黒猫サンタさんのパン作りブログ

プロのベーカリーと製パン企業のみなさまへ

パンシンポジウムを終えて

 先の記事でお知らせさせて頂きましたパンシンポジウム2021が、3月7日無事に終了しました。

 

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 私もなんとか講演を終えましたが、今回はそのリポートです。

 

【 目次 】

 

パンシンポジウム2021

 今回で4回目を数えますこの催しは、コロナの影響で一昨年は中止、昨年は延期となっていましたが、昨年度分のシンポジウムがやっと3月になってwebにて開催されました。

 

 これまでは、午前中から1日かけて実施されていたのですが、今回は若干時間が短く、午後のみでスケジュールが組まれていました。

 

プログラム

 自由参加のポスターセッションはなく、オーラルセッションのみのプログラムです。

 

特別講演1 これはおいしい”ごはんパン”

 農業・食品産業技術総合研究機構 奥西智哉 氏

 

特別講演2 国産小麦の美味しさの本質に迫る

 (一社)日本パン技術研究所 製パン技術事業部 原田昌博 氏

 (⇒ いつもお世話になっております。from サンタ)

 

対談 パン業界の現状とこれから

 株式会社小麦家 吉村学 氏

vs 山田フードサイエンスコンサルティング代表 山田昌治 氏

 モデレーター: 岐阜大学 教授 矢部富雄  氏

 

【講演2】   パンの香気特性からみた天然酵母の魅力

 山田フードサイエンスコンサルティング代表 山田昌治 氏

 

【講演3】  石川県特産品の発酵副材料としての特性評価

 金沢工業大学 講師 野村一樹 氏

 

【講演4】  米粉パンの生地物性と澱粉特性の関係

 岐阜大学 准教授 勝野那嘉子 氏

 

【講演5】  温度測定の意味について考える ~ 食パンの焼成

 個人事業のサンタ 氏

 

【講演6】  グルテンフリー米粉パンの製パン性を向上させた米タンパク質分解物の同定

  石川県立大学 准教授 本多裕司 氏

 

【講演7】  ブランチングエンザイム添加がパン物性に及ぼす影響

 岐阜大学 教授 西津貴久 氏

 

【講演1(接続トラブルで順序変更)】   鈴木 徹先生を偲んで(共同研究者の一人として)

 岐阜大学 名誉教授 長野宏子 氏

 

 サンタの講演内容

 演題を『温度測定の意味について考える ~ 食パンの焼成』とさせて頂き、パンを焼いている時の温度を測定するとこんなことが分かるのですよ~、といったことをおおむね解説しました。

 

パンの焼色

 時間が限られていましたので、どうしても抜粋になってしまうのですけど、まず最初は焼色です。

 

パンシンポジウム

 

 焼色が着色する反応速度を式化して、温度データからシミュレートします。

 

パンシンポジウム

 

 配合(このグラフでは脱脂粉乳の量)を変えても、異なるタイプのオーブンを使用しても、オーブンの設定温度を変えても、そこそこの精度で焼色が計算できました。

 

適正な焼成時間

 パンは焼いている工程で[膨張 ⇒ 収縮]を生じます。

 

 

パンシンポジウム

 

 パンが収縮するタイミングを知ることは、窯痩せを原因とするケービング(腰折れ)を防止することに繋がります。

 

 (上のグラフは熱流束のデータですが)生地中心部の温度測定することで、このタイミングの時期を推測し、適正な焼成時間を検証することができます。

 

水分蒸発量

 パン生地からの水分蒸発量は、クラストの厚さに直結します。

 

パンシンポジウム

 

 もう少し応答性を上げたいと思っていますが、今後がんばります。

 

 6面あります食型の温度を測定することで、各面ごとの水分蒸発量を計算します。

 

その他

 底の生地が詰んでしまう現象や

 クラストの厚さをコントロールしたい時の操作方法、

 穴付きの食型の効果の検証、等々

といったことも導き出されます。

 

