黒猫サンタさんのパン作りブログ

プロのベーカリーと製パン企業のみなさまへ

袋止めシール・もっちブリオッシュとチョコチャンクスコーン【日常雑記】 ~ マチノパン・ローソン

 コンビニ(ローソン)のパンコーナーで『袋止めシール』が付いたパンを見掛けました。

 

 このようなちょっとした心遣いが嬉しい。

 

 なお、この日は始業前に寄ったローソンで買ったため、そのまま昼食になりました。

 

 ヤマザキ春のパンまつりのせいもあってか、少し食生活が偏っているような・・・。

 

牛乳仕込みのもっちブリオッシュ

 袋止めシールが付いている商品は、基本的にパンが複数個入っている商品です(例えば、あんパンを半分食べて取っておきたい人の希望もあるのでしょうか)。

 

開封前)

マチノパン

 

 通常は、1個食べてあとの2個を残しておく時に使用するのでしょうけど、この日は写真撮影の後にそのまま詰めましたので、3個入っています(ちゃんと止められました)。

 

開封後)

マチノパン

 

 製造元は、山崎製パンです。

 

マチノパン

 

 ところで、このブリオッシュの形状と焼き色が特徴的です。

 

 上面の焼き色は若干薄めですが、上部からのグラデーションが付いていますので、デッキ式(連続ラインであればトンネル式)オーブンのような輻射熱で加熱するタイプのオーブンで焼成していると推測します。

 

マチノパン

 

 この円弧の形状は、おそらく型を使って、片側に寄せているような・・・。

 

マチノパン

 

 縁を見てみますとエッジが立っていますので、使用していますのは型ではなく、セルクルかも。

 

マチノパン

 

 そして、側面の焼き色も付いていないことに加えて、底面にはほとんど焼き色が付いていません。

 

マチノパン

 

 特に下火は非常に低い温度で焼成して、最後に上火で少しだけ焼き色を付けるような焼き方のようです。

 

 食べた感覚では、ほとんどクラストを感じません。

 

 もっちりとした、それでいてブリオッシュ独特の歯切れの良さと卵の風味がとても特徴的で、他と十分な差別化が図られている商品と思います。

 

チョコチャンクスコーン

 こちらも4個入りの商品です。

 

開封前)

マチノパン

 

 先述のブリオッシュと同様に、すべての個数を入れて袋止めしてみました(こちらも、ちゃんと止められています)。

 

開封後)

マチノパン

 

 ところで、チョコチャンクのチャンクという言葉は初めて知りましたので、調べてみましたところ、「大きな塊」や「ぶつ切り」という意味があるようです(チョコチップよりも、もう少し大きいサイズのようです)。 

 

マチノパン

 

 基本的にスコーンは、パンではなく菓子ですので、パン酵母は配合されておらず、膨張剤で生地ボリュームを出しています。

 

マチノパン

 

 生地はシート状に流された状態からスクエア形状にカッティングされて、成形されています。

 

 スコーンは、軽くトーストしてバターあるいはホイップクリームをつけて食べるのが好きです。

 

 脆さの中にわずかにしっとりした食感と、チャンクサイズのチョコレートがアクセントになっています。

 

 なお、せっかくの袋留めシールですけど、今回は結局お昼に全部食べてしまいましたので、あまり用をなさなかったといいますか・・・。

 

バラエティミニデニッシュ【日常雑記】 ~ コストコ

 近所にコストコができましてから、出掛けました折にはここでパンを買うようになりました。

 

 これまで、ディナーロールを主に買いつつ、山形食パンやミニクロワッサン等にも手を伸ばしてきましたが、今回はミニデニッシュセットを購入です。

 

コストコ

 

 入っていますのは、シナモン、アップル、アプリコット、ヘーゼルナッツ、の全4種類が各5個ずつです。

 

 そして、この4品種の中になんちゃって成形のパンが入っているのですけど、お分かりになりますでしょうか。

 

コストコ

 

 ところで、原材料表示を見てみますと、折り込みに使用している油脂は融点の低い(一般的には温度を上げると油脂が溶けて生地に浸透してしまい、層が形成され難くなってしまう)マーガリンのようですけど、それでしっかりと層を出せているのでしたら、製造方法にノウハウがあるのかもしれません(最終発酵とか)。

 

マーガリ

 あくまで個人的な意見ですが、油脂のマーガリンに関しまして、一言。

 

 かつてはプラントベースの食品として健康的なイメージを持たれていましたマーガリンですが、WHO の2003年のレポートで、当時マーガリンに7%前後含まれていましたトランス脂肪酸に心臓疾患のリスク増加との強い関連が報告されましたことから、トランス脂肪酸削減の動きが世界的に広まりました。

