ブール ~ ブーランジェリーの語源となったパン
突然ですが、ブールというパンを御存じでしょうか。
バゲット、バタール、カンパーニュ等と並んでフランスパンを代表する製品アイテムのひとつです。(以前の画像を2度使いですみません。)
この製品ですが、リーンな配合のタイプで、主な材料はフランスパン用小麦粉、塩、ドライイースト、モルトエキス、水であり、一般的な生地重量は280g程度といったところです。
ブールはフランス語で「ボール」を意味し、パン屋さん:ブーランジェリーやパン職人:ブーランジェの言葉の語源ともなっている歴史のあるパンです。
材料はいわゆるフランスパンの代表格であるバゲット系のパンと同じですが、その厚みのある形からバゲット系のパンよりも焼き上げるまでに時間がかかるという特徴を持ちます。
ブールは見た目の厚みのある形の通り、クラムが非常に多く、ふっくらとしたクラムを味わえるのが特徴で、フランスパンの中ではクラストが比較的薄く、他のフランスパン程、歯ごたえや引きの強さといった食感は感じられません。
ふとした話の中で
ところで、先日、たまたま知り合いとブールについて話をすることがあって、
『あの丸い、ふわふわした感じがいいんだよね!』
・・・そうですね~。
『しっとりとしていて、甘さが絶妙なんだよね~。』
・・・ん? なぜ?
その知り合いがブールと言って語っていたのは、リーンな直焼きパンではなくて、山崎製パンから発売されているスイートブールという商品だったという訳です(外観形状は、半球状で類似しています)。
この商品は、おおよそ食感や食味の推測が付いていましたので、これまで購入したことがなかったのですが、せっかくの機会でしたので、初めて頂くこととなりました。
・・・予想通りでした、おいしかったです。(至って、簡潔!)
ただ、工場を想定しますと200g以上の生地を流すことができる菓子パン系の生産ラインがあるということに、素直に驚きです。
山崎製パンの奥の深さが見て取れます。
話を戻しますが、海外の定番製品を手本に日本向けにアレンジを加えることは常套手段ですし、その商品が支持されて定番化されるのであれば、それは消費者にとりましてもおいしいパンが市場に増えることになりますので、ありがたい話だと思います。
そして、その商品がヒットして多くの消費者の方々が食するようになってきますと、そのネーミングが広く認知されるようになってきて、そのアレンジを加える前の元の製品を知らずに購入される人も当然出てきます。
あれっ、フランスにもブールがある!、といったような現象が起こる訳ですね。