 最後には、パン工場に導入されています連続式のオーブンでの測定も想定しました計測器用断熱容器もスライドに出しましたけど、短い時間でしたら、ちょっと見せて終わったといった感じです。

 

幻となった懇親会

 本シンポジウムの開催が決まった当初、オンサイトとオンラインの両方での開催が告知され、もちろん私は岐阜大学の会場へ足を運ぶ予定でした。

 

 ところが、3月6日まで予定されていました岐阜県のコロナのまん延防止等重点措置が21日まで延長されることが確定しましたことで、残念ながらオンサイトでの開催は見送られ、オンラインのみでの実施となりました。

 

 シンポジウムは、当然それ自体が有意義なのですが、楽しみの一つに講演後の懇親会があります。

 

 前回2019年に開催されました際は、岐阜県下を中心としました焼き立てパン屋さんの自慢のパンの数々が懇親会のテーブルを埋め尽くしました。

 

 その様子がこちら。

 

パンシンポジウム

パンシンポジウム

パンシンポジウム

パンシンポジウム

 

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 やっぱり、会場で直接参加者の皆さんとお会いして、焼き立てパンを交えて歓談したいものです。

 

ミミまでやわらかい食パン・山崎製パン ~ そしてanopanの近況

 およそ3年前にスーパーマーケット・バローオリジナルの『ミミまでやわらかい食パン』(製造元:山崎製パン)の記事を掲載しました。

 

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 ふと思ったのですが、その食パンがいまだに継続されて販売されているという事は、既にこの商品が定番商品として定着しているということでしょう、と。

 

 今回は、過去記事を思い出しながら、この定番商品を再度紹介していこうと思います。

 

【 目次 】

 

バロー新瀬戸店

 バローは、岐阜県を拠点として、東海、甲信越、北陸、近畿に230以上の店舗を持つスーパーマーケットです。(2020年7月1日現在 236店舗)

 

 

 残念ながら、全国展開といったわけではありません。

 

ミミまでおいしい食パン

 

 いつも見慣れたパンコーナーの棚ですが、見慣れていること自体が、実はすごいことなのでしょうね。

 

ミミまでやわらかい食パン(138円 税別)

 この『ミミまでやわらかい食パン』が発売されましたのは日本で空前の食パンブームに沸いていた頃で、製パンメーカー最大手の山崎製パンがバローオリジナル商品として手掛けました。

 

 コンセプトは、『湯捏ね製法』『しっとり感、もっちり感』『そのまま食べてもおいしい』となっていて、当時のトレンドの『生食パン』に近付けている感が満載です。

 

ミミまでやわらかい食パン

 

 製品の特徴ですが、ミミまでやわらかい、と謳っている以上、クラストの部分には十分な配慮がなされていて、一般的な角形食パンと比較しますと、焼色は随分と薄く仕上げられています。

 

 専門店の高級食パンと比較しますと、1/3程の価格の商品がまったく見劣りすることなく食べられることに、改めて今の製パンメーカーの技術の高さを再認識しました次第です。

 

ミミまでやわらかい食パン

 

 重量は申し合わせたかのように、1斤(340g以上)の定義から10%程度の安全率で生地が分割されています。

 

外観

 焼色はやや薄め、(顕著なケービングが起きている訳でもなく)骨格はしっかりと、この相反する二つの特徴を共有できている点で、非常に高い完成度です。

 

ミミまでやわらかい食パン

 

 ホワイトラインも適度に出ています。

 

ミミまでやわらかい食パン

 

 そして底面には、ボタン上の凹みがあって、穴開きの食型を使用していることが分かります。

 

ミミまでやわらかい食パン

 

 側面や上面と比較して、底面はやや強く焼いているようです。

 

内相

 膜は薄いのですが、クラムの色がやや陰って気泡が疎になっているような印象を受けます。

 

ミミまでやわらかい食パン

 

 ただ、これは内相が荒れているというよりは、(決して悪い意味ではなく)もしかして固形分の密度が低いのではと思ったりもしてしまいます。

 