 

 しかし、現在では各油脂メーカーの企業努力もあって、トランス脂肪酸量は当時の1/10以下、例えば一般的なバターの半分程度にまで削減されています。

 

 2018年には、日本の企業各社はトランス脂肪酸が生成される「部分水素添加油脂」を使わないマーガリンを開発しているからです。

 

 メディアや『食べてはいけない・・・』等の記事でも当時はトランス脂肪酸の含有量が高い食品として、さんざんマーガリンを悪者呼ばわりされていましたが、いざ改善された後は、その成果をほとんど報道しないという姿勢もいかがなものでしょうか。

 

シナモン

 シート生地にシナモンシュガーを絞ったうえで巻いた後、輪切りにカッティングしています。

 

コストコ

 

 シナモンシュガーの量もしっかりと入っていて、申し分ありません。

 

コストコ

 

 食感も歯切れがよく、さっくりとしていて良好です。

 

アップル

 スクエア形状の折り込みシート生地の四隅を折り、中央にアップルフィリングが絞られています。

 

コストコ

 

コストコ

 

 シンプルな成形ですが、それでいて(四隅の生地が跳ね上がっていない等といった)安定した形状に仕上げているところはさすがです(おそらく手作業でしょうから)。

 

アプリコット

 成型方法は、アップルデニッシュと同様です。

 

コストコ

 

コストコ

 

ヘーゼルナッツ

 このヘーゼルナッツのデニッシュ、一見しますと編み込み成形のように見えませんか。

 

コストコ

 

 ところが、このヘーゼルナッツのデニッシュを側面から底面を見て、さらに底面を見てみますと・・・。

 

コストコ

 

 真平らで編み込んだ形跡が見られません。

 

 ヘーゼルナッツのデニッシュは、シート生地の両端を短冊上にカッティングして、上部で折り重ねていただけなんですね。

 

コストコ

 

 もっとも勝手に編み込み成形と勘違いしていましたのは私の方ですので、なんちゃって成形と呼ぶのは失礼だったかも・・・すみません。

 

ゴディバコラボのパンショコラとケークショコラ【日常雑記】 ~ パスコ

 今日はバレンタインデーですね。

 

 そして、またまたパスコからゴディバコラボの商品が発売されました。

 

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 パスコからは昨年11月にも、ゴディバのコラボ商品が発売されています。

 

 他社も含めて、最近、ゴディバコラボの商品を目にする機会が増えたような・・・段々と希少価値も・・・。

 

ゴディバコラボ

 

 今回もパスコから発売のゴディバコラボの商品は、パンと菓子が一品ずつです。

 

パンショコラ(258円 税別)

 パン製品は、昨年11月がショコラブレッドで、今回はパンショコラです。

 

 一般名称となっていますパン・オ・ショコラはフランス語で「チョコレート入りパン」を意味し、ペーストリー生地の商品が一般的ですが、商品のネーミングからして別の意図があるのかも、です。

 

ゴディバコラボ

 

 HPでは、『ベルギー産チョコレート入りのチョコクリーム』を挟んだとありますが、パッケージに記載されていないということはチョコクリームが加工品だからでしょうか。

 

ゴディバコラボ

 

 生地は、チョコペーストが練り込まれた玉生地成形の二つ玉でオープントップの型で焼成されています。

 

ゴディバコラボ

 

ゴディバコラボ

 

 生地は、腹割でカッティングされて、板状のチョコレートが挟まれています。

 

ゴディバコラボ

 

 使用されているのはセルクルのような枠ではなく、小型の食型のようです。

 

ゴディバコラボ

 

 このサイズの商品はあまり見かけませんので、単体の型を平天版に並べていると思いますが、連型を製作しているとすれば、結構なイニシャルコストになっていると推測されます。

 

 なお、食べた感想ですが、しっとりした食感の生地に板チョコのアクセントがおもしろいですが、個人的には昨年11月のショコラブレッドの方が好みです。

 

ケークショコラ(228円 税別)

 菓子製品は、昨年11月がテリーヌショコラで、今回はケークショコラとなっています。

 

ゴディバコラボ

 

 チョコレートの表示ですが、昨秋のテリーヌショコラでは『チョコレート(ベルギー製造)』となっていましたものの、今回は単に『チョコレート』と、なっています。

 

ゴディバコラボ

 

 チョコクリームが練り込まれた長方形の形状の生地の表面にベルギー産シェーブチョコレートがトッピングされています。

 

