結構アニメ好きで、呪術廻戦のTV放送はすべて録画して観ていました。
そのような折、コンビニでふと目に留まった両面宿儺(すくな)の指、ならぬ『宿儺のデニッシュコロネ』。
今回はノリで商品の紹介と連続生産ラインでのコロネの成形について解説します。
そして最後にノリで買った商品も。
【 目次 】
コロネの成形
既に定番商品として定着しているコロネですが、生産性を求める連続生産ラインに対して、成形は少々やっかいな工程となります。
一般的にコロネ型と呼ばれます円錐形の型に細長くロール成形した生地を巻きつけていくのですが、この加工操作の自動装置を私は見た記憶がありません。
いかに近代化された工場においても、この操作はおそらく作業者の手作業に頼らざるを得ないのでは、と思っています。
ところで、通常のコロネであれば玉生地からロール成形のモルダーを通して成形するのでしょうが、今回紹介の商品に合わせ、デニッシュ等のシートラインにおいてベルトコンベア上で成形するケースを推測してみました。
画像では、特徴を示すために生地幅を広めに描いていますが、実際には非常に細長い生地にカットする必要があります。
ストレッチャーで生地の厚さを調節した後、ハの字形に切り込みを入れるロータリーカッターを通し、その後に縦カットのサーキュラーカッターを通して、端生地を外します。
生地の幅が一定であれば、ストレッチャー後にギロチンカッターでカットする方法も考えられますが、その場合は生地幅が狭すぎて生地がカッターにべた付いてしまう懸念が残ると推測します。
そして、上図のように細長い台形状の生地がワークコンベア上を流れてきましたら、その後工程では作業者が流れ作業でコロネ型に流れてきた生地を巻きつけていきます(ここは、人海戦術になります)。
宿儺のデニッシュコロネ(160円 税込)
アニメ『呪術廻戦』で、両面宿儺(りょうめんすくな)は最凶最悪の呪いの王として登場します。
その宿儺の完全復活に必要な特級呪物(要は、かなりヤバイ呪いが込められた物)こそが、20本存在すると言われています宿儺の指という訳です。
という訳で、アニメのストーリーに沿って考えますと、食べてはとてもやばい品物ということになってしまうのですが、そこに果敢に挑戦したのが山崎製パンと。
なにしろ、ストーリーではこの特級呪物を食べてしまうと呪いに身体を乗っ取られてしまうという恐ろしい現象が起きてしまいます。
外観
ところで、一般的にコロネはロール成形した菓子パン生地を使って製造しますが、今回はおそらく指の形を再現することを主目的にデニッシュ生地としたのではないでしょうか。
また、配色も色黒なイメージをチョコフラワーペーストを使用(ロールイン)して表現し、折込み成形をしています。
凝った表現としては、宿儺の指の爪の部分にピーカンナッツがトッピングされているところでしょうか。
天板は平天板を使用されているようですが、もう少し(幅を抑えて)高さがあってもいいような気もしますので、プレス天板を使用するのも手ではないかと思われます。
先のデニッシュ生地での成形ラインでも考察しましたが、おそらく成形時のシート生地の幅は一定ではなく、細くなっている爪の方を幅の狭い生地で、指の元の方を幅の広い生地で巻いているように思われます。
断面
ところで、フィリングを注入する口の部分を覗いてみますと、充填されていますのはホイップクリームのようですけど、少々量が(宿儺(すくな)だけに)少ないようにも見えます・・・年配者のダジャレです。
という訳で、デニッシュ(宿儺の指)を縦にカットして、フィリングの充填状態をチェックしてみましょう。
端からは少なめに見えましたホイップクリームですが、中までびっしりと詰まっていました(失礼致しました)。
風味・食感・食味
私はけっして器(うつわ:呪物を取り込んでも自我を保つことができる人)でもないのですが、実際に食べてみますとしっとりとしたチョコデニッシュ生地にホイップクリームが相まっておいしく頂けました。
感想
今回は、アニメキャラクターとのコラボという形でデニッシュコロネといった商品開発に至っていると推測しますが、純粋にデニッシュ生地でのコロネといった視点で見ましても、とても興味深い商品と思います。
以前にも少しこぼしていましたが、最近は製パン業界全体に技術的な商品開発がやや下火傾向になっている感を持っています中、このような商品は汎用性も伴って、製パンレベル全体の底上げが期待できるものと注視しています。
以前に、似たような注目記事も製造元は山崎製パンでした(業界トップは伊達ではありませんね)。
これって、ありですか!
今年は、マリトッツォが全国的に大ブームでした。
ところで、近所のセブンイレブンにてこのような商品を発見!
『どらやきマリトッツォ(208円 税別)』?いやいや、これってマリトッツォですか。
一般的な認識からすれば、普通にクリームどら焼きかと。
ずいぶんいき過ぎた感もしましたが、でも食べておいしかったので良しとしました。