黒猫サンタさんのパン作りブログ

プロのベーカリーと製パン企業のみなさまへ

製パン機械設備の実際 ~ 縦型ミキサー

縦型ミキサーの特徴

 最近になって、海外へ行く機会が増えてきましたことから、日本での常識は必ずしも海外で当てはまるということではないことを実感しています。

 ですが、それでも日本式のソフトなパンが高い評価を受けていることから、日本式を意識しつつ各工程で使用する装置について解説していきたいと思います。

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[出典:関東混合機工業]

 中国では、ケーキ用として認識されている縦型ミキサーですが、日本では当然縦型ミキサーがパン用として一般的に使用されているミキサーです。

 参考までに、中国製の縦型ミキサーはボウルの強度や固定の確実性に問題があるようで、仮にパン生地をミキシングした際の故障に関してはメーカー保証の対象外になるとの話でした。

 その特徴は、以前にも解説しましたようにミキシングの際に生地に掛かる圧力が大きな要因として考えられますことに加え、非常に正確な捏ね上げ温度が求められますコントロール面でのニーズによるところが大きいのでは、と考えています。

 つまり、本捏ねミキサーの場合、生地の物性と温度の両方をベストの状態に揃える事が必要になってきます。

 仮に、生地がまだできあがっていない時点で温度が捏ね上げ温度に達していた場合、同時に冷却を掛けなければ、更にミキシングを続けてしまいますことで、当然のことながら生地温度は目標とする捏ね上げ温度を超えてしまいます。

 ボウルが回転しているスパイラルミキサーではミキシングをしながら生地を冷却することは困難ですが、縦型ミキサーであればボウルの底を氷水で冷却することで生地温度をコントロールすることができます。

 これは、作業上の問題ではありますが、根本には正確な生地温度が再現できてこその日本式のパンの品質と捉えられるのではないでしょうか。

コートという単位

 小型のミキサーには、ボウル容量の単位でコートという単位が良く使用されています。

 これはヤード・ポンド法における体積の単位「quart(クォート)」のことで、1ガロンの4分の1を意味しています。

 1コート=0.946L ですので、例えば 30コート=約30L と覚えてもらえればいいと思います。

 そして、おおよそですが、ボウル容量30L(コート)のミキサーであれば、吸水率68%のパン生地の場合で、その約20%の6kg程度の粉までを一度に仕込むことができます。

 一般的には、1台の縦型ミキサーで、例えば20コートと30コートのミキサーボウルを使用できるようになっていますので、仕込み量に合わせて使い分けるようにするといいと思います。

 当然ですが、ボウルを替えた場合には、ミキサーフックもそのサイズに合ったフックを使用しますので念の為。

 

 

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