です。(ちなみに、側面の145℃は一般的な温度です)
型生地比容積:4.84の食パン
これも気付いたのが、つい最近だったのですが、これまで私がテストデータを取っていました食パンの型生地比容積が 4.84 ととんでもなく高い数値だった(生地重量が少な過ぎる)、ということに端を発します。(一般的な型生地比容積は、3.8~4.0)
ちゃんと計算しなかった私もいけなかったのですが、使用しています冷凍生地のレシピに『2斤型で(150gの生地玉を)5玉使用』の記載があり、それを私の使用している3斤型に当て嵌めて、5玉×1.5 = 7.5玉 < 8玉としてテストを続けてきました。
ところが、実は元のレシピの型がホテル型と呼ばれる食型で2斤よりも小さなサイズだったとのこと。
どおりで、いつも食型からパンを外すと随分縮んでしまうなぁ、と思いつつ、当時は測定用のセンサーを外したりするのに手間取っているから、と自分を納得させていました。
ただ、この軽い食パンが(形は悪いのですが)家族には大好評で、テストデータは計画的に取るようにきつく言い渡されていました。(以前、まとめて焼いた時に余った食パンを処分したことがあって、めちゃめちゃ怒られました (T_T) )
成形
さて、そこで形の悪い食パンをなんとか外観品質の良いパンに仕上げることができないか、リベンジです。
成形は、単に縦長の伸ばすのではなく、一度伸ばした生地の両端を内側に折って、繋ぎ目を閉じます。(はぁ~、モルダーがあればなぁ・・・)
そして、その生地を再度縦方向に伸ばしてからロール成形します。
成形後の生地は、こんな感じですね。
食型に8玉型詰めした状態です。
ここに霧吹きをしてラップを掛け、型温度を38℃に設定すれば、発酵機として使用できます。
最終発酵~焼成
最終発酵の時間は、やや長めで65分掛かります。(生地重量が少ないので、これも当然と言えば、当然ですよね)
ホイロ出しのタイミングは型下15mmに戻しました。(前回の試作の結果から、ホイロを高めに取っても、形状の改善は見込めなかったためです)
そして、そのまま温度設定だけを変えて、発酵機からオーブンへチェ~ンジ!
焼き上がりの状態ですが、とりあえず左半分で判断します(理由の御説明は、後日になろうかと思います m(__)m )
焼き上がった食パンは・・・
やっぱり焼き上がり後のクラストが柔らかすぎて、焼成後の収縮が結構起きてしまいました。
クラストが柔らかい理由のひとつが焼成時間の短さということは把握しています。
このサイズの一般的な焼成時間は、35~38分といったところなのですが、この装置は食型の昇温が速過ぎて、30分で取り出さないと窯痩せという焼成中の収縮が始まってしまう為です。
他のベーカリーでは、どうやって焼成時間を短くしようかと模索している中、ぜいたくな悩みとも思っています。
そして焼色は、写真では照明の加減で分かり難いかもしれませんが、しっかりと側面よりも薄く底面の焼色を抑えています。
帰宅して実食
今回は夜中に焼いていますので、朝、包装して自宅の朝ご飯に間に合うように帰宅です。
家族の反応は・・・、クラストがさっくりとしていて歯切れが良く、クラムはすごくソフトでとてもおいしい、といつもの通り大好評なのですが、やっぱり形をきれいに整えないと・・・。
もしも、将来パン屋さんをするようなことになったとしても、こんな形の悪いパンは売りに出せませんから、未来のためにもう少し楽しみながら工夫してみようかと思っています。
次回は、実はもうひとつあった家族からのミッションについてリポートしますね。