本・生食パン
まだまだ高級食パンのブームは、衰え知らずで続いています。
今回は、名古屋栄にあります松坂屋名古屋店が、今年3月に南館2階フロアを全面リニューアルした際にオープンしました、ポール・ボキューズ・キャレの製品を紹介します。
ここはフランスの名店ポールボキューズと大丸松坂屋がコラボした、生食パン専門
ブランドの店舗です。
そして、この店舗で取り扱っている商品は、今のトレンド真只中の高級生食パン、この1品種のみです。
『本・生食パン 2斤972円税込』は、先行します他の高級食パンと比較しましても、強気のこの価格です。
キャッチに『耳までやわらかく、生で食べて美味しい』と謳っているだけあって、ビニール袋の上から触っても、パンのソフトさが伝わってきます。
それと、なんとなくなのですが、外観品質のホワイトラインにはずいぶんこだわりがあるように感じます。
全体的に、たとえ若干ボウズ気味の外観形状になったとしても、レンガの製品は出さないといった意図と捉えてしまうのは、私だけでしょうか。
耳までやわらかく、というのは、外観形状がレンガになってしまっては叶いません。
並んでいます製品を眺めていますと、全体的にややボウズ気味でホワイトラインも若干太く出ている傾向があるように見て取れます。
使用している原材料は、食パン用高級小麦粉に国産米粉をブレンドしているそうです。
米粉を入れることで、日本人好みのもっちりした食感が得られます。
製法に関しましては、具体的な内容は一切明記されていません。
近年、よく目にします湯種法でもないのかもしれません。
さて、購入しました本・生食パンをスライスしてみますと、内相の肌目は非常に細かく、色合いも白く良好です。
見た瞬間に、丁寧な仕事ぶりが分かる製品です。
食べてみますと、やはり見た目の内相から連想されます通り、しっとりソフトな食感が最初に感じられます。
甘さも強過ぎず、適度に抑えられています。
再び成形方法に関する疑問
さて、先週はパン学校とFOOMA2019があって、食パンの成形方法についての新たな見識があったばかりですが、ここで再度食パンの成形方法に関して疑問が湧き上がってきました。
リテイルベーカリーで採用されている食パンの俵成形ですが、手成形での製造ではなく、モルダーを2回通して行っているのは、なぜだろう? と、いった点です。
200数十gの生地を圧延・ロール成形するのであれば、間違いなくU字成形の方が容易にかつ確実に作業することができると思われます。
けっして、U字成形した食パンの内相が劣っているとも思えません。
わざわざ、ロール成形した生地を再度モルダーに掛ける、…クロスモルダーの考え方とも逆になります。
あと残された異なる点は、型詰めした後の生地間の間隔となるのですが、すぐに結論が出る問題でもないと思いますので、もう少し時間を掛けて詰めていきたいと思っています。
リテイルの技術を、ホールセールに転用する格好の課題かもしれませんし…。