ゴディバコラボ

 

 やや密なココア生地は、同程度の幅のものが4枚重ねられ、それぞれの生地の間にはチョコレートクリームが挟まれています。

 

 このような製品を製造しようと思えば、バンドオーブンに4列でバッター生地を流し、焼成・冷却後の仕上げ工程で重ねてから、一定間隔でカッティングすることになろうかと推測します。

 

ゴディバコラボ

 

 断面からも、気泡が非常に細かく密な状態に見られます。(より細かく見てみますと、4枚とも1枚の生地の中心線辺りが詰まっているようにも見えます。)

 

 食べた感想ですが、見た目からの予想通り重い食感でパサつきも感じられます。

 

ゴディバコラボ

 

 個人的な意見ながら、生地のミキシング時にもう少し気泡を抱かせて、ふんわりした食感に仕上げた方が嬉しかったかと思います。

 

 ただ、その場合には、4枚の生地を重ねることが生産ライン上で難しくなってきたり、重ねた後に下の生地が潰れて各生地の層の厚みが変わるといった問題が出てくるのかもしれませんね(勝手を言って申し訳ありません、でも、せっかくのゴディバブランドを冠した商品ですから)。

 

ショコラパウンドケーキ(2000円 税別)

ゴディバコラボ

 

 なお、同じ売り場に並んでいました2000円のショコラパウンドケーキは、今回あまり購買意欲がわかず、スルーしました。

 

ヤマザキ春のパンまつり・山崎製パン ~ 中種ミキシングから分割までの連続生産ライン

 今年もやってまいりました、ヤマザキ春のパンまつり!

 

 私的には、パンの写真を撮る際に白地で無地のお皿と言いますのは、とてもありがたく使わせて頂いています。

 

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 さてさて、まずはロイヤルブレッドから始まって、今年も白いお皿を頂くべく点数を集めます。

 

 と、少し強引ですが、大手製パンメーカーの製法と言えば概ね中種法ということで、今回は最近の中種ミキシングから分割までの連続生産ラインを解説したいと思います。

 

【 目次 】

 

第一発酵~分割機のライン構成

 山崎製パンをはじめとします大手の製パンメーカーで採用されています中種法ですが、かつては[中種ミキシング - 第一発酵 - 本捏ミキシング - フロアタイム - 分割]といった工程は、それぞれ独立した装置を人がつなげるイメージでライン構成されていました。

 

第一発酵室

 

 製パン工場の中は、一例として概ねこのような装置の配置で、装置間はキャスターの付いたドウボックスを作業者が移動させている、といった状況です。

 

 しかも、食パンの製造ラインで大型サイズのミキサーが導入されている場合、最大捏ね上げ生地重量で 1,350kg(カタログ値、なんと1トン超!)の生地がドウボックスに降ろされる可能性もあるわけですので、その重筋作業の程は想像に難くないと思います。

 

 ところが、最近は立体倉庫型の装置システムが開発されて、高さ方向の収納スペースも有効利用して、パン生地をプログラム管理している工場もあるようです(カタログ調査より)。

 

第一発酵室 立体倉庫 上面

  

 装置カタログや特許公報からイメージされます生産ラインは、このような装置の配置となっていて、ほぼ無人での製造が可能です。

 

 よくTVのバラエティ番組でパン工場でのミキサーで前面に生地が降ろされる場面が映し出されますが、もはや最新設備ではないということですね。

 

 なお、ドウボックスの搬送にはフォークリフトのようなパレットを使用して、コンベア間を移設しますので、キャスターが床を転がる懸念もなく、異物混入の防止に寄与しています。

 

第一発酵室

 

 装置の並びを正面から見てみますと、このようなイメージでしょうか。

 

 分割機以降は比較的早い時期から自動化が進んでいましたものの、連続バッチ式ながら分割機以前の工程にも自動化が図られるようになりました。

 

 省人化によりますコスト減で安価に商品を提供するための企業努力の一例です。

 

 もっとも自動化に関して、課題がすべて解消されているわけではありません。

 

 本捏ねミキシングのタイミングや温度制御といった課題にも、今後、対応が図られていくものと期待しています。

 

ヤマザキ春のパンまつり 2022

 2月に入ってから、TVでは頻繁にヤマザキ春のパンまつりのコマーシャルを目にするようになりました。

 

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店頭にて

 ところで、昨年は多くのスーパーやコンビニにおきまして、このパンまつりは例年と比較して盛り上がりに欠けているような気がしていましたが、今年も同様の傾向にあるようです。

 

