ふとした日常の会話の中で、近所にオープンした anopan という焼き立てパン屋さんのミルクフランスがしばらく販売見合わせになるとの情報が飛び込んできました。
そんな何気ない会話から、今日の記事はスタートします。
【 目次 】
ミルクフランス
オープン以来、そこそこのリピート率でanopanへは足を運んでいるのですが、昨今の新型コロナウィルスの影響でミルクフランスのみ販売方法を検討したい、とか。
anopan へ行く時には、家族のリクエストが強くて、まず間違いなくミルクフランスは購入していたのですが・・・。
この商品は注文を受けてから、焼き上がったハード系のパンに練乳風味のフィリングを手絞りで充填するため、どうしても商品の提供に時間が掛かってしまいます。
ここのオーナーご夫婦は、最近、店内へ入店できる人数を制限する等のクラスター対策にも積極的に取り組んでおられ、三密を回避手段をいろいろと考えられての対応だったと思っています。
ここ愛知県も今朝のニュースでは、追加の緊急事態宣言の対象として政府が検討しているようですし、転ばぬ先の杖、といったところでしょうか。
パスコのミルクフランス(108円 税抜)
そのような訳で、その代わりのパンを探しに近くのイオンへ。
う~ん、名前はミルクフランスですが、価格が安いこともあって、どうもイメージしていたパンとは違うような・・・。
でも、他にそれらしいパンも見当たりませんので、とりあえず買って帰ります。
パンはハースブレッド(直焼きパン)ではなくて、天板を使用していますね。(安価な製品供給のために生産効率を求めれば、当然なのですが)
そして、クープは縦に一本で、おそらく連続生産ラインでの異物混入のリスクを避けるため、金属製の刃物は使用していないはずです。(この解説は、後ほど・・・)
あと、生地表面がフラットに伸びていて、一般的なロールパンに近い感じでしょうか。
練乳のフィリングは、それなりに入っていますが、もう少し入っていても・・・、と欲が出てしまいます。
一般的なフランスパンのようにパンが硬いと、縦のカットが難しくなるばかりでなく、カット面が上手く開かずフィリングの充填装置に掛けることも非常に大変になります。
ライン生産のことを考慮して、製品の硬さの設計もされているのかもしれませんね。
食べてみて
内相の肌目が細やかでしたので、弾力のある食感ではなく、硬めのロールパンといった感じです。
配合はフランスパンをベースにしているでしょうから、ソフトフランスと理解すれば、納得できないでもありません。
先述の通り、内相の肌目が細やかですので、モルダー(成形機)のガス抜きを抑えるだけでも、おそらく一般的なフランスパンに近い製品になろうことはパスコの方々も分かっていると思います。
ホールセールベーカリーでの製品設計の難しさと思います。
彼らが連続生産ラインで、よりフランスパンらしいフランスパンを焼けないなんてことはけっしてありえないと思っていますし。
ミニミニ工場見学
さて、パンの連続生産ラインで最終発酵後のパン生地に、どのようにしてクープを入れるのでしょうか。
よく使用されている装置がウォータースプリッターと呼ばれる機器で、高圧の水が細い管を通して製品表面に噴出されてカットするというものです。
上図のように流れてくる天板をセンサーが感知して、コンベアに対し横方向にズラッと並べられたスプリッターのノズルから高圧の細い水流が噴出されるし仕組みです。
今回のミルクフランスはクープが縦1本でしたのでノズルの位置は固定されたままですが、斜めのカットを入れたい時にはコンベア速度と同調させて横方向の動きを加えます。
(追記)
そういえば、ウォータースプリッターですが、ハンディタイプの装置もありましたね。
探せば見つかりそうですが、いい機会と思っていました展示会(FOOMA2020 大阪 6月)が新型コロナウィルスの影響で中止になりました(残念!)。