風味・食感・食味

 さて、今回のミミまでやわらかい食パンですが、食べてみますとやはりクラストの薄さからソフトな食感は十分に伝わってきます。

 

 そして、内相のところで感じました疎な感じは噛んだ時の軽い食感に効いている気がします、そう、軽さが心地いいんです。

 

 そして、食味としてはほんのりとした甘みも。

 

 この甘味なのですが、作る側から考えますと焼色が着色する要因の糖がそれなりに含まれているでしょうから、更に作るのが大変だったと思います。

 

 店舗の固定式オーブンと違って、大型生産ラインで使用されています連続式オーブンでは、十分なメンテナンスと設定がなされていなければ、点火バーナー位置での加熱強度のムラが製品の焼色に直に影響を及ぼすことは容易に考えられるからです。

 

 最後に、(生食パンに引けを取らない)これだけレベルの高い食パンが日常的に食べられることに感謝です。

 

anopan の近況

 最近、anopanの話が出ていませんが、Google Map で近所のパン屋さんを検索してみましたところ、このような結果に。

 

anopan

 

 なんと、評価は 4.5 でこの辺りのトップに登りつめているでは、ありませんか!

 

 ちなみに次点は 4.4 でエムルパンとモンタナベーカリーとなっていました(どちらのパン屋さんも時々出掛けるお店です)。

 

桜もち丸

 昨年も一昨年も紹介させて頂きました、anopan春限定のパンです。

 

anopan

 

anopan

 

 外観もそうなのですが、カットした断面から特徴的な包餡方法を取っていることが分かります。

 

 ちなみに昨年は、こちらの記事中で紹介させてました。

 

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 やっぱり今年も春には、このモチモチ食感の桜もち丸といった感覚です。

 

あとがき

 昨日(3月7日)、パンシンポジウムが終了しました。

 

 公開シンポジウムを意識して、せっかく聴講頂いた方々にとにかく新たな発見を提供できれば、と講演したつもりでしたが、どこまで貢献できたか、正直なところ、少々疑心暗鬼です。

 

 記事は、近日中にアップしようと思っています。

 

Johan(ジョアン)の角形食パン ~ バターオイル・サブール(SAVEUR)

 ジョアンは三越百貨店を中心に展開するインストアベーカリーです(名古屋では、栄の三越にお店が入っています)。

 

 個人的に、ジョアンと言えば量り売りが人気のミニクロワッサンのイメージが強かったのですが、そのお店で家族が食パンを購入してきてくれました。

 

 今回は、ジョアンの食パンと、トーストには欠かせない油脂に関連して、サンプルで頂きましたバターオイル・サブール(SAVEUR)についてリポートします。

 

【 目次 】

 

Johan(ジョアン) 

 神戸にて創業したドンクがフランスのパン職人ローラン・ジョアン氏とともに立ち上げたブランドがジョアンです。

 

 ローラン・ジョアン氏は、フランス在住の頃、(家族4人の経営で)お店の厨房を深夜3時からスタートさせて、平均して1日1,000kg仕込んでいたそうです(バゲットの本数に換算すると、3,000本にも及ぶとか)。

 

 なお、クロワッサンの焼成にはコンベクションオーブンが使われている印象が強いのですが、バゲット等のハースブレッド(直焼きパン)には、フランス・ボンガード社製の内扉式デッキオーブンを使用しているようです。

 

モーニングファースト (258円 税別)

(⇒ BlauGrana10さん、コメントをありがとうございました。価格を記載しました。専門店の高級生食パン(400~500円程度)と比較しますと、全然安いです。)

 今回あまり写真が撮れていません。

 

 実は、正直なところ、当初はあまり期待しておらず、ツイッターでささやく程度と高(たか)を括(くく)っていたからです。

 

ジョアン

 

 サイズ的には、1斤サイズなのですが、重量がわずかに1斤(340g以上)に届きません。

 

ジョアン

 

 原材料表示も、小麦粉以下、シンプルな配合となっています。

 

ジョアン

 