 しかし、その中にあって(近所のスーパーでは)唯一、しっかりとコーナーを製作して販売促進に努めているお店がありました。

 

ヤマザキ春のパン祭り

 

 昨年と同様に、今年もイトーヨーカドーは期待通りのパンまつりコーナーができあがっていました。

 

 ところで、山崎製パンのHPを見ていて初めて知ったのですが、コンビニ・デイリーヤマザキの 「Yamazaki Best Selectionシリーズ」と「デイリーホット」は春のパンまつりの対象商品となっているそうです。

 

 パンだけでなくお弁当やおにぎりなどからも点数を集められるとのこと。

 

 個人的には、残念ながら近所のデイリーヤマザキは閉店してしまいましたけど・・・。

 

対象商品

 効率的に点数を集めるのでしたら、やはり食パンを中心としました食事パン系の商品となりますでしょうか。

 

ヤマザキ春のパン祭り

 

 その代表格といえば、やはり食パンの中でもロイヤルブレッド(2点)です。

 

 そのほかでは、ダブルソフト(2.5点)、超芳醇(2点)、となっています。

 

ヤマザキ春のパン祭り

 

 そして今回購入しましたのは、これも定番商品のランチパックです。

 

 先の記事でもご紹介しました、人気No.1のピーナツをセレクトしまして、期間中には、人気No.2のたまごやNo.3のツナマヨネーズにも手が伸びそうです。

 

 ところで、ランチパックといえば、作るときにできるパンの耳をラスクにした『ちょいパクラスク』もいまだに食品ロス削減の商品コンセプトからか、支持されているようですね。

 

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 パンの耳等の未利用食料の有効活用、さすがです。

 

 そしてこの日は、仕事場での昼食にたまごロールを一品加えました。

 

ヤマザキ春のパン祭り

 

 点数が貯まるまでは、このような感じで食事量も増えていきそうです。

 

白いスマイルボウル

 今年のプレゼントは、少し深さのあります『白いスマイルボウル』です。

 

ヤマザキ春のパン祭り

 

 プレゼントに必要な点数は、昨年に28点とそれまでの25点から増えていましたが、今年もその28点が必要です。

 

 現時点で必要な点数の1/3弱ですので、今年もコツコツと集めることにします。

 

国産ミルクブレッド【日常雑記】 ~ 山形食パン・コストコ

 比較的近所にコストコができて以来、度々お買い物に出掛けています。

 

 頻度としては、ディナーロール(マスカルポーネ)を買うことが多いのですけど、今回は山形食パンの紹介です。

 

国産ミルクブレッド(599円 税込)

 最終発酵・焼成に使用したアルミケースごと包装されています、三ツ山の山形食パンです。

 

コストコ

 

 粉はミックス粉を使用しており、小麦粉と米粉に不足する分のグルテンを小麦蛋白で補っている、といったところでしょうか(米粉を使用することで、しっとりさは出ますね)。

 

 配合は、牛乳、砂糖、無塩バター、食塩、イースト、添加物は乳化剤とビタミンCの2種類、と比較的シンプルです。

 

コストコ

 

 斤数表示では2.5斤となっていますので、850g以上(<1021g)はクリアです(1斤:340g以上)。

 

 そして、価格的にも1斤当たり:240円程ですので、焼き立てパンとしては割安な食パンです。
 

コストコ

 

 なお、念の為、重量測定の際には事前にアルミケースの重量を風袋で抜いて、パンのみの重量を測定しています。

 

コストコ

 

 ところで、この山形食パンは、製造者がコストコホールセールジャパンとなっており、ラック式オーブンで焼成した店内製造です。

 

コストコ

 

 加熱形態として対流がメインのラック式オーブンですが、上部の焼色が比較駅薄いせいか、水分が抜けている感じはしませんでした。

 

コストコ

 

 側面は、縦の波形状のクラストが形成されるようになっていて、ケービング(腰折れ)防止を図っています。

 

コストコ

 

 側面の状態から、最終発酵で生地側面がアルミケースの高さまで伸びたところで焼成しているのでしょうか、上部の膨らみが特徴的です。

 

コストコ

 

 アルミケースのテーパ(傾き)も大きく取られているように感じます。

 

コストコ

 

 食感はしっとりしていて歯切れがいいです。

 

 最近のトレンドなのかもしれませんが、縦目の内相が細かくきれいなものの、ふんわりし過ぎて引きが強くなるようなパンではなく、マーケットでは内相はいくらか丸目でも、歯切れの良いパンを散見するようになってきた感があります。

 

 食べてみますと、牛乳の風味・食味もしっかりと感じることができる食パンでした。