ベーグルの成形
2月29日に続いて、ベーグル作りの続編といきます。
実は以前にもベーグルの成形について、記載していたようなのですが、どうも今読み返してみますと分かり難いところもあって…。
そこでの補足の意味も込めて、解説します。
ベーグルはご存知の通り、ドーナツのようなリング状の成形を行います。
手成形であれば、細長く伸ばしたロール成形生地をリング状に結べばそれで出来上がりますが、ベーグルに関しましては世界的に専用のベーグル成形機なるものが開発されています。
これは、2000年前後の健康志向ブームに全世界と言っても過言ではない程の人気から、ベーグルの製造が際立ち、欧州や北米、もちろん日本のどこの展示会でも数多くの装置メーカーからベーグル製造にかかる装置が開発・製造されていた経緯に因ります。
ちなみにこのブームに関連して、日本では1997年ベーグル&ベーグルの第一号店が東京・浜松町にオープンしました(私もこの店舗の立ち上げに装置&条件設定の関係で携わっています)。
さて、ベーグル成形機の話に戻しますが、棒状の生地はコンベアを上図の矢印の方向へ流れていきます。
そして生地が先に進むと、筒状に湾曲されたコンベアベルトの中心にセットされた心棒にまとわり、生地が展圧されながら延ばされていきます。
ここでの心棒は、一般的なロール成形機の展圧板に相当すると考えらえます、言ってみれば展圧棒ですね。
ちなみに、心棒はコンベアベルトが湾曲される手前の紫色の矢印で示した部分で本体に固定されていますので、成形が終了する先端部分では完全にコンベアベルトとは離れています。
その工程の中で、ベーグル生地はどのように成形されるのかといいますと、棒状の生地が心棒に押さえられ、そして周辺部から筒状になったコンベアベルトに挟まれて、あのドーナツ状の形状に成形されます。
ところで今、ふと思ったのですが、上記の表現でドーナツもパンの一種で…、もしベーグルの方がメジャーだったら、ドーナツの成形の時に『ベーグル状』とか言っていたのかなぁ、なんて…(どうでもいい話で、すみません)。
ベーグルの焼成
ベーグルは、焼成方法も特殊です。
本来は最初に熱湯で『湯がいて』から焼成します。
ところが、生地温度が温度になるまで湯がくか、具体的な数値を示した文献は目にしたことがありません。
そして工場や店舗では、この『湯がく』という作業は非常に困難で、その代替操作として蒸気を使用して加熱するのですが、その操作さえも試行錯誤の末に求められるのが常です。
上図は学校の理科の授業で出てくる水の飽和蒸気圧曲線のグラフで、このグラフの使い方は、例えばオーブンの内容量の約20%を蒸気で満たしていれば、生地を60℃まで蒸気で加熱できることを知ることができます。
仮に80℃まで加熱したいのであれば、グラフの圧力の値が46.8%ですから、およそ半分の容積を蒸気で満たす必要があることを教えてくれます。
つまり、オーブンの内寸法のサイズと蒸気にした水量が分かれば、この操作はマニュアル化が可能だと思いませんか?
その後、蒸気で加熱した生地は、その工程の中で乾燥し、通常の焼成条件で加熱されます。
土岐プレミアムアウトレット後記
装置の画像だけではリアリティが湧かないかもしれませんので、先日の土岐プレミアムアウトレットでのベーグル画像も御一緒にどうぞ。
季節限定の桜もちベーグルです。
桜餡を求肥で包み、生地中に包餡されています。
今回、購入したベーグルは他にいちごやクロワッサンベーグル等、計6種類です。
それと、全国的なイベント後ということもあるとは思うのですが、ゴディバでは4,752円のチョコレートのセットを、660円税込(表示価格の3300円から80%OFF)で買ってきました。
きっと、2月14日の時点でもチョコレートの味は大きく変わらないと思うのは、私だけでしょうか・・・。