外観

 焼き色は標準的な、きつね色です。

 

 当初、あまり期待をしていなかった理由の一つが、上部角のホワイトラインがきれいに出ておらず、発酵過多と思われたからです。

 

 ただ、生地の上面をよく見てみますと蓋に押し付けられて出来ました”S”のマークが(このSマークの意味が、調べてみても分かりません)。

 

 このSマークを付けるがための発酵条件なのかもしれません。

 

ジョアン

 

 クラストの厚さは、上面、側面、底面共にほぼ同等の厚さです。

 

 デッキ式オーブンで焼成したのであれば、食型同士の間隔は十分に離されて窯入れされていると思われます。

 

 ところで、この少し台形気味の形状・・・、少し焼成時間が長過ぎたとか。

 

内相

 第一印象でクラムが白く見える内相は、膜が薄くよく伸びていることを示しています。

 

 カギ穴、底詰みもなく、実際に膜も薄くてきれいな内相です。

 

風味・食感・食味

 素朴な小麦とほのかなバターの風味が感じ取れます。

 

 そして、もっとも予想を覆されましたのは、クラストの食感、クラムの食感です。

 

 しっとりとしていながら歯切れがよく、余計な引きもない、それでいて噛んでいる端(はな)から小気味いいほどの口溶けとのど越しを感じます。

 

 はっきり言って、十二分にリピートしたい気にさせてくれました食パンです(ジョアン恐るべし。今頃になって気付いた次第です(反省!))。

 

 飽きないおいしさとは、このようなものかと実感しました。

 

トーストにバターオイル

 個人的に、食パンはトーストして食べるのが好きです。

 

 そして、風味の好みはバターなのですが、この油脂は如何せん融点が高く、塗りながら溶かすという操作がなかなか大変です。

 

 という事もあって、日常的にはバター風味のマーガリンが常用している油脂なのですが、昨今のお付き合いの中でバターオイルをサンプルとして頂くことができました。

 

 最初から液状という事は、トースト直後に慌てて塗らなければといった気遣いも不要になります。

 

 それに加えて、塗ってからトーストすることもできるのでは、といった思いもふと頭をよぎり、そうなりますとやらずにはおられない性格です。

 

バターオイル

 

 さっそく、ジョアンの食パンに塗り、トースト・・・と思いきや、調子に乗って少々垂らし過ぎました。

 

バターオイル

 

 新たなトーストの発見(もちろん、いい意味で)と共に、この後”追いバターオイル”でさらに楽しみ方が増えた次第です。

 

サブール(SAVEUR)

 今回使用しましたバターオイルは、正確にはオランダ製造の分別バターオイルが67.5%、植物性脂肪分が32.0%の油脂・サブールです。

 

 販売元は、ミヨシ油脂です(業界紙の連載の執筆関係で訪れていました)。

 

バターオイル

 

 ボトルは400g入りですので、バターの密度を0.9g/cm3とすると、容量としては444ml程になります。

 

バターオイル

 

 密封ボトルが嬉しいところです、鮮度長持ちですから。

 

 きのこの炒め物にも使って一品を(私は料理ができませんので、家族が)・・・と、トースト以外にもおいしく頂いています。

 

ベースブレッド(完全栄養食)・ベースフード ~ おしらせ

 先日、某TV番組でベースブレッドの紹介が放送されているのを観ました。

 

 『毎日食べる主食の栄養バランスがよければ、誰でもかんたんに栄養バランスのいい食事がとれるのでは』という発想から開発された食品、というものです。

 

 おいしい食事で健康になれる、今回はそのようなBASE BREAD(ベースブレッド)の紹介です。

 

ベースブレッド

 

 現在は、通販のほか、一部のローソンやファミリーマートでも販売されている商品です。

 

 ところで、今回は最後にちょっとしたお知らせがあります。

 

【 目次 】

 

ベースブレッド

 ダイエットをしながら、それでも必要な基準の栄養はしっかりと補給したい、そのようなニーズにも応えているといった声も聞きます。

 

