スーパーマーケットの棚に必ずと言っていい程並んでいますアンパンやクリームパンですが、フィリングを装置で包餡する成形方法は大きく2通りあります。
ひとつは手作業を装置で再現させた方法、そしてもうひとつは今回解説しますスクリューで生地を押し出す方法。
その事を踏まえて、今回は山崎製パンの薄皮さくらあんぱん(118円 税別)をリポートします。
【 目次 】
薄皮さくらあんぱん
この薄皮シリーズですが、さくらあんぱんがメイン商材ではなくて、定番のアンパン、クリームパン、チョコパン、ピーナッツパンといったところがメインです。
ですが、やっぱり季節柄、桜の商品に手が伸びてしまいました (^^ゞ (華やかな色合いに惹かれたところもありますが・・・)
ところで、買って自宅へ持ち帰ったところで気が付いたのですが、この商品には自家培養の発酵種:ルヴァン種が使用されているんですね。
ルヴァンに対します山崎製パンの力の入れようが感じられます。
そうそう、サッカーの大会の名称も、以前のヤマザキナビスコカップからルヴァンカップへ変更するほどですしね~。
外観品質
さて、このさくらあんぱんですが、5個で1パックとなっていて、そして外観も非常に揃っています。
これだけの品質を揃える事は、手作業ではとても無理といったことが一目で想像できます。
ただ、誤解してほしくないのが、機械で作っているから評価が下がるとかではないんです。(実際、お土産用の有名和菓子でさえも、連続生産ラインで作られているものが結構ありますし・・・)
機械で作るからこそ、消費者のみなさんが得られるメリットもある訳で、機械メーカーさんも最終的に消費者の方々が喜んでくれる顔を期待しながら仕事に取り組まれています。
そして、出来上がった機械で作られたあんパンを買って頂いて、そして実際に喜んでもらえることが、次の活力につながっていきます。
正直なところ、パンの機械メーカーさんはあまり大きな会社が少ないですので、今のコロナの影響については、とても心配しています。(すみません、少し感情的になってしまいました m(__)m )
断面
そして断面ですが、見ての通り、生地中のさくら餡の入り方も均一に包餡されています。
なお、さくら餡の上部の空間は、焼成時での水分の蒸発等でできてしまいます。
よくダブルフィリングの『小倉&ホイップ』等の商品は、焼成時にできたこの空間を利用して、加熱できないホイップクリーム等をパンの冷却後に充填して製造しています。
包餡装置(火星人)
包着盤
では、どのようなメカニズムの装置を使って、このような包餡製品を成形しているのでしょうか。
これは、レオン自動機というメーカーの火星人という包餡機です。
一部らせん状になった2枚の包着盤と呼ばれますプレートが回転することで、上部から送り出されたパン生地を玉形状に分割・成形する装置です。
なお、生地が送りだされる時点で既に生地中には餡等のフィリングが内側に流れています。
インクラスター
そして、カメラのシャッターのような動作で分割・成形する装置がインクラスターです。
この装置の特徴は、球状の形状だけではなく、細長く出して任意の長さでカットすることも可能な点です。
中国の展示会から
昨年の5月に中国・上海で開催されました製パン製菓関係の展示会へ行ってきました。
上の画像は、すべて火星人のコピー機です。
会場を流して見て回っただけでも、数十社の中国メーカーが同様の装置(特にインクラスター)を展示していました。
この展示会の参加は初めてでしたので、かなり驚いた表情をしていましたところ、知り合いの方から、ピークの時には100社を超えていたとの話を聞きました。
アメリカやドイツの展示会でも見たことのない光景が、しっかりと目に焼き付いてしまいました。