黒猫サンタさんのパン作りブログ

プロのベーカリーと製パン企業のみなさまへ

街のパン屋さん ~ Le Supreme.(ル シュプレーム)…そして、ちょっと提案

栄生本店とJR名古屋高島屋

  名古屋ではおしゃれなパン屋さんといった評価が高いようで、確かに店内が見て楽しむことができるキャンパスのように、商品自体もアートと化している気にさせられてしまいそうです。

 商品は、ハード系製品の表面やペーストリー系の層の出来具合を見れば、パン作りのレベルの高さはある程度分かりますし、それに加えて商品をひとつの作品のように仕上げていくセンスが付け足されているのですから、リピーターが足繁く通うのも頷けます。

 さて、個人技を深堀りしていきますと話の展開が進み辛くなってしまいますので、購入した製品を見ながら、広く落とし込みができそうな案件を探してみることにします。

f:id:santa-baking:20190107220010j:plain

 聞くところに因りますと、元々は和菓子を手掛けていたとか…、あんパン(中央上 160円(税別))は三角帽のような特徴的な形状ですが、食べてみて餡のおいしさも特筆ものです。

 外観プラスおいしさの商品でした。

 

 

 イチジクの形のイチジクパンです(下右 フィグ・ポアブル 220円(税別))。

 これも、おしゃれの一言です。

 ハード系の商品では、クープを入れて中身を見せる演出がされている商品が多いように感じました。

 カットの技術は、加工するパン生地の形状が工作機械のように高い精度がある訳ではないので、自動化を図るには正直なところ、かなり高難度の技術です。

 そしてドーナツ(左〇中 170円(税別))ですが、

f:id:santa-baking:20190107220035j:plain

 一般的には、中央の生地をくり抜いてリング形状に成形するのですが、この商品では中心を通る3本のカットを入れて、それを外側へ開くようにして形を作っています。

f:id:santa-baking:20190107220057j:plain

 この成形方法自体は、リテールのベーカリーではそれほど珍しいものではないのですが、さて、生地のくり抜き方は丸くなくてもいいような…、と。

 そして、これも特に珍しい成形方法ではありませんが、外形が六角形のドーナツが市販されています。

 であれば、上記の二つを組み合わせてみると、少し良いことがあったりして、と思ったところを記載します。

f:id:santa-baking:20190107220122j:plain

 六角形に切り分けられた生地に3本のカットを入れて開いても、おそらく先の商品と同様の形状を作り出すことは可能と思います。

 なぁんだ、同じものができるだけ?、とは思わないで下さい。

 一般的にドーナツはシート生地からくり抜いて成形されるのですが、その際に、どうしても外枠に入らない部分は使うことができません(下図 左)。

 まだ、中央の小さな丸い部分は、このままフライして商品化することもありますが、周囲の部分は発酵種として使うか、最悪、廃棄となってしまいます。

f:id:santa-baking:20190107220157j:plain

 それが、中央を開く成形方法(上図 中央)では、この内の中心部分のロスを省くことができます。

 更に六角形の外形で、中央を開く成形方法(上図 右)になりますと、外枠からはみ出た生地部分もかなりロスを削減することが可能になりそうです。

 もっとも、生地を開く成形作業や成形後の発酵方法には課題が残るのでしょうが、課題が明確になっていれば、その分、対策も検討し易くなるはずです。

 生地の廃棄ロスの低減は、製パン業界全体の重大な課題です。

 食料自給率が低い(パン用小麦は3%程度)我が国の実状を少しだけ頭の片隅に置いて、ほんのちょっとだけパンの成形を考えてみました。