黒猫サンタさんのパン作りブログ

プロのベーカリーと製パン企業のみなさまへ

ペーストリーとパイ、品質の違いと加工メカニズムの違い

【 目次 】

 

朝マック

 昨日の朝は、起きて早々、家族から朝マックを食べたいとの希望が出たことで、パジャマの上から上着を一枚羽織って車を運転、マクドナルドへ出掛けました。

 

 このところ、新型コロナウィルスの影響から外出の自粛要請で家族も皆あまり外のものを食べておらず、随分ストレスは溜まっているものと推測しています。

 

 さて、比較的近所のマクドナルドはAM7:00に開店ですので、ほぼその時間に合わせて店舗に到着したのですが、既にドライブスルーには3~4台程度の車が並んでいます。

 

 確かにニュースでは、テイクアウトが伸びている旨の話を聞いていましたが、ちょっと予想外で。

 

ついでにホットアップルパイ 

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 今回は、ソーセージマフィンを2つとソーセージエッグマフィン、ハッシュドポテトを3つに、あとホットアップルパイを購入です。

 

 マックのテイクアウトの時は、コーヒーは家で煎れてもらうことにしています。

 

 今回であれば、単品でソーセージマフィンの価格が安いため(110円 税込)、これならセットよりも単品の方がお得感がある、と。

 

パイ

 少し、パイについて解説します。

 

 シート生地からバター等をロールインして生地を作る点では、ペーストリーと同様です。

 

www.santa-baking.work

 

 では、なにが違うのでしょう。

 

 ペーストリーはパンですから、定義として『小麦粉、パン酵母、塩、水』の原材料を混ぜ合わせ、発酵・焼成して製造します。

 

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 ところが、パイにはパン酵母が入っていませんので、発酵が伴いません。

 

 今回は、山崎製パンのアップルパイを購入しました。

 

 食感、風味といった点で、違いを確認したいと思っています。

  

 ところで余談ですが、ヤマザキ春のパンまつりの点数が1点増え、これでトータル 20点となりました。(白いフラワーボウルまで、あと5点です。これも、ちょっとした目標です (^_-)-☆ )

 

ペーストリー

 対象となりますペーストリー(類)で、これまで気になっている商品は、横浜・MARINE & WALK で食べたクロワッサンと、ご近所のパン屋さん:anopan のいちごのパンですね。

 

 ところで紛らわしいのですが、クロワッサンもデニッシュも、どちらもペーストリーです。

 

 一般的にデニッシュと呼ばれているものは、デニッシュ(デンマーク式)ペーストリーを指します。

 

 一方、クロワッサンはフランス語で三日月を意味していて、そのクロワッサン生地でチョコレートを包んだパンをパン・オ・ショコラと呼びます。

 

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 話を戻しますと、先述のペーストリー2品は、どちらもシート生地の層が実にきれいに出ていて、食べた時の歯切れの良いサクッとした食感が心地いいです。(いちごのパンは、期間限定です。もしかしましたら、もう終わっているかも・・・。それに、わざわざ愛知県瀬戸市の小さなパン屋さんまで買いに来られるなんてことは、・・・ない・・・です・・・よね?)

 

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 そして、内側のクラム部分に関しましては、ソフトでふんわりした食感のコントラスト(vs クラスト)がパンとしてのおいしさを引き立ててくれます。

 

 一方、アップルパイの食感は、クラストの層のサクサク感が内側のクラム部分にまで引き継がれます。

 

 パイの場合、クラム部分がしっとりしてしまいますと発酵による膨張がないため、生地が詰まって歯切れの悪い食感となってしまいます。

 

 焼成方法も、その点を勘案してセッティングする必要が出てきます。(シンプルに言えば、焼成時間は長くなります)

 

サンタさんの豆知識 加工メカニズムについて

 次の画像は、パン学校の授業でもよく使います『パンの焼成に関連する、事象と温度』を示したものです。

 

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 ペーストリーとパイの製造で異なります発酵の有無ですが、焼成の工程で関連しますのは(発酵の工程で生成されます)炭酸ガスの溶出とアルコールの蒸発です。

 

 ちなみにパンの焼成時の膨張(オーブンキック)には、前述の炭酸ガスの溶出とアルコールの蒸発とで、効果全体の95%を占めると言われています。

 

 パイの焼成では、これらふたつの事象が存在しませんので、生地の膨張には別のドライヴィングフォース(推進力)が作用します。

 

 それが、vapor action (ベイパー アクション)と呼ばれます水分蒸発による生地膨張です。

 

 水分蒸発であれば、パンの焼成時にも起こるんじゃないの?、って思われる方もいらっしゃいますよね。

 

 でも、もう一度上図を見て下さい。

 

 デンプンの糊化が60℃~と記載されています。

 

 これは、小麦粉と水のみの場合の数値ですので、塩や糖が入ってきますと一般的には70℃弱~90℃強がデンプン糊化の温度帯となります。

 

 水の蒸発が顕著になりますのは100℃です。

 

 つまり、パイで製品のボリュームを出そうとしますと、デンプンが既に糊化した層状の生地を剥がして膨張させなくてはならなくなります。

 

 そのような意味では、歯切れの良い、きれいな内相を作る技術はパイの方がより高いものを成形から焼成まで求められていると考えています。