国際化の波
この展示会(細かいところですが、日本語表記の正式名称は”モバックショウ”です。”モバックショー”ではありません事、ご了解ください)には3日間参加しましたが、それでも毎日が目まぐるしく過ぎていく感覚です。
とにかく、3日目で集められるだけの情報を収集しなければ、という思いです。
とはいえ、まずはパン技術研究所の井上所長に挨拶をしておきませんと。
井上所長は、今回、ベーカリージャパンカップの審査委員長を務められていますので、その会場へ足を運びます。
会場には、2日目までに作られました、食パン、菓子パンの入賞作品が展示されています。
さすがに、どの作品も完成度が高い!
世界の大会でも、日本が常にトップを狙うことができるポジションにあることもうなずけます。
ところで、今回のモバックショウですが、かなりの割合で中国から参加している人が多いことを感じました。
けっして中国の方を煙たがっている訳ではないのですが、一部の方々に禁止されている写真撮影等の行為をあからさまに行っている状況を見ていますと、中国で氾濫していると聞きます日本製品のコピーに思いが結び付いてしまい、少しテンションが下がってしまいます。
技術系の人間としては、苦労を重ねて培ってきた技術への思い入れはやはり強いので、その努力を踏みにじるような行為には、なんとも沈んだ気持ちにさせられてしまいます。
中井機械工業
あっ、ロボットが餅つきをしてる!
中井機械工業のブースの端の方で、かわいらしいサイズのロボットが餅つきをしていました。
だから何? と言われてしまいそうですが、同社では同じ原理のパン用ミキサーを開発しています。
餅つき機で作ったパン生地には、どのような特徴があるのでしょうか。
パン生地を評価するポイントとしては、伸展性と吸水性が挙げられます。
パン学校の授業でも解説しているのですが、パン生地の吸水性に与えるファクターのひとつに圧力が挙げられます。
これは、他の混合・混捏装置を見てみても、ほぼ間違いのないところです。
今回の餅つき機:スパンピングミキサーは、非常に広い面積で生地に圧力を加えますので、同ミキサーが吸水性に関します特長を有していることは、理に適っていると考えています。
パシフィック洋行
パシフィック洋行のブースでは、工揮の製品が展示されていました。
下の写真は、右からデバイダー⇒ラウンダーです。
ただし、今回注目しましたのはラウンダー出口に取り付けられていました回転型の手粉付け装置です。
丸められたパン生地は、この筒の中を通ってくる間に表面に手粉を付けて出てきます。
以前の記事のラウンダー出口か、中間発酵の前のところで解説したかもしれませんが、丸めた生地の全面に手粉を付けることは、一見地味なのですが、非常に重要で、かつ思っている以上に装置で行うことが難しい処理です。
手作業では何てことはない作業が、機械化する段階でなかなか達成できないことが度々ありますが、それを解決した一例です。