ベースフード

 (出典:BASE FOOD ホームページより)

 

 BASE FOODには、 26種のビタミンやミネラル、 たんぱく質、 食物繊維など、からだに必要な栄養素が詰まっていると、謳われています。

 

ベースブレッド

 

 全ての栄養素で1日分の基準値の1/3以上を含む(1袋当り)点がポイントですね(栄養素等表示基準値(18才以上、基準熱量2,200kcal)に基づき、1日分の基準値の1/3を1食分とした場合)。

 

 そして、賞味期限は1ヶ月程度ありますので、通販での物流や保存にも便利です。

 

プレーン(237円 税込)

 ハンバーガーなどアレンジ自在なふんわり食感の全粒粉パン(1袋1個入り)というキャッチです。

 

ベースブレッド

 

 製造元は、伊藤製パンとオイシスです。

 

 原材料は、小麦全粒粉(国内製造)、小麦たんぱく、還元水飴、大豆粉(遺伝子組換えでない)、もち米、発酵種、液卵、ライ麦全粒粉、小麦胚芽、米ぬか、バター、食用こめ油、チアシード、パン酵母、米酢、食塩、小麦粉、海藻粉末、粉末油脂、昆布粉末、サトウキビ抽出物、酵母/酒精、調味料(無機塩)、となっていました。

 

 栄養分を整えるために、食材の選定は大変だったかと思います。

 

ベースブレッド

 

 焼き色は、見ての通り濃いです(焼成条件もしくは配合されている原材料から来ているかは、不明ですが)。

 

ベースブレッド

 

 側面を見てみますと、腰を出そうとプレス天板を使用されているようですが、オーブンキックで浮いた形跡は少なく沈んでいます。

 

 生地の伸展性が課題でしょうか。

 

 小麦たんぱくは配合されていますので、私でしたらミキシング条件、もしくは最終発酵あたりをチェックしたいところです。

 

ベースブレッド

 

 底面の焼き色もけっこう濃いですね(底面の焼き色は、オーブンの設定で調整可能と推測します。もちろん、現状の測定は必要ですが。)。

 

ベースブレッド

 

 内相は、カギ穴もなく、詰んでもいませんし、きれいです。

 

 食感はしっとり感がもう少しあればと思うところと、脆さが気になります。

 

 風味・食味は、全粒粉やライ麦といった穀物の特徴がよく出ています。

 

 外観形状と併せ見て、ミキシング、最終発酵、焼成での調整を期待したいところです。

 

カレー(270円 税込)

 『スパイスの効いたカレー味。揚げずに焼いてしあげました。』とあります(1袋1個入り)、焼きカレーパンです。

 

ベースブレッド

 

 製造元は、オイシスです。

 

ベースブレッド

 

 焼き色はやや薄めで、外観形状は球状に近くなっています。

 

ベースブレッド

 

 腰(高さ)は出ていますものの、先ほどと同様に生地は這った感じで、ホワイトラインは見られません。

 

 この商品は、ラック式オーブンで焼成されたのかもしれません。

 

ベースブレッド

 

 天板は平天版が使用されているようです。

 

 また、底面の表面を見てみますと生地の伸びがあまり見られないような表情になっています。

 

ベースブレッド

 

 カットした断面からは気泡が細かく、膨張した形跡があまり見られません(比容積は、低く抑えられていそうです)。

 

 それと、これは個人的な好みになってしまいますが、充填されていますカレーフィリングはもう少し欲しかったところです。

 

 食べた感じですが、やっぱりもう少ししっとりさともっちりさは欲しいところです。

 

シナモン(259円 税込)

 謳われていますのは、スパイスの豊かな香りがたのしめるシナモン味(1袋2個入り)です。

 

ベースブレッド

 

 製造元は、伊藤製パンとオイシスです。

 

ベースブレッド

 

 こちらは、シート生地をシンプルに長方形にカットした成形となります。

 

 折り込み回数は少なく、写真で見る限りでは5層か6層ほどでしょうか。

 

