今回の製パンの折、実は家族のリクエストがあって、なにか生地に混ぜ込んだ食パンが食べたい、と。
まあ、仕事はしばし頭から離して、お楽しみの製パンでもありましたので、素直に材料を揃えて試作したという次第です。
【 目次 】
メープルチップ
今回、選びましたのはメープルチップです(焼き上げるとジャムのように溶けるメープル風味のチップだそうです)。
調達しましたのは1袋50g入りで、適用量としましては食パンにして1.5斤分相当です。
という訳で、いつも使用しますパン生地8玉(3斤分)の内、半分の4玉にメープルチップを混ぜ込んで試作することにしました。
50gを4分割ですから、12.5gずつの量り出しです。
するとどうでしょう、若干の誤差は後で調整するつもりでいましたところ、最後の4つ目に残った全量分を入れたところ、ピッタリの12.5g!(なんと、正確なメープルチップの製品重量!)
成形
メープルチップは、成形時に折り込みました。
延展しましたパン生地に量り出したメープルチップを撒いて、先の記事と同様に両端を折って、閉じた部分を締めます。
この成形方法は、流動性のないメープルチップには特に必要な手段でもなかったのですが、これまで失敗が続いていますジャム類の混ぜ物を想定しての練習も兼ねました。
ここまで読まれてお気付きの方もいらっしゃるかと思いますが、私は企業に在籍時、主に製パンの新製法や装置の開発とかデータ解析をしていましたので、製パン技能の腕は大したことありません。
データ収集のためにテストをしてきました主なパンしか作れませんので、少し条件が変わりました時のコツが身に付いていないといいますか、応用が利かないんですね~。
という訳で、いい訳なのですが、①~④は混ぜ物なしで、⑤~⑧はメープルチップを混ぜ込んだ生地の型詰め状態です。
⑤⇒⑥⇒⑦⇒⑧ と、少しずつコツを掴んできて、徐々にマシな成形ができてきたことが、アリアリと分かります。
製パンの結果
で、初めてメープルチップを混ぜ込んで成形した⑤⑥の部分が・・・、
と、こんな感じです。(縮み方が酷いですね~)
あとは慣れかもしれませんが、きっと慣れるほどは製パンしないと思いますので・・・今のところ。
冷却後、包装
およそ100分の冷却後、3斤サイズの角形食パンを半分にカットして、包装します。
あまりに収縮がすごいのでちゃんと写真を撮らなかったのですが、メープルチップを混ぜ込んだ方の半分(1.5斤)も包装して自宅へ持って帰ります。
内相
5時間ほど前に焼き上がりました食パンを家族へ渡します。
で、どっちの食パンを朝食で食べる? と聞いてみますと、即答で『メープルチップの食パン!』
スライスしてみますと、一応それなりにメープルは分散していましたね。
ただ、メープルの部分はペースト状の粘っこい状態で、比較的大きな気泡となっていますので、膨らんだのちの収縮も大きかったのではないかと推測します。
食味・食感
そのまま食べてみますと、シンプルに粘度の高いメープルシロップを付けたような食味と食感で、しっかりと風味も感じられます。
そしてトーストしていますと、わずかな時間でトースターからメープルの香りが漂ってきたのですが、そこでハッと『そういえば、食パンの焼成時には全くメープルの香りがしなかった』ことに気付きました。
メープルが完全に生地内に閉じ込められていたため、食パンを焼いた時の通常の香りしかしなかったですね。
話を戻して朝食ですが、さすがに焼きたて(焼成5時間後)ですので、クラムのソフトさ、しっとりさは申し分ないです。
そして(おそらく手成形のガス抜きのため)クラストは歯切れが良く、さっくりとした軽い感じで食べられました。