 パイかペーストリーをイメージしますと脆い食感もさっくり感の方へシフトしていく感覚ですが、この層の数ですとやっぱりしっとりした菓子パン系として捉えてしまいます。

 

チョコ(248円 税込)

 『朝食にもぴったり、甘さ控えめで食べやすいチョコパン。(1袋1個入り)』と謳われています。

 

ベースブレッド

 

 製造元は、伊藤製パン、オイシス、フジパン、です。

 

ベースブレッド

 

 チョコレートフラワーペーストをシート状に折り込んで、帯状にカット・ツイストしてからのねじり成形です。

 

 チョコレートの層(?4層)を見ますと、2つ折り×2回でしょうか。
 

ベースブレッド

 

 底面の焼き色は、やや濃い目です。

 

個人的な感想

 健康的な栄養摂取のニーズが高く、順調に売り上げも伸びているようですので、余計なお世話かもしれませんが、老婆心ながらこれで食感が改善されれば、さらに人気になりそうな気もしています。

 

 もしかしますと、賞味期限の関係で水分調整が必要になっている可能性もありますが、それでも改良の方法はあります。

 

 大いに期待したいところです、・・・あくまで個人的な感想です。

 

ベースクッキー・アールグレイ(194円 税込)

 パンとは別に、クッキーも販売されていました。

 

 商品アイテム群としましては、さらにパスタがラインナップされているようです。

 

ベースクッキー

 

 製造元は、先述のパンとは異なってシルビアです。

 

ベースクッキー

 

 こだわりのアールグレイ茶葉をブレンドした、香り豊かな味わいとざくざく食感のクッキーです。

 

お知らせ

 コロナの影響で一昨年は中止、昨年は延期となっていましたパンシンポジウムが来月の3月7日(月)に岐阜大学サテライトキャンパスで開催されます。

 

 実は、恥ずかしながら私も講演者に名を連ねていまして、今回は食パンを焼成する際の温度測定についてお話をさせて頂く予定になっています。

 

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 通常、学会関係のシンポジウムですと、参加対象が学会員限定だったり、参加費が掛かったりするものなのですけど、このシンポジウムは『パンに関心のある人』が対象で、参加費も無料です。

 

 加えて、今回はJR岐阜駅前のオンサイト会場だけではなく、オンライン参加も予定されています。

 

 私は、当日会場へ足を運ぶ予定ですけど、もし”パンに興味がある”ものの会場まではなかなか来られないといった方は、オンラインでこのシンポジウムに参加することも可能です。(ただ、公開の講演会ながら研究講演会ですから、楽しい話が聞けるかどうかは・・・)

パンシンポジウム (gifubread.info)

 

小枝みたいなパンとCoCo壱番屋監修のミニカレーパン、チロルチョコパン【日常雑記】 ~ コラボ商品

 もっと早くにご紹介する予定でした商品の写真がずいぶん溜まってしまい、リアルタイムでのご紹介は叶いませんでしたが、それでもせめて備忘録として残しておければ、と出すことにしました。

 

小枝みたいなパン(138円 税込)

 ファミマベーカリーで見かけました、森永製菓とのコラボ商品で、製造元はパスコです。

 

小枝みたいなパン

 

 パッケージには、小枝チョコ50個分の重量との記載があります。

 

小枝みたいなパン

 

 もっとも、総重量で50個分ということで、全体で多くの重量を占めていますのは、チョコレートではなくて、当然小麦粉です(パンですから)。

 

小枝みたいなパン

 

 ところで、上部にはアーモンドにチョコレートが掛けられていますが、おそらく[最終発酵]⇒[アーモンド乗せ]⇒[焼成]⇒[冷却]⇒[チョコ掛け]といった工程ですね。

 

小枝みたいなパン

 

 側面には、所々チョコレートが垂れていて、チョコのカーテンを潜ってきた形跡が見られます。

 

小枝みたいなパン

 

 生地のロールパンは、プレス天板が使用されています。

 

小枝みたいなパン

 

 ココアが混ぜ込まれたロールパンの生地でしょうか、背割りでカットされてパフ入りチョコクリームが充填されています。

 

 パスコには、定番商品で銀チョコロールというロールパンがありますが、ほぼ同様の製パン工程と推測します。

 

CoCo壱番屋監修ミニカレーパン(140円 税込)

 

 以前の記事で、CoCo壱番屋のカレーパンを紹介致しましたが、今回はコラボ商品です。

 

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 製造元は、山崎製パン

 

CoCo壱番屋

 

 ミニサイズのカレーパンが、3個入りです。

 

CoCo壱番屋

 

 CoCo壱番屋が監修されているということですから、フィリングに関しては同店の提供かもしれません(CoCo壱番屋としましても、レシピを教えて他社で作らせたくはないでしょうから)。

 

CoCo壱番屋

 

 外観形状から、よく膨らんで高さ(腰)が出ていることが分かります。

 

CoCo壱番屋

 

 そして断面ですが、生地の上下面で内相の状態が大きく異なっています。

 

CoCo壱番屋

 

 パンをカットしました際に空洞が潰れてしまいましたが、カレーパンには珍しく(片側とはいえ)しっかりと気泡が見られています。

 

チロルチョコパンきなこ(138円 税込)

 こちらもファミマベーカリーのチロルチョコぱんです。

 

チロルチョコパン

 

 チロルチョコのメーカーは、会社名もチロルチョコ株式会社なのですね、初めて知りました。

 

チロルチョコパン

 

 こちらは、『チロルチョコ きなこもち』の味をイメージして作られているようです。

 

 そして、製造元は山崎製パンです。

 

チロルチョコパン

 

 焼き色は、『チロルチョコ きなこもち』を意識してか、やや薄く仕上げています。

 

チロルチョコパン

 

 しっかりとホワイトラインも出ていますので、連続製パンでしたら、使用していますのはトンネル式オーブンでしょう。

 

チロルチョコパン

 

 ただ、底面から形状を見てみますと、なんとなくやや四角っぽいような・・・チロルチョコを意識して?

 

チロルチョコパン

 

 プレス天板ではなく、平天版を使用されているようですので、四角い形状を出すのは大変だったと思います。

 

 そして、包餡成形には機械装置を使っています。

 

チロルチョコパンミルク(130円 税込)

 そして、同様にファミマベーカリーのチロルチョコぱんですが、こちらは『チロルチョコ ミルク』バージョンです。

 

チロルチョコパン

 

 ですが、製造元は先ほどと違って、パスコ(敷島製パン)です。

 

 同じシリーズのパンで、製造メーカーが異なることもあるのですね。

 

チロルチョコパン

 

 上からの形状ですが、若干膨張が足りないところもありますものの、四角の形状を出す意図は感じられます。

 

チロルチョコパン

 

 側面には、枠と生地が接していた跡が付いていますので、明らかに前述のチロルチョコパンとは成形方法が異なります。

 

チロルチョコパン

 

 底面には、天板と生地との境界も見られますので、型ではなく、平天版に四角の枠をはめて、最終発酵・焼成を行ったものと推測します。

 

チロルチョコパン

 

 こちらの成形は手作業ですね。

 

チロルチョコパン

 

 ただ、この成形が意図的ではないとしたら、手慣れていない方の包餡作業ですね。(包餡の際、慣れていませんと、なかなかフィリングを詰められず、ついつい生地をたくさん底に積めてしまいます。よく『薄皮まんじゅうパンを作っているんじゃない!』と工場で指導されていた新人さんを思い出します。)

 

2月22日 ネコの日に

 ネコに絡んだネタが、カレンダーしかありません。

 

 週めくりカレンダー2022『人生はニャンとかなる!』

 

人生はニャンとかなる

 

 今週は、ソニー創業者・盛田昭夫氏の言葉も添えられています。『原稿を読んでいては絶対、人は口説けない。』

 

 でも、なんだか毎週励まされています。(仕事場のデスクの上から)